【腎細胞がん:一次治療(OS)】「トーリセル」vs「インターフェロンα」

ARCC(NEJM)                           

遠隔転移を有する予後不良の腎細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「トーリセル」治療を選択することで「インターフェロンα」治療を選択した場合を上回るる生存期間が期待できる。「インターフェロンα」治療に「トーリセル」の上乗せを選択しても生存期間の延長は期待しにくい。

トーリセル」治療の主な有害事象は皮疹、末梢性浮腫、高血糖、高脂血症。「インターフェロンα」の主な有害事象は無力症。

【発表】

2007年5月31日

【試験名】

ARCC(Phase 3)〔NCT00065468

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、チェコ、セルビア、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、メキシコ、オランダ、ポーランド、ロシア、スロバキア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、トルコ、ウクライナ、英国

【原著】

N Engl J Med. 2007 ;356:2271-81. [PubMed: 17538086]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

 海外第Ⅲ相臨床試験

高リスク注2)の未治療進行性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、本剤投与群(25mg週1回点滴静脈内投与)は、インターフェロン-α投与群に比較して、全生存期間の有意な延長が認められた。なお、本剤とインターフェロン-αとの併用時は延命効果が検証されていない。

注2)以下に示す6項目の予後因子のうち3項目以上に該当する患者

  • 腎細胞癌と診断されてから本試験の無作為割付けまで1年未満
  • Karnofsky一般状態(PS)が60%~70%
  • ヘモグロビン値が基準値の下限未満
  • 補正カルシウム値>10mg/dL
  • 乳酸脱水素酵素(LDH)値が基準値上限の>1.5倍
  • 転移巣数>1

また、安全性評価対象208例中、195例(93.8%)に副作用が認められた。その主な副作用は無力症83例(39.9%)、発疹70例(33.7%)、貧血68例(32.7%)、悪心54例(26.0%)、高脂血症51例(24.5%)、食欲不振47例(22.6%)、高コレステロール血症43例(20.7%)、口内炎41例(19.7%)、粘膜炎38例(18.3%)であった。また、肺臓炎は4例(1.9%)に認められた。