【甲状腺がん】治療薬レビュー

日本では、2014年6月20日に「ネクサバール」が「根治切除不能な分化型甲状腺癌」、2016年2月29日に「根治切除不能な甲状腺未分化癌、又は局所進行若しくは転移性の甲状腺髄様癌」に対し、承認された。また、2015年3月26日に「レンビマ」が「根治切除不能な甲状腺癌」に対し、承認され、同年9月28日には、「カプレルサ」が「根治切除不能な甲状腺髄様癌」に対し、承認された。

「RET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺癌」、「RET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様癌」に対し、2022年2月25日、「レットヴィモ」が承認された。

カボメティクス」、「タフィンラーメキニスト」、「プラルセチニブ」は、日本ではまだ承認されていない。

1. 放射性ヨウ素治療抵抗性または転移性分化型甲状腺がん

【甲状腺がん】「ネクサバール」vs「プラセボ」

【甲状腺がん】「ネクサバール」vs「プラセボ」

DECISION(Lancet)                         放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんと診断された人が次の治療を考える場合、「ネクサバール」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「ネクサバール」治療の主な有害事象は、手足症候 ...
【甲状腺がん:一次治療(PFS)】「レンビマ」vs「プラセボ」

【甲状腺がん:一次治療(PFS)】「レンビマ」vs「プラセボ」

SELECT(NEJM)                          放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんと診断された人が次の治療を考える場合、「レンビマ」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 主な有害事象は、高血圧(67.8%)、下痢(59.4%) ...
【甲状腺がん:二次治療(PFS)】「カボメティクス」vs「プラセボ」

【甲状腺がん:二次治療(PFS)】「カボメティクス」vs「プラセボ」

COSMIC-311(Lancet Oncol)                    分化型甲状腺がんと診断され、放射性ヨウ素治療抵抗性となり、VEGFR阻害薬治療後に増悪した人が次の治療を考える場合、「カボメティクス」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。「 ...

 

2. 放射性ヨウ素治療抵抗性のRET融合遺伝子陽性甲状腺がん

【RET陽性甲状腺がん:二次治療(ORR)】レットヴィモ

【RET陽性甲状腺がん:二次治療(ORR)】レットヴィモ

LIBRETTO-001(NEJM)                       治療歴があるRET融合遺伝子陽性の甲状腺がんの19名がRET阻害薬「レットヴィモ」治療を受けた結果、79%の人が治療に奏効し、18.4ヵ月間奏効が持続した。 「レットヴィモ」治療の主なグレード 3 ...
【RET陽性甲状腺がん(ORR)】プラルセチニブ

【RET陽性甲状腺がん(ORR)】プラルセチニブ

RET阻害薬「プラルセチニブ」治療を受けた結果、RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様がんの未治療21名中15名(71%)、既治療55名の33名(60%)、RET融合遺伝子陽性の甲状腺がん9名の8名(89%)が治療に奏効した。 「プラルセチニブ」治療の主なグレード3以上の治療関連有害事 ...

 

3. 局所進行または転移性の甲状腺髄様がん

【甲状腺髄様がん:一次治療(PFS)】「カプレルサ」vs「プラセボ」

【甲状腺髄様がん:一次治療(PFS)】「カプレルサ」vs「プラセボ」

ZETA(JCO)                             根治切除不能な甲状腺髄様がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「カプレルサ」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 主な有害事象は、下痢(26%→56%)、皮疹(11%→45%) ...
【甲状腺髄様がん(PFS)】「カボメティクス」vs「プラセボ」

【甲状腺髄様がん(PFS)】「カボメティクス」vs「プラセボ」

EXAM(JCO)                            根治切除不能な甲状腺髄様がんと診断された人が治療を考える場合、「カボメティクス」治療を選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「カボメティクス」治療中の薬剤に関連した主な有害事象は、下痢、手掌・ ...

 

4. RET遺伝子変異陽性の局所進行または転移性の甲状腺髄様がん

【RET陽性甲状腺髄様がん:一次治療(ORR)】レットヴィモ

【RET陽性甲状腺髄様がん:一次治療(ORR)】レットヴィモ

LIBRETTO-001(NEJM)                    未治療のRET変異を有する甲状腺髄様がんの人がRET阻害薬「レットヴィモ」治療を受けることによって73%の人が治療に奏効し、22.4ヵ月治療に奏効した。92%の人が1年後も増悪なく生存してできた。 「レッ ...
【RET陽性甲状腺髄様がん:二次治療(ORR)】レットヴィモ

【RET陽性甲状腺髄様がん:二次治療(ORR)】レットヴィモ

LIBRETTO-001(NEJM)                    「カボメティクス」または「カプレルサ」あるいはその両方の治療歴あり、RET変異を有する甲状腺髄様がんの人がRET阻害薬「レットヴィモ」治療を受けることによって69%の人が治療に奏効し、1年後も82%の人が ...
【RET陽性甲状腺がん(ORR)】プラルセチニブ

【RET陽性甲状腺がん(ORR)】プラルセチニブ

RET阻害薬「プラルセチニブ」治療を受けた結果、RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様がんの未治療21名中15名(71%)、既治療55名の33名(60%)、RET融合遺伝子陽性の甲状腺がん9名の8名(89%)が治療に奏効した。 「プラルセチニブ」治療の主なグレード3以上の治療関連有害事 ...

 

5. BRAF V600E遺伝子変異陽性の未分化型甲状腺がん

【BRAF陽性甲状腺未分化がん:二次治療(ORR)】「タフィンラー+メキニスト」

【BRAF陽性甲状腺未分化がん:二次治療(ORR)】「タフィンラー+メキニスト」

ROAR(Ann Oncol)                          BRAFV600E変異を有する甲状腺未分化がんと診断された36名が「タフィンラー+メキニスト」治療を受けた結果、56%の人が治療に奏効し、13.6ヵ月奏効が持続した。1年奏効率は50%、1年無増悪生 ...

【原著】

Lancet. 2023; Apr 3. [PubMed: 37023783]