【EGFR陽性肺がん:二次治療(PFS)】「タグリッソ」vs「化学療法」

AURA3(NEJM)                          

EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんと診断され、EGFR-TKI加療後に病勢が進行し、その後の遺伝子検査でT790M変異陽性であった人が次の治療を考える場合、「タグリッソ」治療を選択することで、「プラチナ製剤+ペメトレキセド」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できる。

試験では「タグリッソ」単独治療を受けた人の71%が奏効、「プラチナ製剤+ペメトレキセド」治療を受けた人の31%が奏効した。

グレード3以上の有害事象は、「タグリッソ」単独治療を受けた人の23%、「プラチナ製剤+ペメトレキセド」治療を受けた人の47%が経験した。

【発表】

2016年12月6日

【試験名】

AURA3(Phase 3)〔NCT02151981

【試験参加国】

日本(兵庫県立がんセンター、順天堂大学医学部附属順天堂医院、九州大学病院、関西医科大学附属病院、埼玉県立がんセンター、神戸市立医療センター中央市民病院、倉敷中央病院、京都大学医学部附属病院、四国がんセンター、愛知県がんセンター、宮城県立がんセンター、新潟県立がんセンター新潟病院、岡山大学病院、大阪市立総合医療センター、大阪国際がんセンター、近畿大学病院、近畿中央呼吸器センター、東京医科大学病院、静岡がんセンター、大阪医科薬科大学病院、和歌山県立医科大学附属病院、大垣市民病院、神奈川県立循環器呼吸器病センター、神奈川県立がんセンター)、米国、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、ハンガリー、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ロシア、スペイン、スウェーデン、台湾、英国

【原著】

N Engl J Med 2017;376: 629-40. [PubMed:27959700]

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【トライアル図鑑】AURA3(EGFR陽性肺がん:二次治療)
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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療後に病勢進行したEGFR T790M変異1)陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者2)419例(本剤群279例、化学療法群140例)(日本人63例[本剤群41例、化学療法群22例])を対象として、本剤80mgと化学療法(ペメトレキセドナトリウム水和物及び白金系抗悪性腫瘍剤の併用投与)の有効性及び安全性を比較する国際共同第III相非盲検無作為化試験が実施された。主要評価項目である主治医判定による無増悪生存期間(中央値[95%信頼区間])の結果は、本剤群で10.1[8.3~12.3]カ月、化学療法群で4.4[4.2~5.6]カ月であった(ハザード比[95%信頼区間]:0.30[0.23~0.41]、p<0.001)(2016年4月15日カットオフデータに基づく集計)。

1EGFR遺伝子の活性型変異が腫瘍組織検体で確認され、かつ、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による一次治療後に病勢進行が確認された後に、エクソン20の変異(T790M)が認められた患者が組み入れられた。

2) 非小細胞肺癌のうち、扁平上皮癌が除外基準とされた。

安全性評価対象症例279例(日本人41例を含む)中236例(84.6%)に副作用が認められ、主な副作用は、発疹・ざ瘡等87例(31.2%)、下痢86例(30.8%)、爪の障害(爪囲炎を含む)63例(22.6%)、皮膚乾燥・湿疹等53例(19.0%)等であった。また、日本人集団では41例中39例(95.1%)に副作用が認められ、主な副作用は、爪の障害(爪囲炎を含む)20例(48.8%)、下痢14例(34.1%)、発疹・ざ瘡等14例(34.1%)、間質性肺疾患3例(7.3%)等であった。(2016年9月までの集計)