【肝細胞がん:維持療法(TTP)】「ネクサバール」vs「プラセボ」

Post-TACE(Eur J Cancer)                    

切除不能な肝細胞がんと診断され、肝動脈化学塞栓療法1〜2回実施後1〜3ヵ月以内に腫瘍が縮小した人が次の治療を考える場合、「ネクサバールによる維持療法」を選択しても進行までの期間の延長は期待しにくい。

【発表】

2011年9月1日

【試験】

Post-TACE(Phase 3)

【試験実施国】

日本、韓国

【原著】

Eur J Cancer. 2011 ;47:2117-27. [PubMed: 21664811]

【添付文書における表記】

根治的治療不能の進行性肝細胞癌に対して肝動脈化学塞栓療法(TACE)を施行し、治療効果(腫瘍壊死効果25%以上又は腫瘍縮小率25%以上)が認められた、Child-Pugh分類Aの肝細胞癌患者を対象として、プラセボ対照、無作為化、二重盲検により、TTPを主要評価項目、OSを副次評価項目とする試験を実施した。
有効性評価対象となったのは、458例(ソラフェニブ群229例、プラセボ群229例)であり、日本人患者387例(ソラフェニブ群196例、プラセボ群191例)が含まれた。TTPの中央値はプラセボ群3.7ヵ月、ソラフェニブ群5.4ヵ月であり、プラセボ群と比較しソラフェニブ群で有意なTTPの延長は認められなかった(p=0.252)。ハザード比(ソラフェニブ/プラセボ)は0.87(95%信頼区間:0.70~1.09)であった。
ソラフェニブ群の安全性評価対象229例中229例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、手足皮膚反応188例(82.1%)、リパーゼ増加101例(44.1%)、脱毛94例(41.0%)であった。