
JAVELIN Merkel 200(Lancet Oncol)
遠隔転移を有するメルケル細胞がんと診断され、化学療法抵抗性となった88名が「バベンチオ」治療を受けた結果、31.8%の人が治療に奏効した。
「バベンチオ」治療を受けた5%の人が、治療に関連したグレード3以上の有害事象を経験した(リンパ球減少症、血中クレアチンホスホキナーゼ上昇、肝酵素上昇、コレステロール値上昇)。「バベンチオ」治療を受けた6%の人が、治療に関連した重篤な有害事象を経験した(腸炎、注射部位反応、肝酵素上昇、軟骨石灰化症、滑膜炎、間質性腎炎)。
この試験の結果を受けて、国内では2017年3月7日、「メルケル細胞がん」の適応で承認申請された。米国では、2017年3月23日、転移性メルケル細胞がんを有する成人患者および12歳以上の小児患者(化学療法歴がない患者を含む)に対する治療薬として承認された。
【発表】
2016年9月1日
【試験名】
JAVELIN Merkel 200(Phase 2)〔NCT02155647〕
【試験参加国】
米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、日本(静岡がんセンター、国立がん研究センター中央病院)、スペイン
【原著】
Lancet Oncol. 2016 ;17:1374-1385. [PubMed: 27592805]
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【さらに詳しく】
【添付文書における表記】
遠隔転移を有する根治切除不能なメルケル細胞癌患者のうち、パートAでは化学療法歴のある患者88例(日本人患者3例を含む)、パートBでは化学療法歴のない患者29例を対象として、本剤10mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。パートAの主要評価項目である奏効率注1)は31.8%(95.9%信頼区間:21.9~43.1%、2016年3月3日データカットオフ)であった。なお、事前に設定した閾値奏効率は20%であった。パートBの副次評価項目である奏効率注1)の中間解析結果注2)は62.5%(95%信頼区間:35.4~84.8%、2016年12月30日データカットオフ)であった。
注1) RECISTガイドライン1.1版に基づく独立判定によるCR又はPR。
注2) 有効性解析対象集団のうち、本剤投与開始後13週以上観察された16例の結果。
有効性成績(EMR100070-003試験)
パートA
例数(%)パートB
例数(%)完全奏効(CR)
8(9.1)
3(18.8)
部分奏効(PR)
20(22.7)
7(43.8)
安定(SD)
9(10.2)
2(12.5)
進行(PD)
32(36.4)
3(18.8)
評価不能
19(21.6)
1(6.3)
本剤が投与された117例(日本人3例を含む)中85例(72.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労29例(24.8%)、infusion reaction17例(14.5%)、下痢11例(9.4%)、悪心10例(8.5%)、発疹8例(6.8%)、無力症及びそう痒症各7例(6.0%)、斑状丘疹状皮疹及び食欲減退各6例(5.1%)であった。