REGARD(Lancet)
遠隔転移を有する胃がんまたは胃食道接合部腺がんと診断され、一次治療としてプラチナ系抗がん剤、フルオロピリミジン系抗がん剤を含む治療を受けた人が次の治療を考える場合、「支持療法」に「サイラムザ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。
「サイラムザ」単剤治療による高血圧症発症の割合は16%( vs 8%)。その他の有害事象については、ほぼ同程度であった(94% vs 88%)。
この結果に基づいて、2014年4月21日、米国では「1次治療としてフルオロピリミジン系あるいは白金系ベースの抗癌剤治療を受けた進行または転移を有する胃、胃食道接合部腺癌 」を適応とした「サイラムザ」の単剤投与が承認された。日本においても本試験と『RAINBOW』試験の2つの試験結果に基いて、2015年3月26日、「治癒切除不能な進行・再発胃癌」を対象に製造承認を取得し、同年6月22日に発売された。
【発表】
2013年10月3日
【試験名】
REGARD(Phase 3)〔NCT00917384〕
【原著】
Lancet. 2014;383:31-9. [PubMed: 24094768]
【さらに詳しく】
- 新規抗VEGFR-2抗体薬、進行・再発胃がんの全生存期間を延長〔ケアネット〕
- 転移を有する胃腺癌または胃食道接合部腺癌に抗VEGF受容体2抗体製剤ramucirumabが有効【ASCO-GI2013】〔日経メディカル〕
- 胃癌患者にramucirumabを単剤投与したフェーズ3で好結果〔日経メディカル〕
【添付文書における表記】
プラチナ製剤又はフッ化ピリミジン系薬剤を含む化学療法が無効の進行胃腺癌又は胃食道接合部腺癌患者355例を対象に、best supportive care (BSC)との併用において本剤とプラセボとを比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。本剤8mg/kg又はプラセボを2週間に1回投与し、病態の悪化等が認められるまで継続した。主要評価項目である全生存期間において有意な延長を認めた。
本剤が投与された236例において発現した主な有害事象は、腹痛(28.8%)、高血圧(16.1%)、下痢(14.4%)等であった。