ここではⅢ期結腸がん術後補助療法の治療の進歩の歴史をまとめいる。図の縦軸は「プラチナ製剤を含む化学療法」に対する、増悪または死亡のリスク減少比を示している。
Ⅲ期結腸がん術後補助療法は1995年4月に「5-FU+ロイコボリン」治療の有用性が示され、その後、現在の標準治療(推奨度1)である「FOLFOX」、「CAPOX」の有用性が示された。
2025年
運動
術後補助療法終了後、「3年間の運動プログラム」を受けたグループで5年無病生存率、8年生存率が有意に高かった。
CHALLENGE(NEJM) Ⅲ期または高リスクのⅡ期結腸がんと診断された人が手術後の標準的な補助化学療法を受けた後の治療を考える場合、「健康教育資料の提供」に「3年間の運動プログラム」が行われることで5年無病生存率、8年生存率の向 ...
2019年
CAPOX(3ヵ月投与)
術後補助療法の治療期間は原則「6ヵ月」である。治療期間として「3ヵ月投与」が「6ヵ月投与」に劣らないかについて検証したIDEA研究の結果、非劣性は示せず、従来と変わりなく「6ヵ月」が標準となった。しかし、再発低リスク例におけるCAPOX治療は3ヵ月投与では非劣性が認められた。
日本で実施された無作為化比較試験『ACIEVE』の結果によると、CAPOX療法(3ヵ月投与)による3年無病生存率は81%、5年生存率は88%であった。
末梢神経障害の発現率はCAPOXレジメンでより少ない。FOLFOX6ヵ月治療を受けた人は34.1%の人が経験したのに対し、CAPOX6ヵ月治療を受けた人で経験した人は21.0%であった(p=0.02)。CAPOX3ヵ月治療を受けた人で経験した人は7.9%であった。
ACHIEVE(JAMA Oncol) Ⅲ期結腸がんと診断された日本人がオキサリプラチンを含む術後補助化学療法の期間を考える場合、「3ヵ月」を選択することで、「6ヵ月」に比べ、3年無イベント生存率を低下させることなく、末梢神経障害の発現率 ...
ACHIEVE(JCO) Ⅲ期結腸がんと診断された日本人が手術後の補助化学療法の期間を考える場合、「6ヵ月」から「3ヵ月」に短縮しても、5年生存率を損なうことなく、長期にわたる末梢性神経障害の発現率の減少が期待できる。 【発表】 ...
ACHIEVE(JCO) Ⅲ期結腸がん(低リスク)と診断された日本人が手術後の補助化学療法の期間を「6ヵ月」から「3ヵ月」に短縮しても、5年生存率に差はない。 【発表】 2022年5月5日 【試験名】 ACHIEVE(Phase ...
ACHIEVE(JCO) Ⅲ期結腸がん(高リスク)と診断された日本人が手術後の補助化学療法の期間を「6ヵ月」から「3ヵ月」に短縮しても、5年生存率に差はない。 【発表】 2022年5月5日 【試験名】 ACHIEVE(Phase ...
ACHIEVE(ESMO Open) 手術後の補助化学療法の期間を考える場合、「6ヵ月」から「3ヵ月」への短縮を選択することで、末梢神経障害発症の抑制が期待できる。日本におけるPhase3試験「ACHIEVE」の結果。 【発表】 2018 ...
2014年
S-1
ACTS-CC(Ann Oncol) Ⅲ期結腸がんと診断された人が手術後の補助化学療法のを考える場合、「S-1」治療を選択しても「UFT+ロイコボリン」治療を選択した場合に劣らない3年無病生存率が期待できる。 【発表】 2014年6月 ...
ACTS-CC(ESMO Open) Ⅲ期結腸がんと診断された人が手術後の補助化学療法のを考える場合、「S-1」治療を選択しても「UFT+ロイコボリン」治療を選択した場合に劣らない5年無病生存率が期待できる。 【発表】 2018年10月 ...
2011年
CAPOX
「CAPOX」レジメンは、2011年11月25日に「結腸がんにおける術後補助化学療法」に対しても承認された治療レジメンであり、推奨されているレジメンである。 結腸がんに対する術後補助化学療法における「CAPOX」レジメンの主な有害事象は、末梢神経症状例(69%)、貧血(69%)、 ...
NO16968 (JCO) Ⅲ期結腸がんと診断された人が手術後の補助化学療法の期間を考える場合、「カペシタビン+オキサリプラチン(CAPOX)」治療を選択することで「5-FU+ロイコボリン」治療を選択した場合を上回る3年無病生存率 ...
NO16968 (JCO) Ⅲ期結腸がんと診断された人が手術後の補助化学療法の期間を考える場合、「カペシタビン+オキサリプラチン(CAPOX)」治療を選択することで「5-FU+ロイコボリン」治療を選択した場合を上回る7年無病生存率 ...
2009年
FOLFOX
「FOLFOX」レジメンは、2009年8月20日に「結腸がんにおける術後補助化学療法」に対しても承認された治療レジメンであり、推奨されているレジメンである。 結腸がんに対する術後補助化学療法における「FOLFOX」レジメンの主な副作用は、末梢神経症状(92%)、好中球減少(79% ...
MOSAIC(JCO) ⅡまたはⅢ期結腸がんと診断された人が手術後の補助化学療法を考える場合、「5-FU+ロイコボリン(LV5FU2)」に「オキサリプラチン」の上乗せを選択することで5年無病生存率と6年生存率の向上が期待できる。 ...
ACHIEVE(JAMA Oncol) Ⅲ期結腸がんと診断された日本人がオキサリプラチンを含む術後補助化学療法の期間を考える場合、「3ヵ月」を選択することで、「6ヵ月」に比べ、3年無イベント生存率を低下させることなく、末梢神経障害の発現率 ...
ACHIEVE-2(Ann Oncol) Stage IIと診断された人が術後補助化学療法の期間を考える場合、「3ヵ月」を選択することで、「6ヵ月」に比べ、3年無イベント生存率を低下させることなく、3年間持続する末梢神経障害の発現率低下が ...
2007年
カペシタビン
X-ACT(NEJM) Ⅲ期結腸がんと診断され、手術後の補助化学療法を考える場合、「経口カペシタビン」治療を選択しても、「5-FU+ロイコボリン(急速静注)」を選択した場合に劣らない3年無病生存率が期待できる。 この結果に基づい ...
X-ACT(Ann Oncol) Ⅲ期結腸がんと診断され、手術後の補助化学療法を考える場合、「経口カペシタビン」治療を選択しても、「5-FU+ロイコボリン(急速静注)」を選択した場合に劣らない5年無病生存率、5年生存率が期待できる。 ...
2006年
UFT+ロイコボリン
JCOG0205(Eur J Cancer) Ⅲ期大腸がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「UFT+ロイコボリン」治療を選択しても「5-FU+アイソボリン」治療を選択した場合に劣らない5年無病生存率が期待できる。 【発表】 201 ...
NSABP C-06(JCO) ⅡまたはⅢ期の結腸がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「UFT+ロイコボリン」治療を選択しても「5-FU+ロイコボリン」治療を選択した場合に劣らない5年無病生存率、5年生存率が期待できる。 ...
1995年
5-FU+ロイコボリン
IMPACT(Lancet) Dukes’BまたはC期の結腸がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「5-FU+ロイコボリンによる術後補助化学療法」を選択すること3年無イベント生存率、3年生存率の向上が期待できる。 80%以 ...
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