
『食道癌診療ガイドライン』が5年ぶりに改定された。新たに推奨に加わった薬物療法の治療選択肢を以下にまとめた。
cStage II、IIIの食道癌に対して術前化学放射線療法および手術を行い、根治切除が得られるも病理学的完全奏効が得られない場合、組織型や腫瘍細胞におけるPD-L1の発現によらず、術後ニボルマブ療法を行うことを強く推奨する
(エビデンスの強さ:A、合意率81%)
cStage II、IIIの食道癌に対して術前化学療法および手術を行い、根治切除が得られるも病理学的完全奏効が得られない場合、術後ニボルマブ療法については、現時点で推奨を決定することができない
(エビデンスの強さ:D、合意率92%)
【食道がん:術後治療(DFS)】「オプジーボ」vs「プラセボ」
切除不能進行・再発食道癌に対して一次療法として、ペムブロリズマブ+シスプラチン+5-FU療法を行うことを強く推奨する
(エビデンスの強さ:A、合意率92.3%)
【食道がん:一次治療(OS、PFS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」
切除不能進行・再発食道癌に対する一次治療としてニボルマブ+シスプラチン+5-FU療法もしくは、ニボルマブ+イピリムマブ療法を行うことを強く推奨するが、患者の全身状態および、PD-L1発現状況(TPS)、忍容性等を考慮する
(エビデンスの強さ:A、合意率:88.0%)
【食道がん:一次治療(OS、PFS)】「オプジーボ+化学療法」vs「化学療法」
抗PD-1抗体薬の使用歴がない場合、ニボルマブ療法を行うことを強く推奨する(扁平上皮癌)
(エビデンスの強さ:A、合意率100%)
【食道がん:二次治療(OS)】「オプジーボ」vs「化学療法」
抗PD-1抗体薬の使用歴がない場合、ペムブロリズマブ療法を行うことを弱く推奨する(CPS≧10かつ扁平上皮癌、あるいはMSI-HまたはTMB-H)
(エビデンスの強さ:B、合意率96.2%)
【食道がん(PD-L1陽性):二次治療(OS、PFS)】「キイトルーダ」vs「化学療法」
タキサン系薬剤の使用歴がない場合、パクリタキセル療法を行うことを弱く推奨する
(エビデンスの強さ:C、合意率:100%)
【扁平上皮食道がん:二次治療(OS、PFS)】「パクリタキセル」vs「ドセタキセル」
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