乳がんレジメン21

乳がんのために入院した人はどのような治療が行われていたのだろうか。2021年度の中央社会保険医療協議会(厚生労働省)「DPC導入の影響評価に関する調査(化学療法のレジメン)」よりまとめてみた。

1位 エピルビシン+シクロホスファミド

患者数:6,963名(13.7%) 平均入院日数:4.3日

【乳がん:術前治療】「ゲムシタビン+パクリタキセル+EC」vs「パクリタキセル+EC」
「エピルビシン+シクロホスファミド(EC)」を含む術前補助化学療法を考える場合、「パクリタキセル」に「ゲムシタビン」の上乗せを選択しても病理学的完全奏効率の向上は期待しにくい。 【発表】 2013年12月19日 【試験名】 Neo-tAnGo(Phase 3)〔NCT000702 ...
【乳がん:術前治療】「パクリタキセル→EC」vs「EC→パクリタキセル」
術前補助化学療法の順番を考える場合、「パクリタキセル」治療後に「エピルビシン+シクロホスファミド」治療を選択した方が病理学的完全奏効率の向上が期待できる。 【発表】 2013年12月19日 【試験名】 Neo-tAnGo(Phase 3)〔NCT00070278〕 【原著】 La ...

 

2位 ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル

患者数:6,963名(13.7%) 平均入院日数:4.3日

【トライアル図鑑】CLEOPATRA(HER2陽性乳がん)
【試験名】 CLEOPATRA(Phase3)〔NCT00567190/jRCT2080220775〕 【試験開始日】 2009年7月18日 【試験終了予定日】 2018年10月23日 【試験参加国】 日本(愛知県がんセンター、千葉県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国 ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(PFS)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
CLEOPATRA(NEJM)                         遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断された女性が初めて治療を考える場合、「ハーセプチン+ドセタキセル」治療に「パージェタ」治療の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「パージ ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(OS)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
CLEOPATRA(NEJM)                       遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断された女性が初めて治療を考える場合、「ハーセプチン+ドセタキセル」治療に「パージェタ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間だけでなく、生存期間の延長も期待できる ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(PFS、OS)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
CLEOPATRA(Lancet Oncol)                      遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断された女性が初めて治療を考える場合、「ハーセプチン+ドセタキセル」治療に「パージェタ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間だけでなく、生存期間の延 ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(8年OS)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
CLEOPATRA(Lancet Oncol)                    遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断された女性が初めて治療を考える場合、「ハーセプチン+ドセタキセル」治療に「パージェタ」の上乗せを選択することで、8年無増悪生存率、8年生存率の向上、無増悪 ...

 

【トライアル図鑑】APHINITY(HER2陽性乳がん)
【試験名】 APHINITY(Phase 3)〔NCT01358877/jRCT2080221752〕 【試験開始日】 2012年4月10日 【試験終了予定日】 2029年7月31日 【試験参加国】 日本(愛知県がんセンター、千葉県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国が ...
【HER2陽性乳がん:術後治療(3年iDFS)】「パージェタ+ハーセプチン+化学療法」vs「ハーセプチン+化学療法」
APHINITY(NEJM)                          切除可能なHER2陽性乳がんと診断された女性は、手術後の補助療法を考える場合、「ハーセプチン+化学療法」に「パージェタ」の上乗せを選択することで3年後に浸潤性疾患が認められず、生活できている可能性が高 ...
【HER2陽性乳がん:術後治療(6年iDFS)】「パージェタ+ハーセプチン+化学療法」vs「ハーセプチン+化学療法」
APHINITY(JCO)                          HER2陽性の切除可能乳がんと診断された女性が手術後の補助療法を考える場合、「ハーセプチン+化学療法」に「パージェタ」の上乗せを選択することで6年後に浸潤性疾患が認められず、生活できている可能性が高まる ...

 

【トライアル図鑑】NeoSphere(HER2陽性乳がん:術前治療)
【試験名】 NeoSphere(Phase2)〔NCT00545688〕 【試験開始日】 2006年6月26日 【試験終了予定日】 2014年9月22日 【試験参加国】 オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシ ...
【HER2陽性乳がん:術前治療(pCR)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
NeoSphere(Lancet Oncol)                     HER2陽性の早期乳がんと診断された女性が術前治療を考える場合、「ハーセプチン+ドセタキセル」治療に「パージェタ」の上乗せを選択することで、病理学的完全奏効率の向上が期待できる。 また、「パー ...
【HER2陽性乳がん:術前治療(5年DFS)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
NeoSphere(Lancet Oncol)                     HER2陽性の早期乳がんと診断された女性が術前治療を考える場合、「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」治療を選択した場合の5年無病生存率は84%であった。 「パージェタ+ドセタキセル」治療 ...

 

3位 パクリタキセル

患者数:3,630名(7.1%) 平均入院日数:3.9日

【乳がん:術後治療(5年DFS)】「パクリタキセル毎週投与」vs「パクリタキセル3週毎投与」
手術後にリンパ節転移が認められたか、再発リスクが高いと判断された女性は「ドキソルビシン+シクロホスファミド」治療後に「パクリタキセル毎週投与12サイクル」を選択することで「パクリタキセル3週ごと投与4サイクル」を選択した場合を上回る5年無病生存率、5年生存率が期待できる。 【発表 ...
【乳がん:術後治療(10年DFS)】「ドセタキセル3週毎投与」vs「パクリタキセル3週毎投与」
手術後にリンパ節転移が認められたか、再発リスクが高いと判断された女性は「ドキソルビシン+シクロホスファミド」治療後に「ドセタキセル3週ごと投与4サイクル」または「パクリタキセル毎週投与12サイクル」を選択することで「パクリタキセル3週ごと投与4サイクル」を選択した場合を上回る10 ...
【乳がん:術前治療】「intense dose-dense E→T」vs「ET」
術前補助化学療法を考える場合、化学療法の投与間隔を狭め、かつ投与量を高めた「intense dose-dense」治療を選択することで5年無イベント生存率および5年生存率の向上が期待できる。 試験では化学療法は、下記のいずれかの治療を受けた。 【intense dose-dens ...
【乳がん】「パクリタキセル(毎週投与)」vs「パクリタキセル(3週毎投与)」
遠隔転移を認める乳がんと診断された、または手術後に再発した女性が次の治療を考える場合、「パクリタキセル80mg/㎡を毎週」投与する治療を選択することで、「パクリタキセル175mg/㎡を3週毎」に投与する治療を選択した場合を上回る奏効率と生存期間が期待できる。 【発表】 2008年 ...

 

4位 ドセタキセル

患者数:3,374名(6.6%) 平均入院日数:3.8日

【乳がん:術後治療(8年OS)】「ドキソルビシン+ドセタキセル→ドセタキセル」vs「ドキソルビシン+ドセタキセル」
切除可能な乳がんと診断され、手術後リンパ節転移陽性であった女性が、術後補助化学療法を考える場合、「ドキソルビシン+シクロホスファミド(AC)」4サイクル後に続いて「ドセタキセル」4サイクルの治療を選択することで、8年生存率の向上が期待できる。 試験では「ドキソルビシン+ドセタキセ ...
【乳がん:術後治療(5年DFS)】「パクリタキセル毎週投与」vs「パクリタキセル3週毎投与」
手術後にリンパ節転移が認められたか、再発リスクが高いと判断された女性は「ドキソルビシン+シクロホスファミド」治療後に「パクリタキセル毎週投与12サイクル」を選択することで「パクリタキセル3週ごと投与4サイクル」を選択した場合を上回る5年無病生存率、5年生存率が期待できる。 【発表 ...
【乳がん:術後治療(10年DFS)】「ドセタキセル3週毎投与」vs「パクリタキセル3週毎投与」
手術後にリンパ節転移が認められたか、再発リスクが高いと判断された女性は「ドキソルビシン+シクロホスファミド」治療後に「ドセタキセル3週ごと投与4サイクル」または「パクリタキセル毎週投与12サイクル」を選択することで「パクリタキセル3週ごと投与4サイクル」を選択した場合を上回る10 ...
【乳がん:術後治療(3年DFS)】「ドセタキセル→FEC」vs「ビノレルビン→FEC」
切除可能な乳がんと診断され、手術の結果、リンパ節転移陽性または再発高リスクと評価された女性が術後補助化学療法を考える場合、「ドセタキセル→FEC」治療を選択することで、「ビノレルビン→FEC」治療を選択した場合を上回る3年無再発生存率が期待できる。 【発表】 2006年2月23日 ...
【乳がん:術後療法(5年DFS)】「FEC+ドセタキセル」vs「FEC」
切除可能な乳がんと診断され、手術後にリンパ節転移が認められた女性が術後補助化学療法を考える場合、「FEC(5-FU+エピルビシン+シクロホスファミド)レジメン 3サイクル」後に「ドセタキセル 3サイクル」を選択することで「FECレジメン6サイクル」を選択した場合を上回る5年無病生 ...
【乳がん:術前治療(pCR)】「AC→ドセタキセル」vs「AC」
手術を受ける前の化学療法は「ドキソルビシン+シクロホスファミド(AC)」4サイクル後に「ドセタキセル」4サイクルの追加を選択することで、病理学的完全奏効率の向上が期待できる。 ACレジメン治療を受けている期間に10.3%の人がグレード4の毒性を経験し、「ドセタキセル」治療を受けて ...