【直腸がん:術後治療】「カペシタビンによる化学放射線療法」vs「5−FUによる化学放射線療法」

手術後の化学放射線療法を考える場合、「カペシタビン(経口)」を選択することで「5-FU(静注)」を上回る5年生存率が期待できる。

3年無病生存率は「カペシタビン」による化学放射線療法を受けた人で75%、「5-FU」による化学放射線療法を受けた人で67%(p=0.07)。局所再発率は「カペシタビン」による化学放射線療法を受けた人で6%、「5-FU」による化学放射線療法を受けた人で7%(p=0.67)。遠隔転移率は「カペシタビン」による化学放射線療法を受けた人で19%、「5-FU」による化学放射線療法を受けた人で28%(p=0.04)。

主な有害事象は、下痢。下痢(軽症も含む)は、「カペシタビン」による化学放射線療法を受けた人で53%、「5-FU」による化学放射線療法を受けた人で44%。

カペシタビン」による化学放射線療法を選択することで手足症候群、倦怠感、直腸炎の発現のおそれが増加する。試験では「カペシタビン」による化学放射線療法を受けた人の31%(vs 2%)、28%(vs 15%)、16%(5%)が軽症を含む手足症候群、倦怠感、直腸炎を経験。

カペシタビン」による化学放射線療法を選択することで白血球減少症の発現のおそれは減少する。試験では「カペシタビン」による化学放射線療法を受けた人の25%(vs 35%)が白血球減少症を経験。

【発表】

2012年4月13日

【試験名】

Rektum-III(Phase 3)〔NCT01500993

【原著】

Lancet Oncol. 2012;13:579-88. [PubMed: 22503032]