【標準治療】肺がんの周術期治療

1. 術前治療

1.1 オプジーボ+プラチナ製剤を含む化学療法(術前)

オプジーボシスプラチンまたはカルボプラチンを含む化学療法」は、EGFR遺伝子変異かつALK融合遺伝子陰性/不明例の臨床病期Ⅱ-ⅢB期非小細胞肺がんの術前にを行うよう弱く推奨されている。

【レジメン図鑑】オプジーボ+カルボプラチン+パクリタキセル(肺がん:術前治療)
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」について、非小細胞肺癌における術前補助療法に対する、化学療法との併用療法(最大3サイクル)が2023年3月27日に承認された。この申請は、Phase 3試験『CheckMate 816』の結果に基づく。 『CheckMate 816』では、扁平 ...
【レジメン図鑑】オプジーボ+シスプラチン+ゲムシタビン(肺がん:術前治療)
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」について、非小細胞肺癌における術前補助療法に対する、化学療法との併用療法(最大3サイクル)が2023年3月27日に承認された。この申請は、Phase 3試験『CheckMate 816』の結果に基づく。 『CheckMate 816』では、扁平 ...
【レジメン図鑑】オプジーボ+シスプラチン+ペメトレキセド(肺がん:術前治療)
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」について、非小細胞肺癌における術前補助療法に対する、化学療法との併用療法(最大3サイクル)が2023年3月27日に承認された。この申請は、Phase 3試験『CheckMate 816』の結果に基づく。 『CheckMate 816』では、非扁 ...

 

1.2 キイトルーダ+プラチナ製剤を含む化学療法(術前)+キイトルーダ(術後)

術前の「キイトルーダシスプラチンを含む化学療法」、術後の「キイトルーダ」治療は、臨床病期Ⅱ-ⅢB期非小細胞肺がんにを行うよう弱く推奨されている。

【レジメン図鑑】キイトルーダ+シスプラチン+ゲムシタビン(肺がん:周術期治療)
「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)」について、「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」として、2023年9月7日に承認申請され、2024年8月28日承認された。この承認は、Phase 3試験『KEYNOTE-671』の結果に基づく。 【承認日】 2024年8月28日 ...
【レジメン図鑑】キイトルーダ+シスプラチン+ペメトレキセド(肺がん:周術期治療)
「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)」について、「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」として、2023年9月7日に承認申請され、2024年8月28日承認された。この承認は、Phase 3試験『KEYNOTE-671』の結果に基づく。 【承認日】 2024年8月28日 ...

 

1.3 国内で現在開発中の治療

1.3.1 免疫チェックポイント阻害薬+化学療法→手術→免疫チェックポイント阻害薬

【ⅡA-ⅢB期肺がん:周術期治療(EFS)】「イミフィンジ+化学療法→手術→イミフィンジ」vs「化学療法→手術」

【ⅡA-ⅢB期肺がん:周術期治療(EFS)】「イミフィンジ+化学療法→手術→イミフィンジ」vs「化学療法→手術」

AEGEAN(NEJM)                          切除可能なIIA期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「術前の化学療法」に「イミフィンジ」の上乗せおよび「術後のイミフィンジ(4週毎に最長12サイクル)」の追加を選択する ...
【II-IIIB期肺がん:周術期治療(EFS)】「オプジーボ+化学療法→手術→オプジーボ」vs「化学療法→手術」

【II-IIIB期肺がん:周術期治療(EFS)】「オプジーボ+化学療法→手術→オプジーボ」vs「化学療法→手術」

CheckMate 77T(NEJM)                       切除可能なII期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術を受ける場合、「術前の化学療法」への「オプジーボ」の上乗せ、および「術後補助療法としてオプジーボの実施」を選択することで18ヵ月無イベ ...
【II-IIIB期肺がん:周術期治療(EFS)】「テセントリク+化学療法→手術→テセントリク」vs「化学療法→手術」

【II-IIIB期肺がん:周術期治療(EFS)】「テセントリク+化学療法→手術→テセントリク」vs「化学療法→手術」

IMpower030                            切除可能なII-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術を受ける場合、「術前の化学療法」に「テセントリク」の上乗せ、「術後のテセントリク(3週毎に最長16サイクル)の追加」を選択することで無イベント生 ...

 

1.3.2 ドライバー遺伝子変異/転座陽性

【EGFR陽性肺がん:術前治療】「タグリッソ+化学療法」vs「化学療法」

【EGFR陽性肺がん:術前治療】「タグリッソ+化学療法」vs「化学療法」

NeoADAURA                              切除可能なEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんと診断された人が手術前の治療を考える場合、「ペメトレキセド+プラチナ製剤」に「タグリッソ」の上乗せを選択することで、病理学的大奏効が得られやすくなるかにつ ...

 

 

2. 術後治療(ドライバー遺伝子変異/転座野生型)

2.1 PD-L1発現50%以上に対する「テセントリク」

テセントリク単剤療法」が腫瘍細胞におけるPD-L1発現50%以上の術後病理病期ⅡB-ⅢB期完全切除例に対して、「シスプラチンを含む化学療法」後に行うよう弱く推奨されている。

【レジメン図鑑】テセントリク(PD-L1陽性肺がん:術後治療)
「テセントリク」(一般名=アテゾリズマブ)は、2018年12月「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」について承認され、2022年5月26日に「PD-L1陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」への適応拡大が承認された。 術後病理病期ⅡB-ⅢA期 完全切除例、腫瘍細胞におけるPD ...

 

2.2 国内で現在開発中の治療

2.2.1 術後補助化学療法後の治療

【肺がん:術後治療(RFS)】「テセントリク+チラゴルマブ」vs「テセントリク」

【肺がん:術後治療(RFS)】「テセントリク+チラゴルマブ」vs「テセントリク」

SKYSCRAPER-15                          切除可能な非小細胞肺がんと診断され、手術、術後補助化学療法を受けた人がその後の治療を考える場合、「テセントリク」治療に「チラゴルマブ」の上乗せを選択することで、無病生存期間が延長できるかについて現在、検 ...
【肺がん:術後治療(DFS)】「サシツズマブ チルモテカン+キイトルーダ」vs「キイトルーダ」

【肺がん:術後治療(DFS)】「サシツズマブ チルモテカン+キイトルーダ」vs「キイトルーダ」

TroFuse-019                             切除可能なII期-IIIB期非小細胞肺がんと診断され、手術前に「キイトルーダ+化学療法」を受け、病理学的完全奏効が得られなかった人が手術後の治療を考える場合、「キイトルーダ」治療に「サシツズマブ チル ...
【肺がん:術後治療(DFS)】「mRNA-4157 +キイトルーダ」vs「キイトルーダ」

【肺がん:術後治療(DFS)】「mRNA-4157 +キイトルーダ」vs「キイトルーダ」

INTerpath-002                            Ⅱ-Ⅲ期非小細胞肺がんと診断され、手術を受け、「プラチナ製剤を含む2剤併用化学療法による術後補助療法」を受けた人が次の治療考える場合、「キイトルーダ」治療に「個別化mRNAワクチンmRNA-4157 ...

 

2.2.2 免疫チェックポイント阻害薬による術後補助療法

【Ⅱ-Ⅲ期肺がん:術後治療(DFS)】「イミフィンジ+化学療法」vs「化学療法」

【Ⅱ-Ⅲ期肺がん:術後治療(DFS)】「イミフィンジ+化学療法」vs「化学療法」

MERMAID-1                             II-III期非小細胞肺がんと診断された人が手術後の補助化学療法を考える場合、「化学療法」に「イミフィンジ」の上乗せを選択することで無病生存期間が延長できるかについて、現在、検証が進められている。主要評価 ...
【肺がん:術後治療(DFS)】「イミフィンジ」vs「経過観察」

【肺がん:術後治療(DFS)】「イミフィンジ」vs「経過観察」

MERMAID-2                             II-III期非小細胞肺がんと診断され、手術後96週以内に微小残存病変が見つかった人は「イミフィンジを用いた術後補助療法」を選択することで、無病生存期間が延長できるかについて現在、検証が進められている。主 ...
【肺がん(PD-L1≧25%):術後治療(DFS)】「イミフィンジ」vs「経過観察」

【肺がん(PD-L1≧25%):術後治療(DFS)】「イミフィンジ」vs「経過観察」

CCTG BR.31                             PD-L1発現が25%以上のIB-IIIA期期非小細胞肺がんと診断された人が手術を考える場合、「イミフィンジを用いた術後補助療法の実施」を選択しても、無病生存期間の延長は期待しにくい。 【学会発表】 2 ...

 

 

3. 術後治療(ドライバー遺伝子変異/転座陽性)

3.1 EGFR遺伝子変異陽性に対する「タグリッソ」

タグリッソ単剤療法」がEGFR遺伝子変異陽性の術後病理病期Ⅱ-ⅢB期完全切除例に対して、行うよう弱く推奨されている。

【レジメン図鑑】タグリッソ(EGFR陽性肺がん:術後治療)
「タグリッソ(一般名=オシメルチニブ)」は、2016年3月28日、「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」、2018年8月21日には「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」に対して承認された後、 ...
【トライアル図鑑】ADAURA(EGFR陽性肺がん:術後治療)
【試験名】 ADAURA(Phase 3)〔NCT02511106/jRCT2080223253〕 【試験開始日】 2016年6月6日 【試験終了予定日】 2023年3月31日 【試験参加国】 日本(順天堂大学医学部附属順天堂医院、九州大学病院、関西医科大学附属病院、広島市立広島 ...

 

3.2 ALK融合遺伝子陽性に対する「アレセンサ」

アレセンサ単剤療法」がALK融合遺伝子陽性の術後病理病期Ⅱ-ⅢB期完全切除例に対して、行うよう弱く推奨されている。

【レジメン図鑑】アレセンサ(ALK陽性肺がん:術後治療)
「アレセンサ(一般名=アレクチニブ塩酸塩)」は、2014年7月4日、「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対して承認されたALK阻害薬。「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」に対しては、2023年12月15日、承認申請され、2024 ...
【ALK陽性肺がん:術後治療(DFS)】「アレセンサ」vs「化学療法」
ALINA(NEJM)                           ALK融合遺伝子陽性のIB-ⅢA期の非小細胞肺がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「アレセンサ」治療を選択することで「プラチナ製剤を含む併用化学療法」を選択した場合を上回る2年無病生存率が期待で ...

 

3.3 国内で現在開発中の治療

【RET陽性肺がん:術後治療(EFS)】「レットヴィモ」vs「プラセボ」

【RET陽性肺がん:術後治療(EFS)】「レットヴィモ」vs「プラセボ」

LIBRETTO-432                            RET融合遺伝子陽性のIB-ⅢA期の非小細胞肺がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「レットヴィモ」治療を選択することで無イベント生存期間の延長が期待できるか現在、検証が進められている。主要評 ...
【EGFR陽性IA2-IA3期肺がん:術後治療(DFS)】「タグリッソ」vs「経過観察」

【EGFR陽性IA2-IA3期肺がん:術後治療(DFS)】「タグリッソ」vs「経過観察」

ADAURA2                              EGFR遺伝子変異を有するIA2-IA3期非小細胞肺がんと診断された人が手術後に「タグリッソを用いた術後補助療法」を選択することで、無病生存期間が延長できるかについて現在、検証が進められている。主要評価項目 ...