【HER2陽性胃がん(OS)】「ハーセプチン+化学療法」vs「化学療法」

ToGA(Lancet)                          

HER2陽性の進行胃がんまたは胃食道接合部がんと診断された人が初めての治療を考える場合、化学療法に「ハーセプチン」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。

試験では93.3%が化学療法未治療が含まれていた。化学療法の88%は「カペシタビンシスプラチン」、12%は「5-FUシスプラチン」。

ハーセプチン」治療を受けた人の67%に吐き気(vs 63%)、50% に嘔吐(vs 46%)、53%に好中球減少(vs 57%)が現れた。68%の人がグレード3以上の有害事象を経験(vs 68%)。6%の人がグレード3以上の心毒性を経験(vs 6%)。

この試験の結果を受けて、欧州では2010年1月28日、「HER2が強く発現した転移性胃癌患者に対し標準的な化学療法とハーセプチンの併用」について、欧州委員会から承認された。

米国でも2010年10月21日、「未治療のHER2陽性の転移性胃癌、胃食道接合部癌を対象に、ハーセプチンと化学療法(シスプラチンカペシタビンまたは5-FUとの併用)の併用投与法」としてを承認された。

日本では2010年3月19日、HER2陽性進行・再発胃癌に対する適応拡大が申請され、2011年3月11日、「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」に対する効能・効果および用量・用法の追加に関して承認された。

【発表】

2010年8月19日

【試験名】

ToGA(Phase 3)〔NCT01041404/jRCT2080220186

【試験参加国】

日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、九州大学病院、神戸大学医学部附属病院、大阪医科薬科大学病院、近畿大学病院、埼玉医科大学国際医療センター、埼玉県立がんセンター、静岡がんセンター、栃木県立がんセンター、都立駒込病院、がん研有明病院、昭和大学江東豊洲病院、国際医療福祉大学成田病院)、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、中国、コスタリカ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、グアテマラ、インド、イタリア、韓国、メキシコ、パナマ、ペルー、ポルトガル、ロシア、南アフリカ、スペイン、台湾、トルコ、英国

【原著】

Lancet. 2010;376:687-97. [PubMed: 20728210]

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