1ラインの治療歴があるKRAS変異陽性の人は、「ドセタキセル」治療にMEK1/2阻害薬「セルメチニブ」治療の上乗せを選択しても、無増悪生存期間の延長は期待しにくい。
試験では、「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人の無増悪生存期間は2.8ヵ月であったのに対し、「セルメチニブ+ドセタキセル」治療を受けた人は3.9ヵ月であり、治療間に統計学的な差は認められなかった(p=0.44)。生存期間も「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人では7.9ヵ月であったのに対し、「セルメチニブ+ドセタキセル」治療を受けた人は8.7ヵ月であり、治療間に統計学的な差は認められなかった(p=0.64)。
「セルメチニブ+ドセタキセル」治療の主な有害事象は、下痢(61%)、悪心(38%)、皮疹(34%)、末梢浮腫(30%)。「プラセボ+ドセタキセル」治療を受けた人での有害事象発現率は、下痢(35%)、疲労(31%)、脱毛(25%)、悪心(24%)。Grade 3以上の有害事象を経験した人の割合は、「セルメチニブ」治療の上乗せによって45%から67%に上昇(脱力:9%、呼吸困難:8%、下痢:7%、好中球減少:7%など)。
【発表】
2017年5月9日
【試験名】
SELECT-1(Phase 3)〔NCT01933932〕
【原著】
JAMA. 2017;317:1844-1853. [PubMed:28492898]
【さらに詳しく】