
THOR cohort 1(Int J Clin Oncol)
アジア人でもFGFR遺伝子変異陽性転移性尿路上皮がんと診断され、抗PD-1抗体を含む1-2ライン加療後に進行した人が次の治療を考える場合、「FGFR阻害薬 バルバーサ」治療を選択することで、「化学療法(ドセタキセルまたはビンフルニン)」を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。
アジア人(日本、中国、韓国、台湾)で「バルバーサ」治療を受けた人は37名、「化学療法」を受けた人は39名であった。
「化学療法」の奏効率は12.8%であったのに対し、「バルバーサ」治療を受けた54.1%の人が治療に奏効した。
また、「化学療法」を受けた15.2%、「バルバーサ」治療を受けた2.7%の人がグレード3以上の治療関連有害事象を経験した。主な治療関連有害事象(グレード問わず)は、高リン血症(86.5%)、下痢(45.9%)、爪障害(40.5%)、口内炎(37.8%)であった。皮膚・眼障害も報告あり(特にアジア人では爪変色や爪囲炎が高頻度)。
【発表】
2025年5月14日
【試験名】
THOR(Phase 3)〔NCT03390504/jRCT2080223892〕
【試験参加国】
日本(千葉県がんセンター、弘前大学医学部附属病院、国立がん研究センター東病院、香川大学医学部附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院、獨協医科大学埼玉医療センター、四国がんセンター、宮崎大学医学部附属病院、長野市民病院、愛知県がんセンター、近畿大学病院、大阪国際がんセンター、大阪公立大学医学部附属病院、群馬県立がんセンター、北里大学病院、東邦大学佐倉医療センター、北海道がんセンター、東京女子医科大学病院、虎の門病院、がん研有明病院、筑波大学附属病院、山口大学医学部附属病院、横浜市立大学附属市民総合医療センター)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スペイン、台湾、トルコ、ウクライナ、英国
【原著】
Clin Genitourin Cancer. 2025 :102376. [PubMed: 40483179]
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