TRITON3(NEJM)
BRCA1、BRCA2遺伝子の変異を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断され、アンドロゲン受容体経路阻害薬治療後に増悪した男性が次の治療を考える場合、「ルカパリブ」治療を選択することで、ドセタキセル、イクスタンジ、ザイティガのいずれかを選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できる。
対照群のうち、56%の男性がドセタキセル、24%の男性がイクスタンジ、21%の男性がザイティガ治療を受けた。
ATM遺伝子変異を有する男性では「ルカパリブ」治療を選択しても無増悪生存期間に差はなかった。無増悪生存期間は「ルカパリブ」治療を選択した男性で8.1ヵ月、ドセタキセル、イクスタンジ、ザイティガのいずれかを選択した男性では6.8ヵ月(HR 0.95 95% CI 0.59-1.52)。
【発表】
2023年2月16日
【試験名】
TRITON3(Phase 3)〔NCT02975934〕
【試験参加国】
米国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イスラエル、イタリア、スペイン、英国
【原著】
N Engl J Med. 2023 ;388:719-732. [PubMed: 36795891]
【さらに詳しく】
- 転移性前立腺癌に対するルカパリブと医師が選択した薬剤との比較〔NEJM日本語アブストラクト〕
- BRCA/ATM遺伝子変異陽性の転移を有する前立腺がん、rucaparibが有効/NEJM〔ケアネット〕
- 転移性去勢抵抗性前立腺がんでPARP阻害薬rucaparibは有効(解説:宮嶋 哲 氏)〔ケアネット〕
- 化学療法未治療のBRCA変異陽性mCRPCにPARP阻害薬rucaparibの投与は医師選択治療より全生存期間を延長傾向【ASCO GU 2023】〔日経メディカル〕
- PARP阻害薬rucaparibが化学療法未治療でBRCAまたはATM変異陽性のmCRPCのrPFSを有意に延長〔日経メディカル〕
- rucaparib、標準治療と比べてPFS延長 化学療法未治療のmCRPCが対象の第Ⅲ相試験TRITON3〔Medical Tribune〕
【他の選択肢】