【HR陽性乳がん:一次治療(TTP)】「フェマーラ」vs「タモキシフェン」

HR陽性または不明の局所進行または転移性乳がんと診断された閉経後の女性が初めての治療を考える場合、「フェマーラ」治療を選択することで「タモキシフェン」治療を選択した場合を上回る病状が悪化するまでの期間が期待できる。

【発表】

2003年6月1日

【試験】

Phase 3

【原著】

J Clin Oncol. 2003 ;21:2101-9. [PubMed: 12775735]

【添付文書における表記】

閉経後の進行性乳癌患者907例を対象に、本剤群(1日1回2.5mg投与)又はタモキシフェン群(1日1回20mg投与)に無作為に割り付け、二重盲検群間比較試験を実施した。主要評価項目である病状が悪化するまでの期間(Time to progression:TTP)の中央値は本剤群で9.4ヵ月、タモキシフェン群で6.0ヵ月であった。TTPのハザード比は0.72(95%信頼区間:0.62~0.83、p<0.0001)であり、本剤群はタモキシフェン群と比較して病状が悪化するリスクを約30%低下させた。また、副次的評価項目である奏効率は本剤群で32%(145/453例)、タモキシフェン群で21%(95/454例)であった。奏効率のオッズ比は、タモキシフェン群に対して1.78倍(95%信頼区間:1.32~2.40、p=0.0002)でありレトロゾール群が有意に優れていた。なお、第1次治療が適さなくなった時点でクロスオーバーを可とし6ヵ月毎に生存率を検討したところ、24ヵ月までの生存率では本剤群はタモキシフェン群に比べ有意に高かった(p=0.0010~0.0246)。
本剤投与群の副作用発現頻度は、40.9%(186/455例)であった。主な副作用は、ほてり16.7%(76/455例)、嘔気6.6%(30/455例)、脱毛症5.5%(25/455例)、疲労2.6%(12/455例)、便秘2.4%(11/455例)、嘔吐2.2%(10/455例)、頭痛2.2%(10/455例)、多汗2.0%(9/455例)であった。