【HR陽性乳がん:二次治療(PFS)】「アフィニトール+アロマシン」vs「アロマシン」

BOLERO-2(NEJM)                        

HR陽性乳がんと診断され、「アリミデックス」または「フェマーラ」治療後に進行または再発した女性が次の治療を考える場合、「アロマシン」治療に「アフィニトール」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

高頻度に認められたグレード 3 または 4 の有害事象は、口内炎、貧血、呼吸困難、高血糖、倦怠感、肺炎。それぞれ「アフィニトールアロマシン」治療を受けた人の8%、6%、4%、4%、3%の人が経験した。「プラセボ+アロマシン」治療を受けた人ではいずれも1%以下の人しか経験していない。

本試験の試験成績に基づき、2012年7月、米国で「レトロゾール又はアナストロゾールに不応の閉経後ホ ルモン受容体陽性・HER2 陰性進行性乳癌(エキセメスタンと 併用)」の治療薬として承認され、 欧州でも「非ステロイド型アロマターゼ阻害薬で進行・再発した 閉経後ホルモン受容体陽性・HER2 陰性進行性乳癌(エキセメスタンと併用)」の治療薬として承認された。日本では2014年3月、「手術不能又は再発乳癌」の効能・効果が追加承認された。適応は「非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者」に限定されているが、「エキセメスタンとの併用」については限定していない。

【発表】

2011年12月7日

【試験名】

BOLERO-2(Phase 3)〔NCT00863655/jRCT2080221018

【試験参加国】

日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、北九州市立医療センター、群馬大学医学部附属病院、北海道大学病院、東海大学医学部付属病院、くまもと森都総合病院、京都大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、埼玉医科大学国際医療センター、埼玉県立がんセンター、都立駒込病院、国立がん研究センター中央病院、聖路加国際病院、がん研有明病院、九州がんセンター、相良病院、大阪府立成人病センター、大阪医療センター)、米国、オーストリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チェコ、エジプト、フランス、ドイツ、香港、ハンガリー、イタリア、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スウェーデン、タイ、トルコ、英

【原著】

N Engl J Med. 2012;366:520-9. [PubMed: 22149876]

【さらに詳しく】

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【トライアル図鑑】 BOLERO-2(HR陽性乳がん:二次内分泌療法)
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【添付文書における表記】

ER陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象に、エキセメスタンの併用下でプラセボを対照群として本剤10mgを食後に連日経口投与を行った。合計724例(日本人106例を含む)がエベロリムス群(485例)又はプラセボ群(239例)に無作為割付けされた。主要評価項目である治験責任医師の判定に基づくPFSは、エベロリムス群6.93ヵ月、プラセボ群2.83ヵ月であり、プラセボ群と比較しエベロリムス群で有意なPFSの延長が認められた(ハザード比 0.43、95%信頼区間 0.35~0.54;内分泌療法に対する感受性の有無及び内臓転移の有無を層別因子とした層別ログランク検定 p<0.0001)(中間解析時のデータ:2011年2月カットオフ)。

副次評価項目である全生存期間(OS;中央値)は、エベロリムス群30.98ヵ月、プラセボ群26.55ヵ月であった(ハザード比 0.89、95%信頼区間0.73~1.10;内分泌療法に対する感受性の有無及び内臓転移の有無を層別因子とした層別ログランク検定 p=0.1426)(OSの最終解析時のデータ:2013年10月カットオフ)。

副作用発現頻度は、エベロリムス群で96.7%(466/482例、日本人71例を含む)であった。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)66.0%(318例)、発疹34.6%(167例)、疲労24.5%(118例)、間質性肺疾患21.2%(102例)、食欲減退20.1%(97例)、下痢20.1%(97例)、味覚異常19.3%(93例)、感染症18.9%(91例)、悪心18.5%(89例)、体重減少14.9%(72例)、血小板減少13.7%(66例)、貧血12.0%(58例)、鼻出血11.6%(56例)、高血糖11.4%(55例)、AST増加10.8%(52例)、咳嗽10.6%(51例)、呼吸困難10.6%(51例)、ALT増加10.4%(50例)、そう痒症10.0%(48例)、頭痛10.0%(48例)等であった(2014年12月カットオフ)。