【胃がん:術後治療(3年OS)】「S-1」vs「経過観察」

ACTS-GC(NEJM)                         

Ⅱ期またはⅢ期胃がんと診断された人が手術を受け、その後の治療を考える場合、「S-1(1年投与)による術後補助化学療法」を選択することで、3年生存率の向上が期待できる。

S-1」治療の主なグレード3または4の有害事象は、食欲不振(6.0%)、悪心(3.7%)、下痢(3.1%)。

【発表】

2007年11月1日

【試験名】

ACTS-GC(Phase 3)〔NCT00152217

【試験実施国】

日本

【原著】

N Engl J Med. 2007;357:1810-20. [PubMed:17978289]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

Stage Ⅱ、Ⅲの胃癌治癒切除症例を対象とし、TS-1投与(手術後1年間)群(529例)と手術単独群(530例)を比較検討した結果(観察期間の中央値:手術後3.0年)、生存期間のハザード比は0.675(95%信頼区間:0.523-0.871、ログランク検定p=0.0024)で、TS-1投与群は手術単独群と比較して死亡リスクを32%低下させた。手術後3年の生存率は、手術単独群70.1%、TS-1投与群80.5%であった。また、無再発生存期間のハザード比は0.622(95%信頼区間:0.501-0.772、ログランク検定p<0.0001)で、TS-1投与群は手術単独群と比較して再発リスクを38%低下させた。3年無再発生存率は、手術単独群60.1%、TS-1投与群72.2%であった。
なお、割付後の3年生存率は、手術単独群70.1%、TS-1投与群80.1%であり、3年無再発生存率は手術単独群59.6%、TS-1投与群72.2%であった。