
RATIONALE-302(JCO)
食道扁平上皮がんと診断され、一次治療として化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「抗PD-1抗体 テビムブラ」治療を選択することで、生存期間の延長が期待できる。
「テビムブラ」治療を受けた人の20.3%が治療に奏効し、化学療法を受けた人の9.8%より高く、奏効期間は7.1ヵ月と化学療法を受けた人の4.0ヵ月より長かった。
「テビムブラ」治療を受けた人の18.8%がグレード3以上の治療関連有害事象を経験したが、化学療法を受けた人の55.8%より少なかった。「テビムブラ」治療を選択した場合、「化学療法」を選択した場合夜を多く発現する有害事象はAST上昇(11.4%)、甲状腺機能低下(10.2%)。逆に少なくなる有害事象は、白血球数減少(40.8%→2.0%)、好中球数減少(39.2%→1.2%)、および貧血(34.6%→11.0%)。有害事象のために治療を中止する確率は少なくなる(13.8%→6.7%)。有害事象のために死亡した人は、「テビムブラ」治療を受けた2.0%、化学療法を受けた人の2.9%と報告されている。
【発表】
2022年4月20日
【試験名】
RATIONALE-302(Phase 3)〔NCT03430843〕
【試験参加国】
日本(国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、兵庫県立がんセンター、神戸市立医療センター中央市民病院、聖マリアンナ医科大学病院、近畿大学医学部附属奈良病院、大阪大学医学部附属病院、埼玉県立がんセンター、静岡県立静岡がんセンター、国立がん研究センター中央病院、がん研究会有明病院、秋田大学医学部附属病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、広島大学病院、香川大学医学部附属病院、高知医療センター、京都大学医学部附属病院、大阪国際がんセンター、大阪医科大学附属病院 )、米国、ベルギー、中国、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、スペイン、台湾、英国
【原著】
J Clin Oncol. 2022 ;40:3065-3076. [PubMed: 35442766]
【さらに詳しく】
- 進行・転移性食道扁平上皮癌に対する二次治療としてのTislelizumabと化学療法との有効性・安全性の比較(RATIONALE-302):ランダム化第III相試験〔消化器癌治療の広場〕
- 進行性/転移性食道扁平上皮がんに対する二次治療としてのチスレリズマブ単剤療法、全生存期間を有意に改善〔オンコロ〕
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