【Rising Star 2025】がん治療の進歩:2025年の見通し

2024年、新しいがん治療レジメンの承認申請、Phase3試験結果の論文発表/学会発表/企業プレスリリースが数多く行われた。これらレジメンは、2025年内あるいは遠くない将来、日本において選択できる可能性が高い。ここでは近い将来、選択が可能になりそうながん治療についてまとめてみた。

1. 肺がん2. 乳がん3. 食道がん・胃がん4. 大腸がん5. 肝細胞がん6. 膵がん7. 腎細胞がん8. 前立腺がん9. 卵巣がん10. 子宮頸がん11. 頭頸部がん12. 血液がん

1. 肺がん

1.1 2025年に承認される可能性が高い呼吸器がんの新治療

1.1.1 非小細胞肺がん

【レジメン図鑑】ヘルネクシオス(HER2陽性肺がん)
「ヘルネクシオス(一般名:ゾンゲルチニブ)」は、2025年9月19日に「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対し、承認されたHER2チロシンキナーゼ阻害薬。本承認は、Phase1試験『Beamion LUNG-1』 ...
【レジメン図鑑】イブトロジー(ROS1陽性肺がん)
「イブトロジー」(開発コード:AB-106/DS-6051b)」は、2025年9月19日、「イブトロジー」は、「ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対して承認された。この承認は、第II相臨床試験(TRUST-II)の結果などに基づく。「イブトロジー」 ...

 

1.1.2 小細胞肺がん

【レジメン図鑑】イミフィンジ(限局型小細胞肺がん:維持療法)
「イミフィンジ」単剤治療は、「切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」に対して承認されているレジメンであるが、2025年3月27日に新たに「限局型小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」を対象に承認された。この承認は、Phase ...

 

1.1.3 悪性胸膜中皮腫

【レジメン図鑑】キイトルーダ+シスプラチン+ペメトレキセド(悪性胸膜中皮腫)
「キイトルーダ+ペメトレキセド+シスプラチン」治療は、「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」に対して2025年5月19日より選択できるようになったレジメンの1つ。この承認は、海外Phase 3試験『KEYNOTE-483』、国内Phase 1b試験『KEYNOTE-A17』の結 ...

 

1.2 2025年に論文発表される可能性がある肺がん治療の試験結果

【食道がん:一次治療(OS)】「テセントリク+チラゴルマブ+化学療法」vs「化学療法」
SKYSCRAPER-08                          切除不能局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「パクリタキセル+シスプラチン」治療に「テセントリク+抗TIGIT抗体 チラゴルマブ」の上乗せを選択することで ...

 

1.3 2025年に学会発表される可能性が高い肺がん治療の試験結果

【Ⅲ期肺がん:化学放射線療法(PFS)】「化学放射線療法+オプジーボ+ヤーボイ」vs「化学放射線療法→イミフィンジ」
CheckMate 73L                            切除不能なⅢ期非小細胞肺がんと診断され人が「化学放射線療法+オプジーボ治療を受け、維持療法としてオプジーボ+ヤーボイ」治療を選択しても、「化学放射線療法を受け、維持療法としてイミフィンジ」治療を選択 ...
【肺がん:一次治療(PFS、OS)】「テセントリク+チラゴルマブ+化学療法」vs「キイトルーダ+化学療法」
SKYSCRAPER-06                          局所進行または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「テセントリク+チラゴルマブ+化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド)」治療を選択しても「キイ ...
【I-II期肺がん:放射線療法(EFS)】「キイトルーダ+放射線療法」vs「放射線療法」
KEYNOTE-867                            切除不能なI-II期非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「体幹部定位放射線治療」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても、無イベント生存期間の延長は期待しにくい。 【学会発表】 2 ...
【EGFR陽性肺がん:二次治療(PFS)】「パトリツマブ デルクステカン」vs「化学療法」
HERTHENA-Lung02                         EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性の非小細胞肺がんと診断され、EGFR-TKI阻害薬治療中に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「パトリツマブ デルクステカン」治療を選択することで「化学 ...
【PD-L1強陽性肺がん:一次治療(PFS)】「テセントリク+チラゴルマブ」vs「テセントリク」
SKYSCRAPER-01                          PD-L1高発現の局所進行切除不能または転移性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「テセントリク」治療に「抗TIGIT抗体チラゴルマブ」の上乗せを選択しても無増悪生存期間の延長は期 ...

 

 

2.乳がん

2.1 2025年に承認される可能性が高い乳がんの新治療

【明日のレジメン図鑑】ツカチニブ+ハーセプチン+カペシタビン(乳がん)
「HER2選択的チロシンキナーゼ阻害薬 ツカチニブ+ハーセプチン+カペシタビン」併用療法が「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能または再発乳がん」を対象に2025年3月13日に承認申請された。この承認は、Phase 3試験『HER2CLIMB』、Phase2試験『MK-7119 ...
【明日のレジメン図鑑】トロデルビ(HR陽性乳がん)
「抗Trop-2抗体薬物複合体 トロデルビ」が2025年4月24日、「化学療法歴のあるHR陽性HER2陰性の手術不能または再発乳がん」を対象に承認申請された。本申請はPhase 3試験『TROPiCS-02』、国内Phase2試験『ASCENT J-02』の結果に基づく。 「トロ ...
【レジメン図鑑】エンハーツ+パージェタ(HER2陽性乳がん)
2025年10月7日、「エンハーツ+パージェタ」治療が「HER2陽性の進行性または転移を有する乳がん」を対象に承認された。この申請は、Phase 3試験『DESTINY-Breast09』の結果に基づく。 【承認申請日】 2024年10月4日 【効能及び効果】 HER2陽性の進行 ...

 

2.2 2025年に論文発表される可能性がある乳がん治療の試験結果

【ER陽性乳がん:周術期治療(pCR)】「オプジーボ+化学療法→手術→オプジーボ+内分泌療法」vs「化学療法→手術→内分泌療法」
CheckMate 7FL(Nat Med)                     ER陽性HER2陰性乳がんと診断され、手術を受けた女性が手術前後の治療を考える場合、「術前補助化学療法(パクリタキセル→ドキソルビシン+シクロホスファミド)」および「術後補助内分泌療法」に「オプ ...
【ER陽性乳がん:周術期治療(pCR)】「キイトルーダ+化学療法→手術→キイトルーダ+内分泌療法」vs「化学療法→手術→内分泌療法」
KEYNOTE-756(Nat Med)                      ER陽性HER2陰性乳がんと診断され、手術を受けた女性が手術前後の治療を考える場合、「術前補助化学療法(パクリタキセル→ドキソルビシン+シクロホスファミド)」および「術後補助内分泌療法」に「キイト ...
【トリプルネガティブ乳がん:術前治療(EFS)】「テセントリク+化学療法」vs「化学療法」
NeoTRIP Michelangelo                        トリプルネガティブ乳がんと診断された女性が術前治療を考える場合、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療に「テセントリク」の上乗せを選択しても、5年無イベント生存率の向上は期待しにくい。 【学会 ...
【トリプルネガティブ乳がん:術後治療(3年iDFS)】「化学療法+テセントリク」vs「化学療法」
IMpassion030(JAMA)                       トリプルネガティブ乳がんと診断され、手術を受けた女性が手術後の治療を考える場合、「化学療法(パクリタキセル→ACまたはEC)」に「テセントリク」の上乗せを選択しても、3年無浸潤疾患生存率の向上は期待 ...
【トリプルネガティブ乳がん:維持療法(OS、PFS)】「リムパーザ+キイトルーダ」vs「化学療法+キイトルーダ」
KEYLYNK-009                           進行トリプルネガティブ乳がんと診断された女性が、「化学療法(カルボプラチン+ゲムシタビン)+キイトルーダ」治療後の維持療法を考える場合、「リムパーザ+キイトルーダ」治療を選択しても「化学療法(カルボプラチ ...
【HER2陽性乳がん:二次治療(PFS)】「ツカチニブ+カドサイラ」vs「カドサイラ」
HER2CLIMB-02                         切除不能または転移性HER2陽性乳がんと診断され、「ハーセプチン+ドセタキセル(またはパクリタキセル)」治療を受けたことがある女性が次の治療を考える場合、「カドサイラ」治療に「ツカチニブ」の上乗せを選択する ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(OS)】「カドサイラ」vs「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」
JCOG1607 HERB TEA                         遠隔転移を有するHER2陽性の乳がんと診断された65歳以上の女性が初めて治療を考える場合、「カドサイラ」治療を選択しても、「ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル」治療を選択した場合に劣らない生存 ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(PFS)】「ハラヴェン+ハーセプチン+パージェタ」vs「タキサン+ハーセプチン+パージェタ」
EMERALD / JBCRG-M06(JCO)                  HER2陽性進行乳がんと診断され女性が初めての治療を考える場合、「ハラヴェン+ハーセプチン+パージェタ」治療を選択しても、「タキサン系製剤+ハーセプチン+パージェタ」治療に劣らない無増悪生存期間が ...
【トリプルネガティブ乳がん:一次治療(OS)】「トルカプ+パクリタキセル」vs「パクリタキセル」
CAPItello-290                            遠隔転移を有するトリプルネガティブ乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「パクリタキセ」治療に「AKT阻害薬 トルカプ」の上乗せを選択しても生存期間の延長は期待しにくい。 【学会発表】 ...

 

2.3 2025年に学会発表される可能性が高い乳がん治療の試験結果

【HR陽性乳がん:二次化学療法(OS)】「ダトロウェイ」vs「化学療法」
TROPION-Breast01                         切除不能または転移性HR陽性、HER2陰性乳がんと診断された女性が次の治療を考える場合、「ダトロウェイ」治療を選択することで、「単剤化学療法」を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できるが、生存 ...

 

 

3. 食道がん・胃がん

3.1 2025年に論文発表される可能性がある食道がん・胃がん治療の試験結果

3.1.1 食道がん

【食道がん:一次治療(OS)】「テセントリク+チラゴルマブ+化学療法」vs「化学療法」
SKYSCRAPER-08                          切除不能局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「パクリタキセル+シスプラチン」治療に「テセントリク+抗TIGIT抗体 チラゴルマブ」の上乗せを選択することで ...

 

3.1.2 胃がん

【胃がん:三次治療(OS)】「サイラムザ+イリノテカン」vs「イリノテカン」
RINDBeRG(JCO)                         進行・再発胃がんまたは食道胃接合部がんと診断され、「サイラムザ+化学療法」に不応となった人が次の治療を考える場合、「イリノテカン」治療に「サイラムザ」の継続を選択しても、無増悪生存期間の延長は期待できても ...

 

 

4. 大腸がん

4.1 2025年に承認される可能性が高い大腸がんの新治療

【レジメン図鑑】ルマケラス+ベクティビックス(大腸がん)
「ルマケラス+ベクティビックス」併用療法は、2025年9月19日に「がん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」に対し、承認された治療レジメン。 本申請は、Phase 3試験『CodeBreaK 300』の結果に基づく。『Code ...

 

4.2 2025年に論文発表される可能性がある大腸がん治療の試験結果

【大腸がん:三次治療(OS)】「ロンサーフ+サイラムザ」vs「ロンサーフ」
RAMTAS                        転移性大腸がんと診断され、フルオロピリミジン、イリノテカン、オキサリプラチン、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体(RAS野生型の場合)を含む学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「ロンサーフ」治療に「サイラムザ」 ...

 

4.3 2025年に学会発表される可能性が高い大腸がん治療の試験結果

【大腸がん:三次治療(OS)】「オプジーボ+レラトリマブ」vs「ロンサーフ」
RELATIVITY-123                              マイクロサテライト安定の転移性大腸がんと診断され、1〜4回の前治療が無効であった人が次の治療を考える場合、「ニボルマブ/レラトリマブ配合剤」治療を選択しても「ロンサーフ(またはスチバーガ)」治 ...
【PD-L1陽性大腸がん:三次治療(OS)】「キイトルーダ+ファベゼリマブ」vs「ロンサーフ」
KEYFORM-007                           MSI-H/dMMR を有しない、PD-L1陽性の転移性大腸がんと診断され、標準治療に不応または不耐となった人が次の治療を考える場合、「ペムブロリズマブ/ファベゼリマブ配合剤」治療を選択しても「ロンサーフ ...

 

 

5.肝細胞がん

5.1 2025年に承認される可能性が高い肝細胞がんの新治療

【局所進行肝細胞がん:一次治療(OS)】「TACE+キイトルーダ+レンビマ」vs「TACE」
LEAP-012                              根治不能の非転移性肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「肝動脈化学塞栓療法(TACE)」治療に「キイトルーダ+レンビマ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できるが、生存期 ...

 

5.2 2025年に論文発表される可能性がある肝細胞がん治療の試験結果

【局所進行肝細胞がん:一次治療(PFS)】「TACE+キイトルーダ+レンビマ」vs「TACE」
LEAP-012(Lancet)                         根治不能の非転移性肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「肝動脈化学塞栓療法(TACE)」治療に「キイトルーダ+レンビマ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 ...
【肝細胞がん:一次治療(OS)】「オプジーボ+ヤーボイ」vs「レンビマ」
CheckMate 9DW(Lancet)                     切除不能な進行肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を選択することで、「レンビマ(またはネクサバール)」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。 ...
【局所進行肝細胞がん:一次治療(PFS)】「TACE+イミフィンジ+アバスチン」vs「TACE」
EMERALD-1(Lancet)                        肝動脈化学塞栓療法(TACE)に適応がある肝細胞がんと診断された人が治療を考える場合、「TACE」に「イミフィンジ+アバスチン」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 ...

 

 

6. 膵がん

6.1 2025年に論文発表される可能性がある膵がん治療の試験結果

【膵がん:一次治療(OS)】「S-1+イリノテカン+オキサリプラチン」vs「ゲムシタビン+アブラキサン」
JCOG1611/GENERATE(JCO)                   転移性または再発膵がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「mFOLFIRINOX」治療、「S-IROX(S-1+イリノテカン+オキサリプラチン)」治療を選択しても、「ゲムシタビン+アブラキサ ...

 

 

7. 腎細胞がん

7.1 2025年に承認される可能性が高い腎細胞がんの新治療

【レジメン図鑑】ウェリレグ(腎細胞がん)
「経口HIF-2α阻害薬 ウェリレグ」単剤治療は2024年7月22日、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能または転移性の腎細胞がん」に対し、承認申請され、2025年6月24日承認された。本承認申請は、『LITESPARK-005』試験の結果に基づいている。 2025年8月18日 ...

 

 

8. 前立腺がん

8.1 2025年に論文発表される可能性がある前立腺がん治療の試験結果

【去勢抵抗性前立腺がん:二次治療(OS)】「キイトルーダ+ドセタキセル」vs「ドセタキセル」
KEYNOTE-921(JCO)                        転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断され、アンドロゲン受容体シグナル阻害薬治療歴のある男性が次の治療を考える場合、「ドセタキセル+プレドニゾン」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても、無増悪生存期間、 ...
【前立腺がん:放射線療法(10年PFS)】「80Gy」vs「70Gy」
GETUG-AFU18                            遠隔転移が認められていない高リスク前立腺がんと診断された男性が長期アンドロゲン除去療法を考える場合、「高線量(80Gy)の放射線療法との併用」を選択することで「標準線量(70Gy)の放射線療法との併用」 ...
【去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(PFS)】「ゾーフィゴ+イクスタンジ」vs「イクスタンジ」
PEACE-3(Ann Oncol)                       骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性が次の治療を考える場合、「イクスタンジ」単剤治療に「ゾーフィゴ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間、生存期間の延長が期待できる。 【発表】 2 ...
【去勢抵抗性前立腺がん:二次治療(PFS、OS)】「テセントリク+カボメティクス」vs「イクスタンジ」
CONTACT-02(Lancet Oncol)                    転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断され、アンドロゲン受容体シグナル阻害薬治療後に進行した男性が次の治療を考える場合、「テセントリク+カボメティクス」治療を選択することで、「イクスタンジ(またはザ ...

 

8.2 2025年に学会発表される可能性が高い前立腺がん治療の試験結果

【ホルモン感受性前立腺がん:一次治療(OS、PFS)】「キイトルーダ+イクスタンジ+アンドロゲン除去療法」vs「イクスタンジ+アンドロゲン除去療法」
KEYNOTE-991(Ann Oncol)                     転移性ホルモン感受性前立腺がんと診断された男性が初めての治療を考える場合、「イクスタンジ+アンドロゲン除去療法」に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても、1年無増悪生存率、2年生存率の向上は期待し ...
【去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(PFS、OS)】「キイトルーダ+イクスタンジ」vs「イクスタンジ」
KEYNOTE-641(Ann Oncol)                     転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断され、アンドロゲン受容体シグナル阻害薬治療歴、化学療法歴のない男性が次の治療を考える場合、「イクスタンジ」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても、無増悪生存期 ...
【去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(OS)】「ターゼナ+イクスタンジ」vs「イクスタンジ」
TALAPRO-2(Lancet)                        遠隔転移を有する前立腺がんと診断され、去勢抵抗性となった男性が次の治療を考える場合、「イクスタンジ」治療に「PARP阻害薬ターゼナ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。 【発表】 ...
【PTEN欠損ホルモン感受性前立腺がん:一次治療(PFS)】「トルカプ+ザイティガ+アンドロゲン除去療法」vs「ザイティガ+アンドロゲン除去療法」
CAPItello-281(Ann Oncol)                     PTEN欠損を有する転移性ホルモン感受性前立腺がんと診断された男性がアンドロゲン除去療法に薬剤の上乗せを考える場合、「ザイティガ+プレドニゾロン」治療だけでなく「トルカプ」の追加を選択するこ ...

 

 

9. 卵巣がん

9.1 2025年に論文発表される可能性がある卵巣がん治療の試験結果

【卵巣がん:維持療法(PFS)】「イミフィンジ+アバスチン+化学療法→リムパーザ+イミフィンジ+アバスチン」vs「アバスチン+化学療法→アバスチン」
DUO-O                                高悪性度上皮性卵巣がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、導入療法として「化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)+アバスチン」に「イミフィンジ」を上乗せし、終了後 「アバスチンによる維持療法」に ...
【卵巣がん:維持療法(PFS)】「オプジーボ+ルカパリブ」vs「ルカパリブ」
ATHENA–COMBO                           III-IV期高悪性度卵巣がんと診断され、腫瘍減量手術とプラチナ製剤による一次治療を完了し、奏効が得られた女性が次の治療を考える場合、「ルカパリブによる維持療法」に「オプジーボ」の上乗せを選択することで ...

 

 

10. 子宮頸がん

10.1 2025年に承認される可能性が高い子宮頸がんの新治療

【レジメン図鑑】テブダック(子宮頸がん)
「テブダック」単剤治療は、2025年3月27日、「がん化学療法後に増悪した進行または再発子宮頸がん」を対象に承認された治療レジメン。本承認は国際共同Phase3試験『innovaTV301』などの結果に基づいている。「テブダック点滴静注用40mg」は同年5月21日発売された。 【 ...

 

 

11. 頭頸部がん

11.1 2025年に論文発表される可能性がある頭頸部がん治療の試験結果

【頭頸部がん:一次治療(OS、PFS)】「レンビマ+キイトルーダ」vs「キイトルーダ」
LEAP-010                              PD-L1陽性の再発または転移性頭頸部扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「キイトルーダ」治療に「レンビマ」の上乗せを選択しても無増悪生存期間の延長は期待できても、生存期間の延長は期待で ...

 

11.2 2025年に学会発表される可能性が高い頭頸部がん治療の試験結果

【局所進行頭頸部がん:化学放射線療法(EFS)】「キセビナパント+化学放射線療法」vs「化学放射線療法」
TrilynX(JCO)                               局所進行頭頸部扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「シスプラチン+放射線療法」に「IAP阻害薬キセビナパント」の上乗せを選択することで、無イベント生存期間、生存期間が短縮する危 ...
【切除可能頭頸部がん:術後治療(DFS)】「キセビナパント+放射線療法」vs「放射線療法」
XRAY VISION                            シスプラチンの適応とならない切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がんと診断された人が術後の治療を考える場合、「強度変調放射線治療」に「IAP阻害薬キセビナパント」の上乗せを選択することで、無病生存期間が延長 ...
【頭頸部がん:周術期治療(EFS)】「キイトルーダ→手術→キイトルーダ+放射線療法」vs「手術→放射線療法」
KEYNOTE-689(NEJM)                            切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「手術前のキイトルーダ」治療および「手術後の放射線療法±シスプラチン治療へのキイトルーダの上乗せ」を選択するこ ...

 

 

12. 血液がん

12.1 2025年に承認される可能性が高い血液がんの新治療

【明日のレジメン図鑑】ブーレンレップ+Pd(多発性骨髄腫)
「ブーレンレップ」は、「ポマリスト+デキサメタゾン」などとの併用療法として、2024年9月17日に「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗BCMA抗体薬物複合体。本承認はPhase 3試験『DREAMM-8』などの結果に基づいている。 【承認申請日】 2024年 ...
【明日のレジメン図鑑】ブーレンレップ+Vd(多発性骨髄腫)
「ブーレンレップ」は、「ベルケイド+デキサメタゾン」などとの併用療法として、2024年9月17日に「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗BCMA抗体薬物複合体。本承認はPhase 3試験『DREAMM-7』などの結果に基づいている。 【承認申請日】 2024年 ...
【明日のレジメン図鑑】ベネクレクスタ+ガザイバ併用療法(慢性リンパ性白血病)
「ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)」は、2024年12月20日に「ガザイバ(一般名:オビヌツズマブ)」との併用療法において「未治療の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫」を予定適応症として承認申請された。 本申請は、海外Phase3試験『CLL14』および国内Phas ...
【明日のレジメン図鑑】ベネクレクスタ+イムブルビカ併用療法(慢性リンパ性白血病)
「ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)」は、2024年12月20日に「イムブルビカ(一般名:イブルチニブ)」との併用療法において「未治療の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫」を予定適応症として承認申請された。 本申請は、海外Phase3試験『GLOW』および国内Phas ...
【明日のレジメン図鑑】ダラキューロ(くすぶり型多発性骨髄腫)
「ダラキューロ」は、2025年2月14日に「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗CD38抗体。 【承認申請日】 2025年2月14日 【効能及び効果】 高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫 【さらに詳しく】 ダラツムマブ配合皮下注、高リスクのくすぶり型多発性骨髄 ...
【明日のレジメン図鑑】ルンスミオ+ポライビー(大細胞型B細胞リンパ腫)
「ルンスミオ+ポライビー」併用療法が「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」を予定効能又は効果として2025年5月に承認申請されている。本申請は、SUNMO試験の結果に基づいている。 【承認申請】 2025年5月 【効能又は効果】 再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫 こ ...
【明日のレジメン図鑑】テクベイリ+タービー(多発性骨髄腫)
「テクベイリ+タービー」は、2025年10月31日に「髄外病変を有する再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された。本申請はPhase 1/2試験『RedirecTT-1』などの結果に基づいている。 【承認申請日】 2025年10月31日 【効能及び効果】 髄外病変を有 ...
【明日のレジメン図鑑】エプキンリ+リツキサン+レブラミド(濾胞性リンパ腫)
2025年11月6日、「エプキンリ+リツキサン+レブラミド」が「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(二次治療)」に対して承認申請された。本申請はEPCORE FL-1試験の結果に基づいている。 【承認申請日】 2025年11月6日 【効能及び効果】 再発又は難治性の濾胞性リンパ腫 【 ...

 

12.2 2025年に論文発表される可能性がある血液がん治療の試験結果

【マントル細胞リンパ腫:二次治療(PFS)】「ベネクレクスタ+イムブルビカ」vs「イムブルビカ」
SYMPATICO(Lancet Oncol)                    再発または難治性のマントル細胞リンパ腫の治療として「イムブルビカ」治療に「ベネクレクスタ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 2025年2月4日 【試験名】 S ...
【マントル細胞リンパ腫:一次治療(PFS)】「カルケンス+トレアキシン+リツキサン」vs「トレアキシン+リツキサン」
ECHO(JCO)                            65歳以上でマントルリンパ腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「トレアキシン+リツキサン」治療に「カルケンス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 「トレアキシン+リツキサン」 ...
【濾胞性リンパ腫:二次治療(PFS)】「タファシタマブ+リツキサン+レブラミド」vs「リツキサン+レブラミド」
inMIND                               再発または難治性の濾胞性リンパ腫の治療として「リツキサン+レブラミド」治療に「抗CD19モノクローナル抗体 タファシタマブ」の上乗せを選択しすることで無増悪生存期間の延長が期待できる。 【学会発表】 202 ...
【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:一次治療(EFS)】「R-CHOP+ハイヤスタ」vs「R-CHOP」
DEB                                 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、Myc≥40%、Bcl-2≥50%であった人が初めての治療を考える場合、「R-CHOP」治療に「ハイヤスタ」の上乗せを選択することで無イベント生存期間の延長が期待で ...
【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:三次治療(OS)】「アドセトリス+レブラミド+リツキサン」vs「レブラミド+リツキサン」
ECHELON-3(JCO)                         びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、2ライン以上の治療を受けたことがあり、造血幹細胞移植、CAR-Tの適応とならない人が次の治療を考える場合、「レブラミド+リツキサン」治療に「アドセトリス」の上 ...