現在、日本を含む国際共同Phase 3試験が進行中の胃がん・胃食道接合部がん・食道がん治療についてまとめた。現時点で、進行中のPhase3試験が17件ある。
1. 切除可能な胃がん
「化学療法+抗PD-(L)1抗体」による術前補助療法、術後補助療法の有用性を検証するPhase3試験『KEYNOTE-585』、『MATTERHORN』、「化学療法+抗体PD-1抗体」による術後補助療法の有用性を検証するPhase3試験『ATTRACTION-5』が現在、進行中である。
【胃がん:周術期治療(pCR)】「イミフィンジ+FLOT」vs「FLOT」
2. 切除不能な胃がん
2.1 一次治療(野生型)
「化学療法+抗PD-1抗体+TKI」の有用性を検証するPhase3試験『LEAP-015』、「化学療法+抗PD-1抗体+抗CTLA-4抗体」、「化学療法+抗PD-1抗体+抗TIGIT抗体」の有用性を検証するPhase3試験が現在、進行中である。
【胃がん:一次治療(OS)】「チスレリズマブ+化学療法」vs「化学療法」
【胃がん:一次治療(OS)】「キイトルーダ+レンビマ+化学療法」vs「化学療法」
【胃がん:一次治療(OS)】「オプジーボ+ヤーボイ+化学療法」vs「化学療法」
【胃がん:一次治療(OS)】「ドムバナリマブ+ジムベレリマブ+化学療法」vs「オプジーボ+化学療法」
2.2 一次治療(変異型)
HER2陽性例に対し、「化学療法+ハーセプチン+抗PD-1抗体」の有用性を検証するPhase3試験『KEYNOTE-811』については奏効率(副次評価項目)の結果がNature誌に発表された。主要評価項目である無増悪生存期間、生存期間の結果について発表が待たれる。
FGFR2b過剰発現/HER2陰性例に対しては「FOLFOX±抗PD-1抗体+ベマリツズマブ」の有用性を検証する2つのPhase3試験『FORTITUDE-101(抗PD-1抗体併用なし)』、『FORTITUDE-102(抗PD-1抗体併用あり)』が現在、進行中である。
【HER2陽性胃がん:一次治療(PFS)】「キイトルーダ+ハーセプチン+化学療法」vs「ハーセプチン+化学療法」
【FGFR2b過剰発現胃がん:一次治療(OS)】「ベマリツズマブ+FOLFOX」vs「FOLFOX」
【FGFR2b陽性胃がん:一次治療(OS)】「FOLFOX+オプジーボ+ベマリツズマブ」vs「FOLFOX+オプジーボ」
2.3 二次治療(変異型)
HER2陽性例に対し、「サイラムザ+パクリタキセル」を対照に、「エンハーツ」、「エボルパセプト+ハーセプチン+サイラムザ+パクリタキセル」の有用性を検証する2つのPhase3試験が現在、進行中である。
【HER2陽性胃がん:二次治療(OS)】「エンハーツ」vs「サイラムザ+パクリタキセル」
【HER2陽性胃がん:二次治療(OS)】「エボルパセプト+ハーセプチン+サイラムザ+パクリタキセル」vs「サイラムザ+パクリタキセル」
2.4 三次治療
【胃がん:三次治療(OS)】「サシツズマブ チルモテカン」vs「化学療法」
3. 食道がん
局所進行食道がんに対し、「化学放射線療法」に「イミフィンジ」併用の有用性を検証する『KUNLUN』、「化学放射線療法」後の維持療法として「テセントリク」、「テセントリク+チラゴルマブ」の有用性を検証する『SKYSCRAPER-07』、一次治療として「化学療法」に「キイトルーダ+レンビマ」の有用性を検証する『LEAP-14』が現在、進行中である。