【トリプルネガティブ乳がん:周術期治療(4年EFS)】「テセントリク+化学療法→手術→テセントリク」vs「化学療法→手術」

NSABP B-59 (Nat Med)                     

トリプルネガティブ乳がんと診断された女性が手術前後の治療を考える場合、手術前の治療として「化学療法」に「テセントリク」の上乗せ、手術後の治療として「テセントリク」治療を選択しても4年無イベント生存率の向上は期待しにくい。

早期トリプルネガティブ乳がん全体に対して、一律に術前・術後補助療法として「テセントリク」を追加する治療戦略は、無イベント生存率の有意な改善が示されなかったため、標準治療として適用することを支持する十分なエビデンスとはならない。

一方で、本試験のサブグループ解析および探索的バイオマーカー解析結果は極めて重要である。臨床的リンパ節転移陽性の女性、あるいは腫瘍浸潤リンパ球(TILs) 30%以上の女性(特にこの両方を満たす女性)、および遺伝子解析に基づく「BLIA(basal-like immune-activated)」サブタイプにおいては「テセントリク」の追加が無イベント生存期間を極めて大きく改善することが示された。

これは、早期トリプルネガティブ乳がんにおいて免疫チェックポイント阻害薬を一律に上乗せするのではなく、治療開始前の腫瘍免疫微小環境が「免疫学的にホット」であるか(高TILやBLIAサブタイプなど)を同定し、治療強度の個別最適化を推進するバイオマーカー主導型の治療開発が、今後のトリプルネガティブ乳がん 診療において極めて不可欠であることを明確に裏付けるデータとなった。

【発表】

2026年9月1日

【試験名】

NSABP B-59 (Phase 3)〔NCT03281954

【試験参加国】

米国、ドイツ、カナダ、スペイン

【原著】

Nat Med. 2026 Sep 1.  [PubMed: 42680950]

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