乳がんレジメン22

2022年度に日本の大病院で乳がんの治療のために入院していた人に選択されていた治療のランキングを中央社会保険医療協議会(厚生労働省)「DPC導入の影響評価に関する調査(化学療法のレジメン)」よりまとめてみた。

1位 エピルビシン+シクロホスファミド

患者数:6,898名(14.4%) 平均入院日数:4.2日

 

2位 ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル

患者数:3,995名(8.4%) 平均入院日数:4.4日

HER2 陽性の乳がんにおける術前・術後療法

【レジメン図鑑】「ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル」(HER2陽性乳がん:周術期治療)
「パージェタ(一般名=ペルツズマブ)」は、2018年6月28日に「HER2陽性の手術不能または再発乳がん」について承認された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体。2018年10月10日には「HER2 陽性の乳癌における術前・術後療法」に対する適応拡大が承認された。いずれの適応も、ハ ...
【トライアル図鑑】APHINITY(HER2陽性乳がん)
【試験名】 APHINITY(Phase 3)〔NCT01358877/jRCT2080221752〕 【試験開始日】 2012年4月10日 【試験終了予定日】 2029年7月31日 【試験参加国】 日本(愛知県がんセンター、千葉県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国が ...
【トライアル図鑑】NeoSphere(HER2陽性乳がん:術前治療)
【試験名】 NeoSphere(Phase2)〔NCT00545688〕 【試験開始日】 2006年6月26日 【試験終了予定日】 2014年9月22日 【試験参加国】 オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシ ...

 

HER2 陽性の手術不能又は再発乳がん

【レジメン図鑑】「ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル」(HER2陽性乳がん:一次治療)
「パージェタ(一般名=ペルツズマブ)」は、2013年6月28日に「HER2陽性の手術不能または再発乳がん」について承認された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体。「パージェタ」は「HER2陽性の手術不能または再発乳がん」に対し、ハーセプチンと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法として承認さ ...
【トライアル図鑑】CLEOPATRA(HER2陽性乳がん)
【試験名】 CLEOPATRA(Phase3)〔NCT00567190/jRCT2080220775〕 【試験開始日】 2009年7月18日 【試験終了予定日】 2018年10月23日 【試験参加国】 日本(愛知県がんセンター、千葉県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国 ...
【HER2陽性乳がん:一次治療(PFS)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」
PUFFIN(Breast Cancer Res Treat)                  遠隔転移を有し、HER2陽性乳がんと診断された女性が初めて治療を考える場合、「ハーセプチン+ドセタキセル」治療に「パージェタ」治療の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待 ...

 

3位 パクリタキセル

患者数:3,630名(7.1%) 平均入院日数:3.9日

【レジメン図鑑】Weeklyパクリタキセル(乳がん)
「 パクリタキセル」は、1997年7月に承認され、1999年2月には乳がんへの適応拡大が承認されたタキサン系抗がん剤。2007年12月にはWeekly投与が追加承認された。 HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次・二次化学療法としてタキサン系薬剤の投与が標準治療として推奨されてい ...
【乳がん】「パクリタキセル(毎週投与)」vs「パクリタキセル(3週毎投与)」
遠隔転移を認める乳がんと診断された、または手術後に再発した女性が次の治療を考える場合、「パクリタキセル80mg/㎡を毎週」投与する治療を選択することで、「パクリタキセル175mg/㎡を3週毎」に投与する治療を選択した場合を上回る奏効率と生存期間が期待できる。 【発表】 2008年 ...

 

4位 ドキソルビシン+シクロホスファミド

患者数:3,046名(6.4%) 平均入院日数:4.1日

5位 タモキシフェン

患者数:2,974名(6.2%) 平均入院日数:10.4日

 

6位 ドセタキセル

患者数:2,941名(6.2%) 平均入院日数:3.8日

 

7位 アリミデックス

患者数:2,582名(5.4%) 平均入院日数:13.1日

 

8位 パクリタキセル+アバスチン

患者数:1,975名(4.1%) 平均入院日数:7.5日

【レジメン図鑑】パクリタキセル+アバスチン(乳がん)
「アバスチン」は、「パクリタキセル」の併用療法として、2011年9月に「手術不能または再発乳がん」に承認された。HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次・二次化学療法(パクリタキセル)に「アバスチン」を併用することが弱く推奨されている。 【承認日】 2011年9月26日 【効能及び ...
【乳がん:一次治療(PFS)】「アバスチン+パクリタキセル」vs「パクリタキセル」
E2100(NEJM)                            遠隔転移を有する乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「パクリタキセル」治療に「アバスチン」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長は期待できるが、生存期間の延長は期待しにくい。 「パク ...
【HER2陰性乳がん:一次治療(PFS)】「アバスチン+パクリタキセル」vs「パクリタキセル」
MERiDiAN(Eur J Cancer)                     HER2陰性転移性乳がんと診断された女性が初めての治療として「パクリタキセル」単剤治療に「アバスチン」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「アバスチン」を上乗せすること ...

 

9位 シクロホスファミド+ドセタキセル

患者数:1,922名(4.0%) 平均入院日数:3.7日

 

10位 フェマーラ

患者数:1,871名(3.9%) 平均入院日数:13.7日

 

11位 ハーセプチン+パージェタ

患者数:1,447名(3.0%) 平均入院日数:4.2日

 

12位 エピルビシン+シクロホスファミド+5-FU

患者数:1115名(2.3%) 平均入院日数:4.6日

 

13位 カドサイラ

患者数:1,088名(2.3%) 平均入院日数:4.2日

HER2陽性の乳がんにおける術後薬物療法

【レジメン図鑑】カドサイラ(HER2陽性乳がんの術後薬物療法)
「カドサイラ」(一般名=ラスツズマブ エムタンシン)は、2013年9月20日、「HER2陽性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果として承認された抗体薬物複合体である。2020年8月21日には、「HER2陽性の乳がんにおける術後薬物療法」に対する効能・効果への適応拡大が承認された ...
【HER2陽性乳がん:術後治療(3年iDFS)】「カドサイラ」vs「ハーセプチン」
KATHERINE(NEJM)                        切除可能なHER2陽性早期乳がんと診断され、手術の結果、残存病変が確認された女性が術後治療を考える場合、「カドサイラ」治療を選択することで「ハーセプチン」治療を選択した場合を上回る3年無浸潤疾患生存率の ...

 

HER2陽性の手術不能又は再発乳がん

【レジメン図鑑】カドサイラ(HER2陽性乳がん)
「カドサイラ」(一般名=ラスツズマブ エムタンシン)は、2013年9月20日、「HER2陽性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果として承認された抗体薬物複合体である。この承認はPhase 3試験『EMILIA』、Phase2試験『JO22997』の結果に基づいている。 HER2 ...
【HER2陽性乳がん:二次治療(OS)】「カドサイラ」vs「タイケルブ+カペシタビン」
EMILIA(NEJM)                          遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断され、ハーセプチン、タキサン系抗がん剤を含む治療を受けたことがある女性が次の治療を考える場合、「カドサイラ」治療を選択することで「タイケルブ+カペシタビン」治療を選 ...
【HER2陽性乳がん:二次治療(ORR)】「カドサイラ」
JO22997(Jpn J Clin Oncol)                    HER2陽性の進行・再発乳がんと診断され、ハーセプチンかつ化学療法を受けたことがある日本人女性73名が「カドサイラ」治療を受けた結果、38.4%の人が治療に奏効した。 本試験、EMILIA試 ...

 

14位 ハラヴェン

患者数:1079名(2.3%) 平均入院日数:6.9日

【レジメン図鑑】ハラヴェン(乳がん)
「ハラヴェン」(一般名=エリブリンメシル酸塩)は、2011年4月22日、「手術不能又は再発乳がん」を効能・効果として承認された抗悪性腫瘍剤である。この承認はPhase 3試験『EMBRACE』および日本で実施されたPhase 2試験(221試験)の結果に基づいている。 HER2陰 ...
【乳がん:三次化学治療(OS)】「ハラヴェン」vs「主治医による選択」
EMBRACE(Lancet)                         遠隔転移を有する乳がんと診断され、2ライン以上の化学療法を受けたことがある女性が次の治療を考える場合、「ハラヴェン」治療を選択することで、生存期間の延長が期待できる。奏効率も5%から12%に向上。試験 ...
【乳がん:三次化学治療(OS)】「ハラヴェン」
E7389-J081-221(Ann Oncol)                         進行・再発乳がんと診断され、アントラサイクリン系製剤かつタキサン系製剤を含む治療を受けたことがある日本人女性80名が「ハラヴェン」治療を受けた結果、21.3%の人が治療に奏効した。 ...