
CheckMate 214(NEJM)
IMDCリスク分類intermediateおよびpoorリスクを有する進行淡明細胞型腎細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を選択することで「スーテント」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間および生存期間が期待できる。
試験では「スーテント」治療を受けた人の奏効率が27%であったのに対し、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を受けた人の42%で奏効が得られた(P<0.001)。「スーテント」治療を受けた63%の人がグレード3または4の有害事象を経験したのに対し、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を受けた人では46%であった。
本試験の結果に基づき、2017年11月に欧州、12月に米国、2018年1月には日本で承認申請され、2019年8月21日「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」に対し、「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法が承認された。ただし、効能・効果に関連する使用上の注意として「化学療法未治療の根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合、IMDCリスク分類がintermediate又はpoorリスクの患者を対象とすること。」が付記されている。
【発表】
2018年3月21日
【試験名】
CheckMate 214(Phase 3)〔NCT02231749/jRCT2080222800〕
【試験参加国】
日本(東京科学大学病院、山形大学医学部附属病院、秋田大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、千葉県がんセンター、九州大学病院、札幌医科大学付属病院、北海道大学病院、神戸大学医学部附属病院、筑波大学附属病院、岩手医科大学附属病院、横浜市立大学附属病院、熊本大学病院、京都府立医科大学附属病院、新潟大学医歯学総合病院、岡山大学病院、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、浜松医科大学医学部附属病院、徳島大学病院、日本医科大学付属病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、東京大学医学部附属病院、がん研有明病院、慶應義塾大学病院、東京女子医科大学病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、台湾、トルコ、英国
【原著】
N Engl J Med 2018; 378:1277-1290. [PubMed: 29562145]
【さらに詳しく】
- 進行腎細胞癌におけるニボルマブ+イピリムマブとスニチニブとの比較〔NEJM 日本語アブストラクト〕
- 進行性腎細胞がんの1次治療、ニボルマブとイピリムマブ併用が有効〔ケアネット〕
- ニボルマブとイピリムマブの併用が未治療進行淡明細胞型腎細胞癌への1次治療の選択肢の1つに【ESMO2017】〔日経メディカル〕
- 進行腎がんに対する初回治療ニボ+イピとスニチニブの比較〔海外がん医療情報リファレンス〕
- 「オプジーボ」「ヤーボイ」併用、OS優越性確認 RCCのP3試験 独立委、早期有効中止を推奨〔日刊薬業〕
- 「オプジーボ」「ヤーボイ」併用で奏効率達成 腎細胞がんのP3試験〔日刊薬業〕
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【添付文書における表記】
国際共同第Ⅲ相試験(ONO-4538-16/CA209214試験)(併用投与)
化学療法未治療の進行性又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者1,096例(日本人患者72例を含む。イピリムマブ(遺伝子組換え)併用(N+I併用)*15群550例、スニチニブ群546例)を対象に、スニチニブを対照として、N+I併用群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目であるIMDC*16リスク分類intermediate及びpoorリスク患者(N+I併用群425例、スニチニブ群422例)の全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+I併用群でNE*17[28.16~NE]ヵ月、スニチニブ群で25.95[22.08~NE*17]ヵ月であり、N+I併用投与はスニチニブに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.63 [99.8%信頼区間:0.44~0.89]、p<0.0001[層別log-rank検定]、2017年8月7日データカットオフ)。また、安全性評価対象547例中509例(93.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、疲労202例(36.9%)、そう痒症154例(28.2%)、下痢145例(26.5%)、発疹118例(21.6%)、悪心109例(19.9%)、リパーゼ増加90例(16.5%)、甲状腺機能低下症85例(15.5%)であった。
*15:本剤1回3mg/kg(体重)とイピリムマブ(遺伝子組換え)1回1mg/kg(体重)を同日に3週間間隔で4回点滴静注した後、本剤1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注注4)した。併用投与時においては、本剤を最初に投与し、イピリムマブ(遺伝子組換え)は本剤の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
*16:International Metastatic RCC Database Consortium
*17:NEは推定不能