結腸がんレジメン21

結腸がんのために入院した人はどのような治療が行われていたのだろうか。2021年度の中央社会保険医療協議会(厚生労働省)「DPC導入の影響評価に関する調査(化学療法のレジメン)」よりまとめてみた。

1位 FOLFOX+アバスチン

患者数:10,564名(15.6%) 平均入院日数:5.5日

【大腸がん:二次治療(OS)】「アバスチン+FOLFOX」vs「FOLFOX」
E3200(JCO)                            進行または転移性の結腸・直腸がんと診断され、イリノテカンおよび5-FUを含む治療が無効となった人が次の治療を考える場合、「FOLFOX」治療に「アバスチン」の上乗せを選択することで、生存期間、無増悪生存期 ...
【大腸がん:一次治療(PFS)】「アバスチン+化学療法」vs「化学療法」
NO16966(JCO)                          遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX(またはCAPOX)」治療に「アバスチン」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 「化学療法+アバスチン ...
【大腸がん:一次治療(OS)】「FOLFOX+アバスチン」vs「CAPOX+アバスチン」
遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX6+アバスチン」治療を選択することで26.1ヵ月ほどの生存期間が期待できる。 【発表】 2008年7月20日 【試験名】 TREE(Phase 3) 【原著】 J Clin Oncol. 2008;2 ...
【大腸がん:一次治療(OS)】「CAPOX+アバスチン」vs「FOLFOX+アバスチン」
転移性大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX+アバスチン」または「CAPOX+アバスチン」を選択しても同程度の生存期間が期待できる。 【発表】 2011年6月14日 【試験名】 NO16966(Phase 3) 【原著】 Br J Cancer. 201 ...

 

2位 FOLFOX

患者数:9,292名(13.8%) 平均入院日数:6.9日

【結腸がん:術後治療(5年DFS)】「FOLFOX4」vs「5-FU+ロイコボリン」
MOSAIC(JCO)                           ⅡまたはⅢ期結腸がんと診断された人が手術後の補助化学療法を考える場合、「5-FU+ロイコボリン(LV5FU2)」に「オキサリプラチン」の上乗せを選択することで5年無病生存率と6年生存率の向上が期待できる。 ...
【結腸がん:術後治療】「3ヵ月」vs「6ヵ月」
日本でStage IIIと診断された人が術後補助化学療法の期間を考える場合、「3ヵ月」を選択することで、「6ヵ月」に比べ、3年無イベント生存率を低下させることなく、3年間持続する末梢神経障害の発現率低下が期待できる。 さらに末梢神経障害の発現率はCAPOXレジメンでより少ない。F ...
【Ⅱ期結腸がん:術後治療(3年EFS)】「3ヵ月」vs「6ヵ月」
Stage IIと診断された人が術後補助化学療法の期間を考える場合、「3ヵ月」を選択することで、「6ヵ月」に比べ、3年無イベント生存率を低下させることなく、3年間持続する末梢神経障害の発現率低下が期待できる。CAPOX治療を6ヵ月受けた人の3年無病生存率は88.4%、3ヵ月受けた ...

 

【大腸がん:一次治療】「FOLFOX」vs「5-FU+ロイコボリン」
初めての治療を考える場合、「5-FU+ロイコボリン」治療に「オキサリプラチン」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「オキサリプラチン」の上乗せによって増加するグレード3または4の有害事象は、好中球減少症、下痢、神経障害。試験では好中球減少症が5.3%から ...
【大腸がん:一次治療(TTP)】「FOLFOX」vs「IFL」
遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX」治療を選択することで、「IFL(イリノテカン+5-FU急速静注+ロイコボリン)」治療、「IROX(イリノテカン+オキサリプラチン)」治療を選択した場合に比べ、進行までの期間の延長が期待できる。 奏効 ...

 

3位 FOLFIRI+アバスチン

患者数:7,747名(10.1%) 平均入院日数:4.5日

【大腸がん:一次治療(PFS)】「FOLFIRI+アバスチン」vs「FOLFOX+アバスチン」
遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFIRI+アバスチン」治療を選択しても「mFOLFOX6+アバスチン」治療を選択した場合に劣らない無増悪生存期間が期待できる。 奏効率も同程度の効果が期待できる。試験では「FOLFIRI+アバスチン」で64 ...
【大腸がん:一次治療】「FOLFIRI+アバスチン」vs「IFL+アバスチン」
結腸直腸がんの人が初めての治療を考える場合、「FOLFIRI+アバスチン」治療を選択することで「mIFL+アバスチン」治療を選択した場合に比べ、生存期間の延長が期待できる。 試験では「mIFL+アバスチン」治療を受けた人の半数は8.3ヵ月以上増悪なく生存し、19.2ヵ月以上生存し ...

 

4位 CAPOX

患者数:4,955名(7.3%) 平均入院日数:5.3日

【大腸がん:一次治療】「CAPOX」vs「FOLFOX」
結腸直腸がんの人が初めての治療を考える場合、「カペシタビン+オキサリプラチン(CAPOX)」治療を選択しても「FOLFOX」治療に劣らない無増悪生存期間が期待できる。 試験では「CAPOX」治療を受けた人の半数は8.0ヵ月以上増悪なく生存しており、「FOLFOX」治療の8.5ヵ月 ...
【大腸がん:二次治療】「CAPOX」vs「FOLFOX」
一次治療としてイリノテカンを含む化学療法を受けていた人が次の治療を考える場合、「CAPOX(カペシタビン+オキサリプラチン)」レジメンを選択しても「FOLFOX」レジメンに劣らない無増悪生存期間の延長が期待できる。 試験では「CAPOX」レジメンの無増悪生存期間について「FOLF ...
【大腸がん:一次治療】「CAPOX」vs「FOLFOX」
初めての治療を考える場合、「CAPOX」治療を選択しても、「FOLFOX」治療に劣らない奏効率が期待できる。 試験では、「CAPOX」治療の奏効率を「FOLFOX」治療と比較。「CAPOX」治療を受けた42%の人が奏効し、「FOLFOX」治療の奏効率46%に対し、非劣性を示した。 ...

 

5位 FOLFOX+ベクティビックス

患者数:4,058名(6.0%) 平均入院日数:6.6日

【大腸がん(KRAS野生型):一次治療(PFS)】「FOLFOX+ベクティビックス」vs「FOLFOX」
KRAS野生型の転移性大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX」治療に「ベクティビックス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 2014年4月8日 【試験名】 PRIME(Phase 3)〔NCT00364013〕 【原著】 ...
【大腸がん(RAS野生型):一次治療(PFS)】「FOLFOX+ベクティビックス」vs「FOLFOX」
PRIME(NEJM)                           RAS野生型の転移性大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX」治療に「ベクティビックス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間、生存期間の延長が期待できる。 RAS変異はなくても、 ...
【RAS野生型大腸がん:一次治療】「FOLFOX+ベクティビックス」vs「5-FU+ロイコボリン+ベクティビックス」
RAS野生型の人が初めての治療として「FOLFOX+ベクティビックス」6サイクル終了後の治療を考える場合、 「5-FU+ロイコボリン+ベクティビックス」を選択することで、「FOLFOX+ベクティビックス」治療を選択した場合と同程度の9ヵ月無増悪生存率が期待できる。日本で行われた試 ...
【大腸がん(KRAS野生型):一次治療(PFS)】「FOLFOX+ベクティビックス」vs「FOLFOX」
PRIME(JCO)                            遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、KRAS野生型であれば「FOLFOX」治療に「ベクティビックス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。KRAS変異型で ...
【KRAS野生型大腸がん:一次治療】「FOLFOX+ベクティビックス」vs「FOLFIRI+ベクティビックス」
KRAS野生型の人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX+ベクティビックス」治療を選択しても、「FOLFIRI+ベクティビックス」治療を選択しても、高い奏効率が期待できる。 「FOLFOX+ベクティビックス」治療を受けた人の奏効率は74%、「FOLFIRI+ベクティビックス」 ...