
RAISE (Lancet Oncol)
遠隔転移を有する大腸がんと診断され、「FOLFOX+アバスチン」による一次治療加療後に病勢が進行た人が次の治療を考える場合、「FOLFIRI」治療に「サイラムザ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。
「サイラムザ」上乗せを選択した人の38%に重度の好中球減少症(vs 23%)、11%に重度の高血圧(vs 3%)、11%に重度の下痢(vs 10%)、12%に重度の疲労感(vs 8%)が現れた。
日本では、この試験結果に基づき、2015 年5月「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応で製造販売承認申請を行い、2016年5月に承認された。
【発表】
2015年4月12日
【試験名】
RAISE (Phase 3) 〔NCT01183780/jRCT2080221531〕
【試験参加国】
日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、松山赤十字病院、九州がんセンター、岐阜大学医学部附属病院、北海道大学病院、聖マリアンナ医科大学病院、高知医療センター、大阪医科薬科大学病院、埼玉県立がんセンター、静岡がんセンター、自治医科大学附属病院、国立がん研究センター中央病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、韓国、オランダ、ポルトガル、プエルトリコ、ルーマニア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、台湾
【原著】
Lancet Oncol. 2015;16:499-508. [PubMed: 25877855]
【さらに詳しく】
- 進行大腸癌のセカンドラインとしてFOLFIRIとramucirumab併用はFOLFIRIとプラセボ併用よりもOSを有意に延長【ASCO-GI2015】〔日経メディカル〕
- FOLFIRI+ラムシルマブによる二次治療で、進行性大腸癌患者の病状進行が遅延し生存期間が延長/米国臨床腫瘍学会(ASCO)〔海外癌医療情報リファレンス〕
- FOLFIRI+ラムシルマブ併用療法は進行性大腸癌患者の癌の進行を遅らせ、生存期間を改善する〔海外癌医療情報リファレンス〕
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【添付文書における表記】
ベバシズマブ、オキサリプラチン及びフッ化ピリミジン系薬剤の併用投与による一次治療中又はその後に増悪した転移性結腸・直腸癌患者1072例(日本人症例136例を含む)を対象に、本剤+フルオロウラシル、ホリナート及びイリノテカン塩酸塩水和物(180mg/m2を2週間間隔で投与注1))を含む化学療法(FOLFIRI)とプラセボ+FOLFIRIとを比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。本剤8mg/kg又はプラセボとFOLFIRIを2週間に1回投与し、病態の悪化等が認められるまで投与を継続した(投与の際は、本剤の投与後にFOLFIRIを投与)。主要評価項目である全生存期間において有意な延長を認めた。
注1) イリノテカン塩酸塩水和物の結腸・直腸癌(手術不能又は再発)における国内承認用法・用量B法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、150mg/m2を2週間間隔で2~3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤が投与された529例(日本人症例74例を含む)において発現した主な有害事象は、好中球減少症(58.8%)、鼻出血(33.5%)、口内炎(30.8%)、血小板減少症(28.4%)、高血圧(26.1%)等であった。