
6月2日から6月6日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO 2023)で発表された今後の治療選択肢についてまとめてみた。

【EGFR陽性肺がん:術後治療(5年OS)】「タグリッソ」vs「経過観察」
ADAURA(NEJM) EGFR遺伝子変異を有するII-IIIA期非小細胞肺がんと診断された人が術後の治療を考える場合、「タグリッソを用いた3年間の補助療法」を選択することで、5年生存率の向上が期待できる。 【試験名】 ADAUR ...

【II-IIIB期肺がん:周術期治療(2年EFS)】「キイトルーダ+化学療法→手術→キイトルーダ」vs「化学療法→手術」
KEYNOTE-671(NEJM) 切除可能なII期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「術前の化学療法にキイトルーダの上乗せ」および「術後のキイトルーダ(3週毎に最長13サイクル)の追加」を選択するこ ...

【卵巣がん:維持療法(PFS)】「イミフィンジ+アバスチン+化学療法→リムパーザ+イミフィンジ+アバスチン」vs「アバスチン+化学療法→アバスチン」
DUO-O 高悪性度上皮性卵巣がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、導入療法として「化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)+アバスチン」に「イミフィンジ」を上乗せし、終了後 「アバスチンによる維持療法」に ...

【IDH陽性神経膠腫:一次治療(PFS)】「ボランシデニブ」vs「プラセボ」
INDIGO(NEJM) IDH1またはIDH2変異陽性のグレード2神経膠腫と診断され、手術後に病変が残存または再発した人が次の治療を考える場合、「ボランシデニブ」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表 ...

【去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(PFS)】「タラゾパリブ+イクスタンジ」vs「イクスタンジ」
TALAPRO-2(Lancet) 遠隔転移を有する前立腺がんと診断され、去勢抵抗性となった男性が次の治療を考える場合、「イクスタンジ」治療に「PARP阻害薬タラゾパリブ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 ...

【EGFR陽性肺がん:二次治療(OS、PFS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」
KEYNOTE-789 EGFR変異陽性の転移性の非小細胞肺がんと診断され、EGFR-TKI阻害薬治療中に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「ペメトレキセド+プラチナ製剤」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても生存期 ...

【胃がん:術後治療(3年RFS)】「オプジーボ+化学療法」vs「化学療法」
ATTRACTION-5 切除可能な胃がんおよび胃食道接合部がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「化学療法(CAPOXまたはS-1 )」治療に「オプジーボ」の上乗せを選択しても、3年無再発生存率の向上は期待しにくい。 ...

【大細胞型B細胞リンパ腫:二次治療(OS)】「イエスカルタ」vs「自家造血幹細胞移植」
ZUMA-7(NEJM) 大細胞型B細胞リンパ腫と診断され、一次治療が無効または一次治療より1年以内に再発した人が次の治療を考える場合、「CAR-T細胞 イエスカルタ」治療を選択することで、「大量化学療法+自家造血幹細胞移植」を選 ...

【多発性骨髄腫:二次治療(PFS)】「カービクティ」vs「DPd」
CARTITUDE-4(NEJM) 多発性骨髄腫と診断され、レブラミド不応かつ1〜3ラインの前治療歴がある人が次の治療を考える場合、「CAR-T細胞療法 カービクティ」を選択することで、「ダラザレックス/ダラキューロ(またはベルケイド) ...

【直腸がん:術前治療(5年DFS)】「FOLFOX」vs「化学放射線療法」
PROSPECT(NEJM) 局所進行直腸がんと診断された人が手術前の治療を考える場合、「FOLFOX」を選択することで、「化学放射線療法」を選択した場合に劣らない5年無病生存率が期待できる。 【発表】 2023年6月4日 【試験名】 ...

【HR陽性乳がん:術後治療(3年iDFS)】「リボシクリブ+内分泌療法」vs「内分泌療法」
NATALEE HR陽性HER2陰性切除可能な乳がんと診断され、再発リスクが高い女性が術後補助療法を考える場合、「内分泌療法(フェマーラまたはアリミデックス)」に「CDK4/6阻害薬 リボシクリブ」の上乗せを選択すること ...

【HER2陽性胆道がん】ザニダタマブ
HERIZON-BTC-01(Lancet Oncol) HER2増幅を有する局所進行または転移性胆道がんと診断された80名が「HER2二重特異性抗体薬ザニダタマブ」治療を受けた結果、41.3%の人で奏効が得られ、12.9ヵ月奏効が持続した。 【発表 ...

【骨髄異形成症候群:貧血】「ルスパテルセプト」vs「エポエチンアルファ」
COMMANDS(Lancet) ESA製剤治療歴のない低リスク骨髄異形成症候群の人が貧血治療を考える場合、「ルスパテルセプト」治療を選択することで、「エポエチンアルファ」治療を選択した場合を上回る輸血非依存状態に移行できる割合の向上が ...