
IMpower130(Lancet Oncol)
非扁平上皮非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「アブラキサン+カルボプラチン」治療に「テセントリク」の上乗せを選択することで、生存期間、無増悪生存期間の延長が期待できる。
主なグレード3以上の治療関連有害事象は、好中球減少症(32% vs 28%)、 貧血(29% vs 20%)、好中球数減少(12% vs 8%)。
【発表】
2019年5月20日
【試験名】
IMpower130(Phase 3)〔NCT02367781〕
【試験参加国】
米国、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、スペイン
【原著】
Lancet Oncol. 2019 ;20:924-937. [PubMed:31122901]
【さらに詳しく】
- アテゾリズマブ+CBDCA+nab-PTX、進行肺がん1次治療でPD-L1発現によらずPFS延長(IMpower130)/ESMO2018〔ケアネット〕
- 未治療非扁平上皮NSCLCでカルボプラチン+nab-パクリタキセルとアテゾリズマブの併用は予後を改善【ESMO2018】〔日経メディカル〕
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【添付文書における表記】
海外第Ⅲ相臨床試験(IMpower130試験)
化学療法歴のない注7)、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者724例を対象に、本剤1200mgと他の抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン+パクリタキセル(アルブミン懸濁型)(以下、nab-パクリタキセル)[本剤併用群484例])の併用投与の有効性及び安全性を、併用化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル[対照群240例])と比較する第Ⅲ相試験を実施した注8)。中間解析の結果、EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者を除く679例のITT-WT集団において、本剤併用群(451例)で対照群(228例)と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]0.791[0.637, 0.982]、P=0.0331[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0425)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群で18.6[16.0, 21.2]カ月、対照群で13.9[12.0, 18.7]カ月であった。
本剤と抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)が投与された473例において455例(96.2%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血248例(52.4%)、好中球減少症218例(46.1%)、悪心207例(43.8%)、疲労185例(39.1%)、下痢150例(31.7%)、脱毛症145例(30.7%)、血小板減少症127例(26.8%)、食欲減退107例(22.6%)、血小板数減少105例(22.2%)、嘔吐99例(20.9%)等であった。
注7)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。
注8)本剤1200mg及びカルボプラチンAUC6を各サイクルの1日目に、nab-パクリタキセル100mg/m2を各サイクルの1、8、15日目に3週間間隔で4又は6サイクル投与後、本剤を3週間間隔で投与した。