ECHELON-2(Lancet)
「CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫」と診断された人が初めての治療を考える場合、「A-CHP(アドセトリス+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン)」療法を選択することでCHOP療法を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できる。
本試験の結果を受けて、2018年11月16日、米国で「未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)または、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫および 非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を含むCD30陽性PTCL」に化学療法を併用する形での「アドセトリス」が承認された。日本では2019年3月29日に「CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫」を対象に承認申請され、同年12月20日承認された。
【発表】
2018年12月4日
【試験名】
ECHELON-2(Phase 3)〔NCT01777152〕
【原著】
Lancet 2019; 393: 229-40. [PubMed: 30522922]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【さらに詳しく】
- CD30陽性PTCLの1次治療でブレンツキシマブ ベドチン+CHP療法がPFSとOSを延長【ASH2018】〔日経メディカル〕
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【添付文書における表記】
未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫患者注8)452例(日本人患者43例を含む。本剤+CHP投与群注9)及びCHOP投与群注10)各226例)を対象に、CHOP投与を対照として本剤+CHP投与の有効性及び安全性を評価した。
主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)注11)は盲検下にて中央判定委員会により評価(中央判定)され、CHOP投与群に対する本剤+CHP投与群の優越性が検証された(2018年8月15日データカットオフ)。
国際共同第Ⅲ相試験成績(中央判定)
本剤+CHP投与群注9)
(n=226)CHOP投与群注10)
(n=226)PFSイベント数(件)
95
124
ハザード比(95%信頼区間) 注12)
0.71(0.54,0.93)
p値注13)
0.0110
PFSの中央値(月)
(95%信頼区間)48.20
(35.15, -)20.80
(12.68, 47.57)副次評価項目である全生存期間(OS)は、CHOP投与群と比較して本剤+CHP投与群で統計学的に有意な延長が認められた(2018年8月15日データカットオフ)。
国際共同第Ⅲ相試験成績
本剤+CHP投与群注9)
(n=226)CHOP投与群注10)
(n=226)OSイベント数(件)
51
73
ハザード比(95%信頼区間) 注12)
0.66(0.46,0.95)
p値注13)
0.0244
OSの中央値(月)
(95%信頼区間)NE注14)
(NE, NE)NE
(54.2, NE)注8) 対象とされた病理組織型は、全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)・ALK陽性型、sALCL・ALK陰性型、末梢性T細胞リンパ腫・非特定型(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T 細胞リンパ腫(AITL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、腸症関連T細胞リンパ腫(EATL)、肝脾T細胞リンパ腫であり、肝脾T細胞リンパ腫を除く全ての病理組織型の患者が組み入れられた。
注9) 本剤+CHP投与:3週間を1サイクルとし、各サイクルの1日目に、シクロホスファミド水和物750 mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩50 mg/m2、本剤1.8mg/kgを静脈内投与し、各サイクルの1~5日目にプレドニゾン100mg(国内未承認)を経口投与する。これを6~8サイクル繰り返した。
注10) CHOP投与:3週間を1サイクルとし、各サイクルの1日目に、シクロホスファミド水和物750 mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩50 mg/m2、ビンクリスチン硫酸塩1.4 mg/m2(上限2mg)を静脈内投与し、各サイクルの1~5日目にプレドニゾン100mg(国内未承認)を経口投与する。これを6~8サイクル繰り返した。
注11) イベントに該当する事象として、病勢の進行及び死亡に加え、残存腫瘍又は病勢進行により抗がん化学療法を受けた場合も含めてPFSと定義した。
注12) 無作為化の層別因子による層別Cox回帰モデル
注13) 無作為化の層別因子による層別ログランク検定、有意水準両側0.05
注14) NE:Not Estimable(推定不能)
副作用発現頻度は、本剤+CHP投与群で90%〔201/223例(日本人20例含む)〕及びCHOP投与群で85%〔193/226例(日本人23例含む)〕であった。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパチー〔本剤+CHP投与群44%(98例)、CHOP投与群38%(87例)、以下同順〕、好中球減少症〔34%(75例)、30%(68例)〕、悪心〔32%(71例)、27%(61例)〕、便秘〔21%(47例)、22%(50例)〕、脱毛症〔17%(38例)、13%(30例)〕、下痢〔16%(36例)、7%(16例)〕、疲労〔16%(36例)、16%(36例)〕及び発熱性好中球減少症〔16%(35例)、12%(28例)〕であった。