2022年度に日本の大病院で胃がんの治療のために入院していた人に選択されていた治療のランキングを中央社会保険医療協議会(厚生労働省)「DPC導入の影響評価に関する調査(化学療法のレジメン)」よりまとめてみた。ここでは、1,000名以上が選択した治療レジメンについてまとめている。
1位 オプジーボ+S-1+オキサリプラチン
患者数:4,324名(12.3%) 平均入院日数:9.9日
「オプジーボ+SOX(S-1+オキサリプラチン)」治療は、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対して、2021年11月25日に承認された治療レジメンの1つ。本承認は、Phase 3試験『CheckMate 649』、『ATTRACTION-4試験』の結果に基づいている。 「オプジー ...
ATTRACTION-4(Lancet Oncol) 転移または再発胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「S-1+オキサリプラチン(SOX)」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 2022年1月11日 ...
2位 S-1+オキサリプラチン
患者数:3,622名(10.3%) 平均入院日数:10.0日
「S-1+オキサリプラチン(SOX)」治療は、2014年7月11日に開催された「第20回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」に対する有用性は医学薬学上公知と判断され、2015年3月20日、承認された。本承認は、Phase ...
G-SOX(Ann Oncol) 進行胃がんと診断された人が初めての化学療法を考える場合、「S-1+オキサリプラチン(SOX療法)」治療を選択しても「 S-1+シスプラチン」治療を選択した場合に劣らない無増悪生存期間が期待できる。主要 ...
3位 サイラムザ+パクリタキセル
患者数:2,700名(7.7%) 平均入院日数:8.1日
「サイラムザ+パクリタキセル」治療は、「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を効能・効果として2015年3月26日に承認された治療レジメン。ただし、本治療には一次化学療法における有効性及び安全性は確立しておらず、二次化学療法の適応である。本承認は、Phase 3試験『RAINBOW ...
RAINBOW(Lancet Oncol) 切除不能な胃・胃食道接合部がんと診断され、化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「パクリタキセル」治療への「サイラムザ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。 Gra ...
4位 オプジーボ+FOLFOX
患者数:2,392名(6.8%) 平均入院日数:12.0日
「オプジーボ+FOLFOX」治療は、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対して、2021年11月25日に承認された治療レジメンの1つ。本承認は、Phase 3試験『CheckMate 649』、『ATTRACTION-4試験』の結果に基づいている。 「オプジーボ+FOLFOX」治療 ...
CheckMate 649(Nature) 切除不能なHER2陰性胃がん、胃食道接合部がん、食道腺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX」療法に「オプジーボ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。 【 ...
5位 オプジーボ
患者数:2,335名(6.6%) 平均入院日数:9.6日
「オプジーボ」単剤治療は、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん」に対して、2017年9月22日に承認された治療。 本承認は、Phase 3試験『ATTRACTION-2試験』の結果に基づいている。『ATTRACTION-2試験』では、「オプジーボ」単剤治療を ...
ATTRACTION-2(Lancet) 胃がんまたは胃食道接合部がんと診断され、2ライン以上の化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択することで生存期間の延長が期待できる。日本(45.8%)、韓国、台 ...
6位 FOLFOX
患者数:1,609名(4.6%) 平均入院日数:11.7日
7位 アブラキサン+サイラムザ
患者数:1,553名(4.4%) 平均入院日数:9.1日
切除不能な進行胃がんと診断され、一次治療としての化学療法に抵抗性となった43名の日本人が「サイラムザ+アブラキサン」治療を受けた結果、54.8%が治療に奏効した。 【発表】 2018年1月30日 【試験】 Phase 2 【試験実施国】 日本 【原著】 Eur J Cancer ...
8位 S-1+シスプラチン
患者数:1,530名(4.3%) 平均入院日数:6.8日
「S-1」は、胃がんに対して、1999年1月に承認されたフルオロピリミジン系抗がん剤で、5-FUのプロドラッグであるテガフールに5-FUの分解阻害剤ギメラシルとリン酸化阻害剤オテラシルカリウムが配合されている。 「S-1+シスプラチン」併用療法の有用性は、承認後に実施されたPha ...
SPIRITS(Lancet Oncol) 進行胃がんと診断された人が初めての化学療法を考える場合、「S-1」治療に「シスプラチン」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。 「S-1+シスプラチン」治療を受けた54.1%の人が ...
9位 ハーセプチン+S-1+オキサリプラチン
患者数:1,235名(3.5%) 平均入院日数:9.4日
HIGHSOX(Gastric Cancer) HER2陽性の進行胃がんと診断された75名が初めての治療として「ハーセプチン+S-1+オキサリプラチン」治療を受けた結果、70.7%の人が治療に奏効した。 グレード3または4の主な有害事象は、感 ...
10位 S-1
患者数:1,126名(3.2%) 平均入院日数:16.1日
「S-1」の1年投与による切除可能な胃がんの術後補助化学療法は、Phase 3試験『ACTS-GC』によってその有用性が示され、実施が推奨されている。『ACTS-GC試験』における5年生存率は71.1%。 一方,病理学的病期Ⅲ期にの人には、「S-1+ドセタキセル」併用療法が推奨さ ...
ACTS-GC(NEJM) Ⅱ期またはⅢ期胃がんと診断された人が手術を受け、その後の治療を考える場合、「S-1(1年投与)による術後補助化学療法」を選択することで、3年生存率の向上が期待できる。 「S-1」治療の主なグレード3また ...
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