【IDH陽性神経膠腫:一次治療(PFS)】「ボラニゴ」vs「経過観察」

 INDIGO(Lancet Oncol)                     

IDH1またはIDH2変異陽性のグレード2神経膠腫と診断され、手術後に病変が残存または再発した人が次の治療を考える場合、「ボラニゴ」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。さらに「ボラニゴ」治療を選択することで、次治療介入(手術+放射線・化学療法)までの期間の延長が期待できる。

ボラニゴ」治療の主なグレード3以上の有害事象は、ALT上昇(10% vs 1%)、AST上昇(5% vs 0%)、けいれん(4% vs 3%)。

低悪性度神経膠腫では、IDH1/2変異が高頻度にみられ、がん代謝を変化させる2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)の蓄積が特徴である。従来治療(手術+放射線・化学療法)は有効だが、長期的な神経認知機能への悪影響が問題であった。本試験は、放射線・化学療法未施行例において、「ボラニゴ」治療が腫瘍進行を遅らせるかを検証された。「ボラニゴ」治療は腫瘍増殖を抑制し、発作頻度を低減させ、放射線や化学療法を遅らせる有用な治療選択肢となる。また、「ボラニゴ」治療は生活の質(QOL)や神経認知機能を損なわずに効果を示す点が特徴である。長期的な生存期間への影響は今後の追跡が必要。

【発表】

2025年10月29日

【試験名】

INDIGO(Phase 3)〔NCT04164901/jRCT2061220059

【試験参加国】

日本(名古屋大学医学部附属病院、藤田医科大学病院、広島大学病院、東京大学医学部附属病院、国立がん研究センター中央病院、熊本大学病院、京都府立医科大学附属病院、京都大学医学部附属病院、岡山大学病院)、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、オランダ、スペイン、スイス、英国

【原著】

Lancet Oncol. 2025 Oct 29. [PubMed: 41175888]

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