
ER陽性かつHER2陰性で、再発リスク高または中程度の人が手術後の治療を考える場合、「内分泌療法(アロマターゼ阻害薬 5年服用、服用できない場合はタモキシフェンまたはフェアストン)」に「S-1」の上乗せを選択することで5年間、浸潤性疾患がなく生活できる可能性が高まる。生存期間が延長できるかはまだ示されていない(HR 0.90(95% CI 0.56-1.44))。
「S-1」の上乗せを選択することで増加するグレード3以上の有害事象は、好中球数減少(1%→8%)、下痢(0% → 2%)、白血球減少(1%未満→2%)、倦怠感(0% → 1%未満)である。
本試験の結果に基づいて、2022年2月14日、「S-1」が「乳がんにおける術後補助化学療法」に対する適応追加申請が行われた。
【発表】
2021年1月1日
【試験名】
POTENT(Phase 3)〔UMIN000003969〕
【試験実施国】
日本
【原著】
Lancet Oncol 2021; 22: 74–84 [PubMed: 33387497]
【さらに詳しく】
- 再発リスク高/中程度のER陽性乳癌への術後内分泌療法とS-1の併用が浸潤性疾患の発生・死亡のリスクを37%低減【SABCS2019】〔日経メディカル〕
- ER+/HER2-乳がんのアジュバントへのS-1上乗せ効果、リスク別解析(POTENT)/ASCO2020〔ケアネット〕
- ER陽性HER2陰性乳癌の術後内分泌療法にS-1追加で複合リスク中・高リスク患者のiDFSが明らかに改善【ASCO2020】〔日経メディカル〕
- ER陽性/HER2 陰性乳がんに対するS-1 アジュバントが有効中止/京都大学〔ケアネット〕
- 再発リスク高あるいは中程度のER陽性かつHER2陰性乳癌の術後補助療法としてホルモン療法とS-1の併用がホルモン療法単独よりも有効〔日経メディカル〕
- 日本発:乳がん術後S-1併用で予後改善〔Medical Tribune〕