
HER2陽性の胃食道腺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「カペシタビン+オキサリプラチン」治療に「タイケルブ」の上乗せを選択しても生存期間の延長は期待しにくい。
事前に計画されていたサブグループ解析によると、アジア人では「カペシタビン+オキサリプラチン」治療に「タイケルブ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる(HR, 0.68; 95% CI, 0.48 to 0.96; P = 0.0261)。アジア人では「タイケルブ」の上乗せによって生存期間が10.9ヵ月から16.5ヵ月に延長した。また、60歳未満の人でも「カペシタビン+オキサリプラチン」治療に「タイケルブ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる(HR, 0.69; 95% CI, 0.51 to 0.94; P = 0.0141)。60歳未満の人では「タイケルブ」の上乗せによって生存期間が9.0ヵ月から12.9ヵ月に延長した。60歳以上の人で「タイケルブ+「カペシタビン+オキサリプラチン」治療を受けた人の生存期間が11.3ヵ月であり、「プラセボ+カペシタビン+オキサリプラチン」治療を受けた人の10.9ヵ月と差はなかった(HR, 1.08; 95% CI, 0.81 to 1.45; P = 0.5923)。
試験では「カペシタビン+オキサリプラチン」治療に「タイケルブ」の上乗せを選択することで、奏効率は39%から53%に有意に向上した。
「タイケルブ」の上乗せによって全般的に副作用が増加するが、とりわけ下痢が増加する。
【発表】
2015年11月30日
【試験名】
TRIO-013/LOGiC(Phase 3)〔NCT00680901〕
【原著】
J Clin Oncol . 2016 ;34:443-51. [PubMed: 26628478]
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