ドラッグラグ・ロス

1.ドラッグロス

米国では承認されているが、日本国内では開発が未着手の治療薬についてまとめてみた。

1-1. 乳がん

Orserdu®(一般名:エラセストラント)

【効能及び効果】1つ以上の内分泌治療の治療歴があるER陽性HER2陰性ESR1変異のある乳がん

【承認年月日】2023年1月27日

【ER陽性乳がん(ESR1陽性):二次治療(PFS)】「エラセストラント」vs「内分泌療法単剤」
EMERALD(JCO)                        ESR1陽性かつER陽性HER2陰性転移性乳がんと診断され、CDK4/6阻害薬を併用した1または2ラインの内分泌療法歴のある女性が次の治療を考える場合、「経口選択的エストロゲン受容体分解薬 エラセストラント」 ...

 

Margenza®(一般名:マルゲツキシマブ)

【効能及び効果】2つ以上の抗HER2療法歴(うち1つは転移性乳がんに対して)のあるHER2陽性の転移性乳がん

【承認年月日】2020年12月17日

【消化管間質腫瘍:四次治療(PFS)】「リプレチニブ」vs「プラセボ」
INVICTUS(Lancet Oncol)                      進行消化管間質腫瘍と診断され、グリベック、スーテント、スチバーガ治療を受けた人が次の治療を考える場合、「リプレチニブ」治療を選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 「リプレチニブ」治 ...

 

 

1-2. 大腸がん

Krazati®(一般名:アダグラシブ)

【効能及び効果】KRAS G12C変異陽性の転移性直腸がん

【承認年月日】2024年6月21日

【KRAS陽性大腸がん(ORR)】「アダグラシブ+アービタックス」
KRYSTAL-1(NEJM)                         KRASG12C変異陽性大腸がんと診断され、選択できる標準治療がなくなった28名が「KRAS阻害薬 アダグラシブ+アービタックス」治療を受けた結果、13名(46%)が治療に奏効し、7.6ヵ月奏効が持続 ...
【KRAS陽性大腸がん(ORR)】「アダグラシブ+アービタックス」
KRYSTAL-1(Cancer Discov)                         KRASG12C変異陽性大腸がんと診断され、選択できる標準治療がなくなった94名が「KRAS阻害薬 アダグラシブ+アービタックス」治療を受けた結果、32名(34.0%)が治療に奏効し ...

 

Tevimbra®(一般名:チスレリズマブ)

【効能及び効果】化学療法及び抗VEGF治療後に増悪した切除不能または転移性結腸直腸がん

【承認年月日】2023年10月16日

 

 

1-3. 膵がん

オニバイド

【効能及び効果】転移性膵腺がんの一次治療

【承認年月日】2024年2月16日

【膵がん:一次治療(OS)】「NALIRIFOX」vs「アブラキサン+ゲムシタビン」
NAPOLI-3(Lancet)                         転移性膵管腺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「NALIRIFOX(オニバイド+FOLFOX)」治療を選択することで「アブラキサン+ゲムシタビン」治療を上回る生存期間が期待できる。 【発 ...

 

 

1-4. 膀胱がん

Anktiva®(一般名:nogapendekin alfa inbakicept)

【効能及び効果】BCG不応性の筋層非浸潤性膀胱がん

【承認年月日】2024年4月22日

 

Adstiladrin®(一般名:ナドフラゲン フィラデノベック)

【効能及び効果】BCG不応性の筋層浸潤のない膀胱がん

【承認年月日】2022年12月19日

 

 

1-5. 血液がん

 Rezlidhia®(一般名:オルタシデニブ)

【効能及び効果】IDH1変異を有する再発または難治性の急性骨髄性白血病

【承認年月日】2022年12月1日

 

Tibsovo®(一般名:イボシデニブ)

【効能及び効果】75歳以上または強化型寛解導入療法が適応とならないIDH1変異を有する未治療の急性骨髄性白血病

【承認年月日】2019年5月3日

【急性骨髄性白血病:難治・再発例】イボシデニブ
AG120-C-001(NEJM)                        再発または難治性のIDH1変異陽性急性骨髄性白血病の人が次の治療を考える場合、「イボシデニブ」治療の選択は、一部で完全寛解が期待できる。 【発表】 2018年6月2日 【試験】 AG120-C-00 ...

 

【効能及び効果】IDH1変異を有する再発または難治性の骨髄異形成症候群

【承認年月日】2023年10月24日

 

RyteloTM(一般名:イメテルスタット)

【効能及び効果】低・中リスクの骨髄異形成症候群

【承認年月日】2024年6月6日

【骨髄異形成症候群:貧血】「イメテルスタット」vs「プラセボ」
IMerge(Lancet)                          ESA製剤抵抗性の貧血を伴う骨髄異形成症候群の人が貧血治療を考える場合、「イメテルスタット」治療を選択することで、8週以上の輸血非依存状態に移行できる割合の向上が期待できる。 【発表】 2023年12 ...

 

ビーリンサイト

【効能及び効果】生後1カ月以降のCD19陽性フィラデルフィア染色体陰性B前駆細胞性急性リンパ性白血病

【承認年月日】2024年6月14日

 

BrukinsaTM(一般名:ウムブラリシブ)

【効能及び効果】再発または難治性の辺縁帯リンパ腫、濾胞性リンパ腫

【承認年月日】2021年2月5日

【濾胞性リンパ腫:二次治療(ORR、DOR、PFS)】ウムブラリシブ
UNITY-NHL(JCO)                         再発・難治性の辺縁帯リンパ腫69人が「ウムブラリシブ」治療を受けた結果、49.3%が治療に奏効した。再発・難治性の濾胞性リンパ腫117人が「ウムブラリシブ」治療を受けた結果、45.3%が治療に奏効し、1 ...

 

Brukinsa®(一般名:ブルキンザ)

【効能及び効果】2または3ライン以上の全身治療歴を有する再発・難治性の濾胞性リンパ腫

【承認年月日】2024年3月7日

【濾胞性リンパ腫:三次治療(ORR)】「ブルキンザ+ガザイバ」vs「ガザイバ」
ROSEWOOD(JCO)                         濾胞性リンパ腫と診断され、抗CD20抗体、アルキル化薬を含む2ライン以上の治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「ガザイバ」治療に「BTK阻害薬  ブルキンザ」の上乗せを選択することで、奏効率の ...

 

【効能及び効果】1つ以上の治療歴のある再発または難治性の辺縁帯リンパ腫

【承認年月日】2021年9月16日

 

Tecartus®(一般名:ブレクスカブタジェン アウトルーセル)

【効能及び効果】再発または難治性のマントル細胞リンパ腫

【承認年月日】2020年7月27日

【マントル細胞リンパ腫:再発・難治例(ORR)】ブレクスカブタゲンアウトルーセル
マントル細胞リンパ腫と診断され、BTK阻害薬治療を含む、BTK阻害薬を含む、5ライン以下の治療歴がある60名が「ブレクスカブタゲンアウトルーセル」によるCAR-T療法を受けた結果、93%が治療に奏効した。 主なグレード3以上の有害事象は、血球減少(94%)、感染症(32%)。治療 ...

 

ブレヤンジ

【効能及び効果】再発・難治性の慢性リンパ性白血病または小リンパ球性リンパ腫

【慢性リンパ性白血病:三次治療(CRR)】ブレヤンジ
TRANSCEND CLL 004(Lancet)                   慢性リンパ性白血病と診断され、BTK阻害薬治療中に進行かつベネクレクスタ不応となった49名が「CAR-T療法 ブレヤンジ」を受けた結果、9名(18%) が完全奏効または寛解を得た。 【発表】 ...

 

リツキサン

【効能及び効果】

下記の未治療の6歳以上の小児の血液がん

  • 進行期CD20陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
  • バーキットリンパ腫(BL)
  • バーキット様リンパ腫(BLL)
  • 成熟B細胞性急性白血病(B-AL)

【承認年月日】2021年12月3日

 

 

1-6. 脳腫瘍

OjemdaTM(一般名:tovorafenib)

【効能及び効果】BRAF V600変異陽性の再発・難治性の小児低悪性度神経膠腫(生後6ヵ月以降)

【承認年月日】2024年5月22日

 

IwilfinTM(一般名:eflornithine hydrochloride)

【効能及び効果】高リスクの神経芽腫の維持療法

【承認年月日】2023年12月14日

 

Danyelza®(一般名:ナキシタマブ)

【効能及び効果】再発又は難治性の高リスク神経芽腫

【承認年月日】2020年11月27日

 

テモダール

【効能及び効果】退形成星細胞腫の術後補助療法

【承認年月日】2023年9月14日

 

 

1-7. 皮膚がん

オプジーボ

【効能及び効果】StageIIB,IIC,III,IV期の悪性黒色腫の術後補助療法

【承認年月日】2023年10月16日

【ⅡB-ⅡC期悪性黒色腫:術後治療(1年RFS)】「オプジーボ」vs「プラセボ」
CheckMate 76K(Nat Med)                     ⅡB期またはⅡC期の悪性黒色腫と診断された人が手術後の治療を考える場合、「オプジーボ(最長1年投与)」を選択することで1年無再発生存率の向上が期待できる。 【発表】 2022年3月31日 【試験 ...

 

テセントリク

【効能及び効果】BRAF V600E陽性の切除不能又は転移性の悪性黒色腫

【承認年月日】2020年7月31日

【BRAF陽性悪性黒色腫:一次治療(PFS)】「テセントリク+ゼルボラフ+コビメチニブ」vs「ゼルボラフ+コビメチニブ」
IMspire150(Lancet)                        BRAFV600変異陽性の人が初めての治療を考える場合、「ゼルボラフ+コビメチニブ」治療に「テセントリク」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「テセントリク+ゼルボラフ+ ...

 

 

1-8. 消化管間質腫瘍

Qinlock®(一般名:リプレチニブ)

【効能及び効果】3つ以上の治療歴のある進行消化管間質腫瘍

【承認年月日】2020年5月15日

【消化管間質腫瘍:四次治療(PFS)】「リプレチニブ」vs「プラセボ」
INVICTUS(Lancet Oncol)                      進行消化管間質腫瘍と診断され、グリベック、スーテント、スチバーガ治療を受けた人が次の治療を考える場合、「リプレチニブ」治療を選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 「リプレチニブ」治 ...

 

Ayvakit®(一般名:アバプリチニブ)

【効能及び効果】PDGFRA exon 18変異(PDGFRA D842V を含む)を有する切除不能または転移性の消化管間質腫瘍

【承認年月日】2020年1月9日

 

 

1-9. その他のがん・腫瘍

Ogsiveo®(一般名:ニロカゼスタット)

【効能及び効果】デスモイド腫瘍

【承認年月日】2023年11月28日

【デスモイド腫瘍】「ニロガセスタット」vs「プラセボ」
DeFi (NEJM)                            進行性デスモイド腫瘍のと診断された人が治療を考える場合、「γ-セクレターゼ阻害薬 ニロガセスタット」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「ニロガセスタット」治療を受けた人の41%が ...

 

ルタテラ

【効能及び効果】ソマトスタチン受容体陽性の膵消化管神経内分泌腫瘍(12歳以上の小児)

【承認年月日】2024年4月23日

 

Vijoice®(一般名:アルペリシブ)

【効能及び効果】2歳以上のPIK3CA-related overgrowth spectrum(PROS)

【承認年月日】2022年4月6日

 

メルファラン

【効能及び効果】切除不能、又は転移性のぶどう膜悪性黒色腫

【承認年月日】2023年8月15日

 

Kimmtrak®(一般名:テベンタフスプ)

【効能及び効果】切除不能、又は転移性のぶどう膜悪性黒色腫

【承認年月日】2022年1月26日

【HLA-A*02:01陽性ぶどう膜黒色腫:一次治療(OS)】「テベンタフスプ」vs「主治医による選択」
IMCgp100-202(NEJM)                      HLA-A*02:01陽性の人が初めての治療を考える場合、「二重特異性融合蛋白 テベンタフスプ」治療を選択することで、主治医がキイトルーダ、ヤーボイ、ダカルバジンより選択した場合(試験では82%の主治 ...
【HLA-A*02:01陽性ぶどう膜黒色腫:一次治療(3年OS)】「テベンタフスプ」vs「主治医による選択」
IMCgp100-202(NEJM)                      HLA-A*02:01陽性の転移性ぶどう膜黒色腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「二重特異性融合蛋白 テベンタフスプ」治療を選択することで、主治医がキイトルーダ、ヤーボイ、ダカルバジンより選 ...

 

ザーコリ

【効能及び効果】ALK陽性の炎症性筋線維芽細胞腫

【承認年月日】2022年7月14日

 

Fyarro®(一般名:シロリムス)

【効能及び効果】局所進行・転移性の悪性血管周囲上皮細胞腫

【承認年月日】2021年11月23日