現在、日本を含む国際共同Phase 3試験が進行中の胃がん・胃食道接合部がん・食道がん治療についてまとめた。現時点で、進行中のPhase3試験が17件ある。
1. 切除可能な胃がん
「化学療法+抗PD-(L)1抗体」による術前補助療法、術後補助療法の有用性を検証するPhase3試験『KEYNOTE-585』、『MATTERHORN』、「化学療法+抗体PD-1抗体」による術後補助療法の有用性を検証するPhase3試験『ATTRACTION-5』が現在、進行中である。
ATTRACTION-5 切除可能な胃がんおよび胃食道接合部がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「化学療法(CAPOXまたはS-1 )」治療に「オプジーボ」の上乗せを選択しても、3年無再発生存率の向上は期待しにくい。 ...
MATTERHORN 切除可能な胃がんおよび胃食道接合部がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「FLOT(5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル)」治療に「イミフィンジ」の上乗せを選択することで、病理学 ...
2. 切除不能な胃がん
2.1 一次治療(野生型)
「化学療法+抗PD-1抗体」の有用性を検証するPhase3試験『KEYNOTE-859』については試験結果がESMO Plenary 2023にて発表され、日本では2023年5月12日に承認申請された。「化学療法+抗PD-1抗体+TKI」の有用性を検証するPhase3試験『LEAP-015』、「化学療法+抗PD-1抗体+抗CTLA-4抗体」、「化学療法+抗PD-1抗体+抗TIGIT抗体」の有用性を検証するPhase3試験が現在、進行中である。
「キイトルーダ+CAPOX」はHER2陰性の胃腺癌または食道胃接合部腺がんに対して、Phase 3試験『KEYNOTE-859試験』の結果に基づき、2023年5月12日に承認申請されており、3月4日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて、承認の可否が審議される予定。 【承認申請 ...
RATIONALE-305 切除不能な局所進行または転移性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法」に「抗PD-1抗体チスレリズマブ」の上乗せを選択することで、生存期間が延長されるかに ...
LEAP-015 HER陰性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法(CAPOXまたはFOLFOX)」に「キイトルーダ+レンビマ」の上乗せを選択することで、生存期間が延長されるかについて、現在、検証 ...
HER陰性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法(CAPOXまたはSOX)」に「オプジーボ+ヤーボイ」の上乗せを選択することで、生存期間が延長されるかについて、現在、検証が進められている。 【試験開始日】 2021年7月1日 【試験終了予定日】 2027 ...
STAR-221 切除不能な局所進行または遠隔転移を伴う胃腺がん/胃食道接合部腺がん/食道腺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「抗TIGIT抗体 ドムバナリマブ+抗PD-1抗体 ジムベレリマブ+化学療法」を選択 ...
2.2 一次治療(変異型)
HER2陽性例に対し、「化学療法+ハーセプチン+抗PD-1抗体」の有用性を検証するPhase3試験『KEYNOTE-811』については奏効率(副次評価項目)の結果がNature誌に発表された。主要評価項目である無増悪生存期間、生存期間の結果について発表が待たれる。
また、CLDN18.2陽性/HER2陰性例に対しては「化学療法+ビロイ」の有用性を検証する2つのPhase3試験『SPOTLIGHT(Lancet 誌発表)』、『GLOW』の結果が発表されている。
FGFR2b過剰発現/HER2陰性例に対しては「FOLFOX±抗PD-1抗体+ベマリツズマブ」の有用性を検証する2つのPhase3試験『FORTITUDE-101(抗PD-1抗体併用なし)』、『FORTITUDE-102(抗PD-1抗体併用あり)』が現在、進行中である。
「抗Claudin 18.2抗体 ビロイ」は、「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象に2024年3月26日承認された抗CLDN18.2モノクローナル抗体。本承認は、Phase 3試験『SPOTLIGHT』および『GLOW』の結果に基づいている。『SPOT ...
「抗Claudin 18.2抗体 ビロイ」は「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象に、2024年3月26に承認された抗CLDN18.2モノクローナル抗体。この承認は、Phase 3試験『SPOTLIGHT』および『GLOW』の結果に基づいている。『GLO ...
KEYNOTE-811(Lancet) HER2陽性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ハーセプチン+化学療法(5-FU+シスプラチンまたはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が ...
FORTITUDE-101 FGFR2b過剰発現の進行胃がんまたは食道胃接合部がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX」治療に「ベマリツズマブ」の上乗せを選択することで、生存期間が延長されるかについて、現在、 ...
FORTITUDE-102 FGFR2b過剰発現の進行胃がんまたは食道胃接合部がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX+オプジーボ」に「ベマリツズマブ」の上乗せを選択することで、生存期間が延長されるかについて ...
2.3 二次治療(変異型)
HER2陽性例に対し、「サイラムザ+パクリタキセル」を対照に、「エンハーツ」、「エボルパセプト+ハーセプチン+サイラムザ+パクリタキセル」の有用性を検証する2つのPhase3試験が現在、進行中である。
DESTINY-Gastric04 切除不能な進行または再発HER2陽性胃腺がんまたは胃食道接合部腺がんと診断され、ハーセプチンを含むレジメンの加療後に増悪した人が次の治療を考える場合、「エンハーツ」治療を選択することで、「サイラム ...
ASPEN-06 転移性HER2過剰発現胃腺がん/胃食道接合部腺がんと診断され、ハーセプチンを含むレジメンの加療後に増悪した人が次の治療を考える場合、「サイラムザ+パクリタキセル」治療に「エボルパセプト+ハーセプチン」の上 ...
3. 食道がん
局所進行食道がんに対し、「化学放射線療法」に「イミフィンジ」併用の有用性を検証する『KUNLUN』、「化学放射線療法」後の維持療法として「テセントリク」、「テセントリク+チラゴルマブ」の有用性を検証する『SKYSCRAPER-07』、一次治療として「化学療法」に「キイトルーダ+レンビマ」の有用性を検証する『LEAP-14』が現在、進行中である。
RATIONALE-306(Lancet Oncol) 切除不能、局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法」に「抗PD-1抗体 チスレリズマブ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待で ...
SKYSCRAPER-07 切除不能な局所進行食道扁平上皮がんと診断され、化学放射線療法後に病勢が進行していなかった人が次の治療を考える場合、「テセントリクによる維持療法」または「テセントリク+チラゴルマブによる維持療法」を選択す ...
LEAP-014 遠隔転移を有する食道がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法(「5-FU+シスプラチン」または「FOLFOX」)」に「キイトルーダ+レンビマ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間、生存 ...
KUNLUN 切除不能な局所進行食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学放射線療法」に「イミフィンジ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間が延長されるかについて、現在、検証が進められている。 【 ...