LIBRETTO-001(NEJM)
治療歴があるRET融合遺伝子陽性の甲状腺がんの19名がRET阻害薬「レットヴィモ」治療を受けた結果、79%の人が治療に奏効し、18.4ヵ月間奏効が持続した。
「レットヴィモ」治療の主なグレード 3 以上の有害事象は、高血圧(21%)、ALT上昇(11%)、AST上昇(9%)、低ナトリウム血症(8%)、下痢(6%)。2%の人が薬剤関連有害事象のために「レットヴィモ」治療を継続できなかった。
【発表】
2020年8月27日
【試験名】
LIBRETTO-001(Phase1/2)〔NCT03157128〕
【試験実施国】
米国、オーストラリア、香港
【原著】
N Engl J Med. 2020;383:825-835. [PubMed: 32846061]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【さらに詳しく】
- RET 変異陽性甲状腺癌に対するセルペルカチニブの有効性〔NEJM日本語アブストラクト〕
- selpercatinib、RET変異甲状腺髄様がんに有効な可能性/NEJM〔ケアネット〕
- selpercatinibは甲状腺がんに有効〔Medical Tribune〕
【添付文書における表記】
12歳以上の③化学療法歴のあるRET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺癌患者10例注1)(日本人患者1例を含む)、④化学療法歴のないRET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺癌患者12例注2)、⑤化学療法歴のあるRET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様癌患者97例(日本人患者1例を含む)及び⑥化学療法歴のないRET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様癌患者90例に本剤1回160mg注3)を1日2回経口投与した。主要評価項目であるRECIST ver. 1.1に基づく独立評価委員会判定による奏効率は、それぞれ③50.0%(95%信頼区間:18.7-81.3)、④100%(95%信頼区間:73.5-100)、⑤68.0%(95%信頼区間:57.8-77.1)及び⑥63.3%(95%信頼区間:52.5-73.2)であった。
注1) 未分化癌2例、低分化癌2例を含む。
注2) 低分化癌1例を含む。
注3) 12歳以上の小児に対する本剤の承認用法・用量は、(1)体表面積1.2m2未満の患者に80mg、(2)体表面積1.2m2以上1.6m2未満の患者に120mg、(3)体表面積1.6m2以上の患者に160mgをそれぞれ1日2回経口投与である。
安全性評価対象400例に認められた主な副作用は、口内乾燥(35.3%)、高血圧(31.8%)、ALT増加(28.0%)、AST増加(26.8%)、疲労(25.3%)等であった。