
HER2CLIMB(NEJM)
HER2陽性乳がんと診断され、ハーセプチン、パージェタ、カドサイラの治療歴がある女性が次の治療を考える場合、「ハーセプチン+カペシタビン」治療に経口HER2阻害薬「ツカチニブ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間、生存期間の延長も期待できる。
「ツカチニブ+ハーセプチン+カペシタビン」治療の主な有害事象は、下痢、手足症候群、悪心、倦怠感、嘔吐。下痢、ATS値上昇は「ツカチニブ」の上乗せによって経験するリスクが高くなる。
【発表】
2019年12月11日
【試験名】
HER2CLIMB(Phase 3)〔NCT02614794〕
【試験参加国】
米国、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、ポルトガル、スペイン、スイス、英国
【原著】
N Engl J Med. 2020 ;382:597-609. [PubMed: 31825569]
【さらに詳しく】
- HER2 陽性転移性乳癌に対するツカチニブ〔NEJM日本語アブストラクト〕
- 転移を有するHER2+乳がん、トラスツズマブ+カペシタビンにtucatinib追加でPFS改善/NEJM〔ケアネット〕
- HER2陽性転移乳がんに対するカペシタビン+トラスツズマブに対するtucatinibの上乗せ(HER2CLIMB試験):無増悪生存期間においてプラセボと比較して有意に良好(7.8ヵ月vs.5.6ヵ月)(解説:下村 昭彦 氏)〔ケアネット〕
- 乳がんHER2阻害薬ツカチニブとT-DXdに関する2試験〔海外がん医療情報リファレンス〕
- 脳転移患者も含む多数の治療歴を持つHER2陽性進行乳癌にトラスツズマブ、カペシタビンに加えてtucatinibの併用が有効【SABCS2019】〔日経メディカル〕
- 既治療の進行HER2陽性乳癌にtucatinibとカペシタビン、トラスツズマブの併用投与はPFS、OSを有意に延長〔日経メディカル〕
- 新規HER2阻害薬で難治性乳がんの予後改善〔Medical Tribune〕
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