【尿路上皮がん:三次治療(OS)】「パドセブ」vs「化学療法」

EV-301(NEJM)                          

尿路上皮がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法および抗PD-1抗体による治療歴のある人が次の治療を考える場合、「パドセブ」治療を選択することで、化学療法(ドセタキセル75mg/m2パクリタキセル175mg/m2ビンフルニン320mg/m2のいずれかを主治医が選択)を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。

パドセブ」治療を受けた人の40.6%が治療に奏効した。これは化学療法の奏効率17.9%より有意に高かった(p<0.001)。

パドセブ」治療を受けた人の51.4%がグレード3以上の有害事象を経験した(vs 49.8%)。

【発表】

2021年2月12日

【試験名】

EV-301(Phase 3)〔NCT03474107/jRCT2080224027

【試験実施国】

日本(京都大学医学部附属病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、岡山大学病院、広島市立広島市民病院、東北大学病院、富山大学附属病院、札幌医科大学附属病院、日本医科大学附属病院、香川大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、山口大学医学部附属病院、がん研有明病院、慶應義塾大学病院、国立がん研究センター東病院、千葉県がんセンター、近畿大学病院、新潟大学医歯学総合病院、岩手医科大学附属病院、九州大学病院、筑波大学附属病院、徳島大学病院、大阪国際がん研究センター、原三信病院、大阪医科大学附属病院)、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、オランダ、ポルトガル、ロシア、スペイン、スイス、台湾、英国、米国

【原著】

N Engl J Med. 2021 ;384:1125-1135. [PubMed: 33577729]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

白金系抗悪性腫瘍剤注6)及びPD-1/PD-L1阻害剤による治療歴のある注7)根治切除不能な尿路上皮癌患者608例(日本人86例を含む)を対象に、本剤1.25mg/kgを28日サイクルの1、8及び15日目に投与した際の有効性及び安全性を、治験担当医師の選択する化学療法(ドセタキセルパクリタキセル又はvinflunine注8)と比較することを目的とした非盲検無作為化比較試験を実施した。
主要評価項目である全生存期間(OS)は、化学療法群と比較して本剤群で有意な延長を示した。

注6)白金系抗悪性腫瘍剤が術前又は術後に投与され12カ月以内に疾患進行が認められた場合には、白金系抗悪性腫瘍剤による前治療歴とみなすこととされた。

注7)白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法としてアベルマブ(遺伝子組換え)が投与された患者も対象とされた。

注8)本邦ではvinflunineは未承認であるため、ドセタキセル又はパクリタキセルのいずれかが選択された。

本剤が投与された296例中(日本人36例を含む)、278例(93.9%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、脱毛症(45.3%)、末梢性感覚ニューロパチー(33.8%)、そう痒症(32.1%)、疲労(31.1%)、食欲減退(30.7%)、下痢(24.3%)、味覚不全(24.3%)及び悪心(22.6%)であった。