【標準治療】胆道がんの二次治療

1. FGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん

「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を効能又は効果として「ペマジール」、「リトゴビ」、「タスフィゴ」が承認されており、いずれかの単剤治療が選択できる。

1.1 ペマジール

【レジメン図鑑】ペマジール(FGFR2陽性胆道がん:二次治療)
「ペマジール(一般名=ペミガチニブ)」は「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」について2021年3月26日に承認され、同年6月1日発売となったFGFR阻害薬。この承認はPhase2試験(FIGHT-202)の結果に基づく。 主な副作用は、脱毛 ...
【FGFR2陽性胆道がん(ORR)】ペマジール
FIGHT-202(Lancet Oncol)                     FGFR2遺伝子融合/再配列を有する人が選択的FGFR1、2、3阻害薬「ペマジール」治療を受けた結果、35.5%の人が治療に奏効し、7.5%ヵ月間奏効が持続した。 最も多くの人が経験した有害事 ...

 

1.2 リトゴビ

【レジメン図鑑】リトゴビ(FGFR2陽性胆道がん:二次治療)
「リトゴビ(一般名=フチバチニブ)」は「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」について2023年6月26日に承認され、同年9月4日発売となったFGFR阻害薬。この承認はPhase2試験(FOENIX-CCA2)の結果に基づく。 主な副作用は、高 ...
【FGFR2陽性胆道がん:二次治療(ORR)】リトゴビ
FOENIX-CCA2(NEJM)                        FGFR2遺伝子融合/再配列を有する肝内胆管がんと診断され、1ライン以上の治療歴がある103名が「リトゴビ」治療を受けた結果、42%の人が治療に奏効し、9.7ヵ月間奏効が持続した。 「リトゴビ」治療 ...

 

1.3 タスフィゴ

【レジメン図鑑】タスフィゴ(FGFR2陽性胆道がん)
「タスフィゴ(一般名:タスルグラチニブ)」は、2024年11月20日に発売されたFGFR選択的阻害薬。2023年12月18日、「がん化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を対象に承認申請され、2024年9月24日に承認された。 【承認日】 2024年9 ...

 

 

2. マイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H)胆道がん

標準治療が困難で、マイクロサテライト不安定性が高い場合、「キイトルーダ」治療を提案することが推奨されている。

 

 

3. BRAF遺伝子変異陽性の胆道がん

「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発固形腫瘍」を効能又は効果として「タフィンラーメキニスト」併用療法が承認されており、選択できる。

【レジメン図鑑】タフィンラー+メキニスト(BRAF陽性固形がん)
「タフィンラー(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩)」および「メキニスト(一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)」は、2016年3月28日に「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を対象に承認されたBRAF阻害薬とMEK阻害薬。 2023年11月24日、「 ...
【BRAF陽性胆道がん:二次治療(ORR)】「タフィンラー+メキニスト」
ROAR(Nat Med)                          BRAFV600E変異を有する再発または進行胆道がんと診断され、何らかの治療を受けた43名が「タフィンラー+メキニスト」治療を受けた結果、53%の人が治療に奏効し、8.9ヵ月奏効が持続した。 本試験を含 ...
【BRAF陽性胆道がん:二次治療(ORR)】「タフィンラー+メキニスト」
ROAR(Lancet Oncol)                       手術ができないBRAFV600E変異陽性の胆道がんと診断され、前治療として1種類以上の化学療法を受けたことがある43名が「タフィンラー+メキニスト」治療を受けた結果、22名(51%)が治療に奏効した ...

 

 

4. 上記以外の胆道がんの二次治療

NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」を効能又は効果として「ヴァイトラックビ」、「ロズリートレク」が承認されており、いずれかの単剤治療が選択できる。NTRK1/2/3、ROS1またはALK遺伝子再配列を保有する局所進行又は転移性固形がんを対象に「ロズリートレク」単剤治療の有用性を検証したPhase 2試験『STARTRK-2』において胆管細胞がんが1名含まれており、治療に奏効したことが報告されている。12歳以上のNTRK 融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんを対象に「ヴァイトラックビ」単剤治療の有用性を検証したPhase 2試験『NAVIGATE』において胆道がんが2名含まれていたが、いずれも治療に奏効しなかったことが報告されている。

ゲムシタビンシスプラチン」併用療法後の二次治療としてフルオロピリミジン系抗癌剤による化学療法を提案することが推奨されている。日本では「S-1」、「UFT」が承認されている。