【急性リンパ芽球性白血病:維持療法】「VDパルス療法1年」vs「VDパルス療法2年」

0〜18歳で急性リンパ芽球性白血病と診断された小児の寛解導入療法後のVDパルス療法(ビンクリスチンデキサメタゾン)による維持療法の期間を考える場合、低リスクであれば、2年目を休薬しても2年目を継続した場合に劣らない5年無イベント生存率が期待できる。中間または高リスクであれば、5年無イベント生存率が劣っていないかについては不明のままである。

日本における小児急性リンパ性白血病の標準的維持療法は、最低2年間の「メルカプトプリン+メトトレキサート」併用療法である。

連日のメルカプトプリン内服と週1 回のメトトレキサート(MTX)投与の併用療法は,維持療法の骨格として近年日本および欧米の多くの多施設共同研究で用いられていることから,小児ALL における標準的維持療法と考えられる。この維持療法を含め,全治療期間は最低2 年間行うことを強く推奨する。

維持療法におけるステロイドとビンクリスチンによるパルス療法については,メタアナリシスの結果から初期治療の治療強度が低い場合は有用であるが強い場合の有用性は明らかではなく,全体として生存率の向上に寄与しないとの結果が得られている。

(『小児白血病・リンパ腫の診療ガイドライン 2016年版』より)

【発表】

2021年7月27日

【試験名】

CCCG-ALL-2015(Phase 3)

【試験実施国】

中国

【原著】

Lancet Oncol. 2021 Jul 27. [PubMed: 34329606]