【膵がん:一次治療】FOLFIRINOX

遠隔転移を有する膵がんと診断された日本人36名が初めての治療として「FOLFIRINOX」治療を受けた結果、38.9%の人が治療に奏効し、5.6ヵ月(170日)奏効が持続した。

【発表】

2014年9月29日

【試験】

Phase 2

【試験実施国】

日本

【原著】

Cancer Sci. 2014 ;105:1321-6. [PubMed: 25117729]

【添付文書における表記】

イリノテカン
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第Ⅱ相試験におけるFOLFIRINOX法(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/m2レボホリナート200mg/m2、本剤180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間かけて持続静注)の有効性は次表のとおりであった。対象患者はECOG Performance status 0及び1であった。2つの遺伝子多型(UGT1A16UGT1A128)について、いずれかをホモ接合体(UGT1A16/6UGT1A128/28)又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A16/28)としてもつ患者は除外された。また、1クール目の投与可能条件として、好中球数(2,000/mm3以上)、総ビリルビン値(施設基準値上限以下)等が設定された。

疾患名

奏効率(有効例/適格例)

化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌

38.9%(14/36)

安全性評価症例36例における副作用発現頻度は100%であった。主な副作用は、好中球減少94.4%(34/36例)、白血球減少91.7%(33/36例)、悪心88.9%(32/36例)、血小板減少88.9%(32/36例)、貧血86.1%(31/36例)、食欲不振86.1%(31/36例)、下痢83.3%(30/36例)、末梢性感覚ニューロパチー75.0%(27/36例)、脱毛66.7%(24/36例)、CRP上昇66.7%(24/36例)、リンパ球数減少66.7%(24/36例)、アルブミン減少63.9%(23/36例)、体重減少58.3%(21/36例)、AST上昇55.6%(20/36例)、ALT上昇55.6%(20/36例)、口内炎52.8%(19/36例)、味覚異常47.2%(17/36例)、便秘47.2%(17/36例)、倦怠感44.4%(16/36例)、LDH上昇44.4%(16/36例)であった。

オキサリプラチン

化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第Ⅱ相試験におけるFOLFIRINOX法(1サイクルを2週間として第1日目に本剤85mg/m2レボホリナート200mg/m2イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間かけて持続静注)の有効性は次表のとおりであった。対象患者はECOG注7)Performance status 0及び1であった。2つの遺伝子多型(UGT1A16、UGT1A128)について、いずれかをホモ接合体(UGT1A16/6、UGT1A128/28)又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A16/28)としてもつ患者は除外された。また、1サイクル目の投与可能条件として、好中球数(2,000/mm3以上)、総ビリルビン値(施設基準値上限以下)等が設定された。

奏効率(有効例/適格例)

38.9%(14/36)

安全性評価症例36例中36例(100.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少34例(94.4%)、白血球減少33例(91.7%)、血小板減少32例(88.9%)、悪心32例(88.9%)、貧血31例(86.1%)、食欲不振31例(86.1%)、下痢30例(83.3%)、末梢神経症状27例(75.0%)、リンパ球減少24例(66.7%)、CRP上昇24例(66.7%)、脱毛24例(66.7%)、アルブミン減少23例(63.9%)、体重減少21例(58.3%)、AST上昇20例(55.6%)、ALT上昇20例(55.6%)、口内炎19例(52.8%)、便秘17例(47.2%)、味覚異常17例(47.2%)、LDH上昇16例(44.4%)、倦怠感16例(44.4%)、疲労15例(41.7%)、ナトリウム減少15例(41.7%)であった(承認時)。