【消化管間質腫瘍:四次治療(PFS)】「ジェセリ」vs「プラセボ」

CHAPTER-GIST-301(Ann Oncol)                  

進行消化管間質腫瘍と診断され、グリベックスーテントスチバーガに不応または不耐と判断された人が次の治療を考える場合、「HSP90阻害薬 ジェセリ」治療を選択することで無増悪生存期間、生存期間の延長が期待できる。

ジェセリ」治療の主なグレード3以上の治療関連有害事象は、下痢(13/8%)であった。治療を受けた5.2%の人は、治療関連有害事象のために「ジェセリ」治療を続けることができず、治療を中止した。

本試験の結果に基づいて、2021年9月14日、「ジェセリ」は「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍」の適応で承認申請され、2022年6月20日に承認された。2022年8月30日に発売された。

【発表】

2022年6月7日

【試験名】

CHAPTER-GIST-301(Phase 3)〔JapicCTI-184094

【試験実施国】

日本

【原著】

Ann Oncol. 2022 ;33:959-967. [PubMed: 35688358]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

イマチニブスニチニブ及びレゴラフェニブによる治療後に増悪した1)切除不能又は遠隔転移を有する消化管間質腫瘍患者86例を対象に、本剤160mg又はプラセボを1日1回5日間連続経口投与したのち2日間休薬するスケジュールで繰り返し投与した結果、本剤はプラセボと比較して主要評価項目である改変RECIST ver.1.12)に基づく無増悪生存期間を有意に延長した(2020年6月23日データカットオフ)。

1) イマチニブスニチニブ及びレゴラフェニブによる治療に対して、RECISTに基づく進行、又は臨床的な増悪若しくは不耐と判定された患者が対象とされた。

2) 通常のRECIST ver.1.1から以下の点が改変された基準が用いられた。
①リンパ節病変を標的病変として選択しない。
②既存の腫瘍内に新たに出現した腫瘍結節を新規病変と判定する基準について、(ⅰ)最長径が2cm以上で、ダイナミックCTで造影される病変であること、かつ(ⅱ)21日以上の撮像間隔かつ2回以上連続した腫瘍評価で認められることと定義する。

副作用は本剤が投与された5)75例中70例(93.3%)に認められた。主な副作用の発現例数(発現率)は、下痢54例(72%)、食欲減退22例(29.3%)、血中クレアチニン増加21例(28%)、倦怠感20例(26.7%)、悪心19例(25.3%)、腎機能障害10例(13.3%)、夜盲9例(12%)であった。

5) 本剤群58例及びプラセボから本剤への切替え例17例