【慢性骨髄性白血病:三次治療(24週MMR)】「セムブリックス」vs「ボシュリフ」

ASCEMBL(Blood)                         

慢性骨髄性性白血病と診断され、2種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬による治療歴がある人が次の治療を考える場合、「セムブリックス」治療を選択することで、「ボシュリフ」治療を選択した場合を上回る分子遺伝学的大奏効率が期待できる。

セムブリックス」治療を受けた50.6%の人がグレード3以上の有害事象を経験したが、「ボシュリフ」治療を受けた人の60.5%より少なく、「セムブリックス」治療を受けた5.8%の人が有害事象のため治療を中止したが、「ボシュリフ」治療を受けた人の21.1%に比べ、少なかった。

【発表】

2021年11月25日

【試験名】

ASCEMBL(Phase 3)〔NCT03106779

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、日本(名古屋第一赤十字病院、藤田医科大学病院、国立がん研究センター東病院、神戸大学医学部附属病院、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、都立駒込病院、山梨大学医学部附属病院、秋田大学医学部附属病院、青森県立中央病院)、韓国、レバノン、メキシコ、オランダ、ルーマニア、ロシア、サウジアラビア、セルビア、スペイン、スイス、トルコ、英国

【原著】

Blood. 2021 ;138:2031-2041. [PubMed: 34407542]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

2つ以上のチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容の慢性期の慢性骨髄性白血病患者注1)233例(日本人患者16例を含む)を対象に、本剤1回40mgを1日2回空腹時、又はボスチニブ500mgを1日1回食後に経口投与した。主要評価項目である24週時点の分子遺伝学的大奏効(MMR)率(2020年5月25日データカットオフ)は下表のとおりであり、ボスチニブ群に対する本剤群の優越性が検証された。

本剤群の安全性評価対象例156例中、副作用は66.0%(103例)に発現した。主な副作用は血小板減少症19.9%(31例)、好中球減少症15.4%(24例)、頭痛9.0%(14例)、悪心6.4%(10例)、疲労5.8%(9例)及び貧血5.1%(8例)等であった(2021年1月6日データカットオフ)。

注1)ABL遺伝子のT315I又はV299L変異の既往が確認された患者は除外された。