非小細胞肺がんと診断された人が初めての化学療法を考える場合、「アブラキサン+カルボプラチン」治療を選択することで、「パクリタキセル+カルボプラチン」治療を選択した場合を上回る奏効率が期待できる。特に「扁平上皮がん」ではより効果が期待できる(41% vs 24%)。「非扁平上皮がん」では効果は同程度(26% vs 25%)。
無増悪生存期間、生存期間は同程度。「扁平上皮がん」における生存期間にも差なし(10.7ヵ月 vs 9.5ヵ月)。70歳以上の人では「アブラキサン+カルボプラチン」治療を受けた人で生存期間が長かった(19.9ヵ月 vs 10.4ヵ月)。北米では「アブラキサン+カルボプラチン」治療を受けた人で生存期間が長かったが(12.7ヵ月 vs 9.8ヵ月)、日本では差はなかった(16.7ヵ月 vs 17.2ヵ月)。
「アブラキサン+カルボプラチン」を選択することで、グレード3以上の神経障害、好中球減少症、関節痛、筋肉痛の発現が減少することが期待できる。逆に血小板減少症、貧血が現れる可能性は高まるかもしれない。
【発表】
2012年4月30日
【試験】
Phase 3〔NCT00540514〕
【原著】
J Clin Oncol. 2012;30:2055-62. [PubMed:22547591]
【さらに詳しく】