【学会速報】ESMO 2024

9月13日から17日までバルセロナで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2024)に関してSNSで注目を集めた演題についてまとめてみた。

肺がん

【EGFR陽性肺がん:二次治療(OS)】「ライブリバント+化学療法」vs「化学療法」
MARIPOSA-2                            局所進行または転移性のEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんと診断され、「タグリッソ」治療が無効になった人が次の治療を考える場合、「ペメトレキセド+カルボプラチン」に「EGFR/MET二重特異性抗体ライブ ...
【肺がん(PD-L1≧25%):術後治療(DFS)】「イミフィンジ」vs「経過観察」
CCTG BR.31                             PD-L1発現が25%以上のIB-IIIA期期非小細胞肺がんと診断された人が手術を考える場合、「イミフィンジを用いた術後補助療法の実施」を選択しても、無病生存期間の延長は期待しにくい。 【学会発表】 2 ...

 

乳がん

【トリプルネガティブ乳がん:周術期治療(OS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」
KEYNOTE-522(NEJM)                       切除可能なトリプルネガティブ乳がんと診断された女性が手術前後の補助療法を考える場合、術前の化学療法に「キイトルーダ」の上乗せ、術後の「キイトルーダ」治療を選択することで5年生存率の向上が期待できる。 ...
【トリプルネガティブ乳がん:一次治療(OS)】「トルカプ+パクリタキセル」vs「パクリタキセル」
CAPItello-290                            遠隔転移を有するトリプルネガティブ乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「パクリタキセ」治療に「AKT阻害薬 トルカプ」の上乗せを選択しても生存期間の延長は期待しにくい。 【学会発表】 ...
【HER2陽性乳がん(脳転移あり):二次治療(ORR)】エンハーツ
DESTINY-Breast12(Nat Med)                    HER2陽性乳がんと診断され、脳転移が確認され、何らかの治療を受けたことがある女性263名が「エンハーツ」治療を受けた結果、71.7%が脳転移巣への治療が奏効し、90.3%以上が1年以上生存 ...
【HER2陽性乳がん:嘔吐予防】「オランザピン+5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン」vs「5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン」
ERICA/WJOG14320B(Ann Oncol)                 HER2陽性または低発現の転移性乳がんと診断され、「エンハーツ」単剤治療を受ける予定の女性が嘔吐予防を考える場合、「5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン」治療に「オランザピン」の上乗せを選択 ...

 

胃がん・大腸がん

【胃がん:術前治療(OS)】「化学療法→化学放射線療法」vs「化学療法」
TOPGEAR(NEJM)                         切除可能な胃がんと診断された人が術前補助化学療法(ECFまたはFLOT)と手術の間に「化学放射線療法(45Gy+5-FU)」の追加を選択しても、生存期間の延長は期待しにくい。 【発表】 2024年9月13 ...
【大腸がん:三次治療(OS)】「ロンサーフ+サイラムザ」vs「ロンサーフ」
RAMTAS                        転移性大腸がんと診断され、フルオロピリミジン、イリノテカン、オキサリプラチン、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体(RAS野生型の場合)を含む学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「ロンサーフ」治療に「サイラムザ」 ...

 

肝がん

【局所進行肝細胞がん:一次治療(PFS)】「TACE+キイトルーダ+レンビマ」vs「TACE」
LEAP-012                              根治不能の非転移性肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「肝動脈化学塞栓療法(TACE)」治療に「キイトルーダ+レンビマ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【学会 ...

 

泌尿器がん

【筋層浸潤性膀胱がん:周術期治療(2年EFS)】「イミフィンジ+化学療法→手術→イミフィンジ」vs「化学療法→手術」
NIAGARA(NEJM)                         筋層浸潤性膀胱がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、手術前の「ゲムシタビン+シスプラチン」治療に「イミフィンジ」の上乗せを選択し、術後治療として「イミフィンジ」治療を選択することで、2年無イベン ...
【去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(PFS)】「ゾーフィゴ+イクスタンジ」vs「イクスタンジ」
PEACE-3                               骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性が次の治療を考える場合、「イクスタンジ」単剤治療に「ゾーフィゴ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間、生存期間の延長が期待できる。 【学会発表】 20 ...
【腎細胞がん:二次治療(PFS)】「オプジーボ+チボザニブ」vs「チボザニブ」
TiNivo-2(Lancet)                          進行淡明細胞型腎細胞がんと診断され、免疫チェックポイント阻害薬を含む1〜2ラインの治療を受けた人が次の治療を考える場合、「チボザニブ」単剤治療に「オプジーボ」の上乗せを選択しても無増悪生存期間の延 ...

 

婦人科がん

【局所進行子宮頸がん:化学放射線療法(3年OS)】「キイトルーダ+化学放射線療法」vs「化学放射線療法」
KEYNOTE-A18(Lancet)                       高リスク局所進行子宮頸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学放射線療法」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで、3年生存率の向上が期待できる。 【発表】 2024年9月14日 【 ...
【子宮体がん:術後治療(DFS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」
KEYNOTE-B21(Ann Oncol)                     切除可能な子宮体がんと診断され、手術後に再発リスクが高いと判定された女性が術後補助療法を考える場合、「化学療法」に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても、2年無病生存率の向上は期待しにくい。 特に ...
【卵巣がん:維持療法(PFS)】「オプジーボ+ルカパリブ」vs「ルカパリブ」
ATHENA–COMBO                           III-IV期高悪性度卵巣がんと診断され、腫瘍減量手術とプラチナ製剤による一次治療を完了し、奏効が得られた女性が次の治療を考える場合、「ルカパリブによる維持療法」に「オプジーボ」の上乗せを選択することで ...

 

皮膚がん

【悪性黒色腫:一次治療(10年OS)】「オプジーボ+ヤーボイ」vs「ヤーボイ」
CheckMate 067(NEJM)                       ⅢまたはⅣ期悪性黒色腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を選択することで、「ヤーボイ」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。 10年生存率は、「オプジ ...
【悪性黒色腫:一次治療(10年OS)】「キイトルーダ」vs「ヤーボイ」
KEYNOTE-006(Ann Oncol)                    進行悪性黒色腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「キイトルーダ」単剤治療を選択することで「ヤーボイ」治療を選択した場合を上回る10年生存率が期待できる。 【発表】 2024年9月15日 【 ...