TAILOR(Lancet Oncol)
EGFR野生型の人で、プラチナ製剤を含む化学療法を受けたことがある人では、「タルセバ」治療を選択するより「ドセタキセル」治療を選択した方が生存期間の延長が期待できる。
試験では「タルセバ」治療を受けた人が5.4ヵ月であったのに対し、「ドセタキセル」治療を受けた人では8.2ヵ月であった。無増悪生存期間においても「ドセタキセル」治療を選択したほうが良い結果が期待できる。
グレード3以上の有害事象は、「ドセタキセル」治療を選択した場合、好中球減少症が現れる可能性が高くなる。試験では20%の人に現れた。「タルセバ」治療を選択した人では現れなかった。「タルセバ」治療を選択した場合、皮膚毒性(皮疹)が現れる可能性が高くなる。試験では15%の人に現れた。「ドセタキセル」治療を選択した人では現れなかった。無力症が「ドセタキセル」で10%、「タルセバ」で6%の人に現れた。
この試験結果を受けて、『EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2015年版』では、EGFR遺伝子変異野生型の2次治療において少なくともドセタキセルの前にエルロチニブを使用する科学的根拠は乏しいとしている。
【発表】
2013年7月22日
【試験名】
TAILOR(Phase 3)〔NCT00637910〕
【原著】
Lancet Oncol. 2013;14:981-8. [PubMed: 23883922]
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