【卵巣がん:維持療法(PFS)】「ゼジューラ」vs「経過観察」

PRIMA/GOG3012(NEJM)                    

進行卵巣がんと診断され、初めての治療として「化学療法」を受け奏効が得られた女性が、その後の治療を考える場合、「ゼジューラによる維持療法」を選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。

ゼジューラ」治療の主なグレード3以上の有害事象は、貧血(31.0%)、血小板減少症(28.7%)、好中球減少症(12.8%)。

【発表】

2019年9月28日

【試験名】

PRIMA/ENGOT-OV26/GOG-3012(Phase 3)〔NCT02655016

【試験参加国】

米国、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、ノルウェー、ポーランド、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国

【原著】

N Engl J Med 2019; 381 :2391-402. [PubMed: 31562799]

【さらに詳しく】

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【卵巣がん:維持療法(PFS)】「ゼジューラ」vs「経過観察」
PRIMA/GOG3012(Eur J Cancer)                 進行卵巣がんと診断され、初めての治療として化学療法を受け、奏効が得られた女性が次の治療を考える場合、HRDの状態に関わらず、「ゼジューラによる維持療法」の実施を選択することで無増悪生存期間の延 ...

 

【添付文書における表記】

白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法注1)による奏効(完全奏効又は部分奏効)が維持されている高悪性度の漿液性又は類内膜性が優位を占める卵巣癌(原発性腹膜癌及び卵管癌を含む)患者(FIGO進行期分類Ⅲ期又はⅣ期)〔733例(相同組換え修復欠損を有する集団373例を含む)〕を対象として、ニラパリブ200mg又は300mg(487例)注2)とプラセボ(246例)を1日1回経口投与した無作為化比較試験の結果注3)、主要評価項目である盲検下独立中央判定による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、全体集団では、ニラパリブ群で13.8ヵ月、プラセボ群で8.2ヵ月[ハザード比(HR):0.62〔95%信頼区間(CI):0.502~0.755)、片側p<0.0001、層別ログランク検定〕]、相同組換え修復欠損を有する集団では、ニラパリブ群で21.9ヵ月、プラセボ群で10.4ヵ月[HR:0.43〔95%CI:0.310~0.588、片側p<0.0001、層別ログランク検定〕]であった。なお、探索的に解析された相同組換え修復欠損を有しない集団におけるPFSの中央値は、ニラパリブ群で8.1ヵ月、プラセボ群で5.4ヵ月[HR:0.68〔95%CI:0.492~0.944〕]であった。

ニラパリブ投与群で安全性評価対象484例のうち、466例(96%)に副作用が認められた。ニラパリブ群の主な副作用は、貧血61%(293例)、悪心51%(245例)、血小板減少症45%(219例)、疲労30%(144例)、血小板数減少27%(130例)及び好中球減少症、便秘26%(それぞれ126例、125例)であった。

注1)以下のいずれかに該当する患者が対象とされた。
①初回化学療法後の維持療法としてベバシズマブ(遺伝子組換え)の投与を受けていない患者
②初回化学療法としてベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む化学療法を受けた患者のうち、有害事象等の理由で維持療法としてのベバシズマブ(遺伝子組換え)投与が受けられなかった患者で、ベバシズマブ(遺伝子組換え)の最終投与後28日以上経過している患者

注2)試験開始時には、初回投与前の体重及び血小板に関わらずニラパリブ300mg又はプラセボを1日1回経口投与することとされたが、試験開始後に、初回投与前で体重77kg未満又は血小板数150,000/µL未満の場合は200mg1日1回経口投与、初回投与前で体重77kg以上かつ血小板数150,000/µL以上の場合は300mg1日1回経口投与と設定された。

注3)データカットオフ日:2019年5月17日