現在、日本も参加している多発性骨髄腫の国際共同Phase 3試験についてまとめた。現時点で、進行中のPhase3試験が16件ある。
1. くすぶり型多発性骨髄腫
くすぶり型多発性骨髄腫に対しては、抗CD38抗体を含む治療2件のPhase3試験が現在、進行中。

【くすぶり型多発性骨髄腫:一次治療(5年PFS)】「ダラキューロ」vs 「経過観察」
AQUILA(NEJM) 高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「ダラキューロ(3年投与)」治療を選択することで「経過観察」を選択した場合を上回る5年無増悪生存率、5年生存率が期待できる。 【発 ...

【くすぶり型多発性骨髄腫】「サークリサ+レブラミド+デキサメタゾン」vs「レブラミド+デキサメタゾン」
ITHACA 高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「レブラミド+デキサメタゾン」治療に「サークリサ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間が延長されるかについて、現在、検証が進めら ...
2. 初発多発性骨髄腫
2.1 移植適応
移植適応例に対し、CAR-T細胞療法の有用性を検証するPhase3試験『CARTITUDE-6』が進行中。

【多発性骨髄腫:一次治療(PFS)】「カービクティ」vs「自家造血幹細胞移植」
CARTITUDE-6 多発性骨髄腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「ダラキューロ+ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン(DVRd)」治療後に「CAR-T細胞療法カービクティ」治療を選択することで自家造血幹細胞移植 ...

【多発性骨髄腫:維持療法(PFS)】「アベクマ+レブラミド」vs「レブラミド」
KarMMa-9 多発性骨髄腫と診断され、自家造血幹細胞移植を受けたが奏効が不十分な人が次の治療を考える場合、「レブラミドによる維持療法」に「CAR-T療法アベクマ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間が延長されるかにつ ...
2.2 移植非適応
移植非適応例に対し、「ダラキューロ+VRd」、「二重特異性抗体+ダラキューロ+レブラミド」、「CAR-T細胞療法」の有用性を検証する3件のPhase3試験が進行中。

【明日のレジメン図鑑】サークリサ+VRd(多発性骨髄腫)
「サークリサ+ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン」併用療法は、「未治療の多発性骨髄腫」に対して、2024年5月14日に承認申請された治療レジメン。この申請は、Phase 3試験『IMROZ』の結果に基づく。 【承認申請日】 2024年5月14日 【効能及び効果】 未治療の多発 ...

【多発性骨髄腫:一次治療(MRD陰性化率)】「ダラキューロ+ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン」vs「ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン」
CEPHEUS(Nat Med) 移植の適応とならない多発性骨髄腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン」治療に「ダラキューロ」の上乗せを選択することで、MRD陰性化率の向上、無増悪生存期間 ...

【多発性骨髄腫:一次治療(PFS)】「エルレフィオ+ダラキューロ+レブラミド」vs「ダラキューロ+レブラミド+デキサメタゾン」
MagnetisMM-6 移植の適応とならない多発性骨髄腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「エルレフィオ+ダラキューロ+レブラミド」治療を選択することで、「ダラキューロ+レブラミド+デキサメタゾン(DRd)」治療を選 ...

【多発性骨髄腫: 一次治療(PFS)】「テクベイリ+ダラキューロ+レブラミド」vs「ダラキューロ+レブラミド+デキサメタゾン」
MajesTEC-7 多発性骨髄腫と診断され、自家幹細胞移植非適応の人が初めての治療を考える場合、「テクベイリ+ダラキューロ+レブラミド」治療または「トアルクエタマブ+ダラキューロ+レブラミド」治療を選択することで、「ダラキ ...

【多発性骨髄腫:一次治療(PFS)】「カービクティ」vs「ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン」
CARTITUDE-5 移植の適応とならない多発性骨髄腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「CAR-T細胞療法 カービクティ」治療を選択することで、「ベルケイド+レブラミド+デキサメタゾン」治療を選択した場合を上回る無 ...
3. 再発・難治性多発性骨髄腫
3.1 移植後初発
「二重特異性抗体」の有用性を検証するPhase3試験『MagnetisMM-7』が進行中。

【移植適応多発性骨髄腫:再発(PFS)】「エルレフィオ」vs「レブラミド」
MagnetisMM-7 多発性骨髄腫と診断され、自家造血幹細胞移植後に再発した人が次の治療を考える場合、「エルレフィオ」治療を選択することで、「レブラミド」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間が得られるかについて現在、検 ...
3.2 二次治療
「ダラキューロ+ベルケイド+デキサメタゾン」治療を対照に、「抗BCMA抗体薬物複合体ベランタマブ マホドチン」、「セレブロンE3リガーゼモジュレーター イベルドミド」含むレジメンの有用性を検証する2件のPhase3試験が進行中。

【明日のレジメン図鑑】ベランタマブ マホドチン+Vd(多発性骨髄腫)
「ベランタマブ マホドチン」は、「ベルケイド+デキサメタゾン」などとの併用療法として、2024年9月17日に「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗BCMA抗体薬物複合体。本承認はPhase 3試験『DREAMM-7』などの結果に基づいている。 【承認申請日】 ...

【多発性骨髄腫:二次治療(ORR)】「カイプロリス(週1回)+Rd」vs「カイプロリス(週2回)+Rd」
ARROW2 多発性骨髄腫と診断され、何らかの治療を受け、効果がなかったまたは再発した人が次の治療として「カイプロリス+レブラミド+デキサメタゾン(KRd)」治療を考える場合、「カイプロリス」の用法・用量として「56mg/ ...

【多発性骨髄腫:二次治療(PFS)】「メジグドミド +カイプロリス +デキサメタゾン」vs「カイプロリス +デキサメタゾン」
SUCCESSOR-2 多発性骨髄腫と診断され、何からの治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「カイプロリス+デキサメタゾン」治療に「メジグドミド」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間が延長されるかについて、現在 ...

【多発性骨髄腫:二次治療(PFS)】「イベルドミド+ダラキューロ+デキサメタゾン」vs「ダラキューロ+ベルケイド+デキサメタゾン」
EXCALIBER-RRMM 多発性骨髄腫と診断され、何からの治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「イベルドミド+ダラキューロ+デキサメタゾン」治療を選択することで、「ダラキューロ+ベルケイド+デキサメタゾン」治療を上回 ...
3.3 三次治療
「ポマリスト」を含む治療を対照に、「二重特異性抗体」、「抗BCMA抗体薬物複合体」、「BCL2阻害薬」を含むレジメンの有用性を検証する6件のPhase3試験が進行中。

【明日のレジメン図鑑】ベランタマブ マホドチン+Pd(多発性骨髄腫)
「ベランタマブ マホドチン」は、「ポマリスト+デキサメタゾン」などとの併用療法として、2024年9月17日に「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗BCMA抗体薬物複合体。本承認はPhase 3試験『DREAMM-8』などの結果に基づいている。 【承認申請日】 ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「ベネクレクスタ+デキサメタゾン」vs「ポマリスト+デキサメタゾン」
CANOVA t(11;14) 陽性の多発性骨髄腫と診断され、何らかの治療を受けたが再発したまたは無効であった人が次の治療を考える場合、「ベネクレクスタ+デキサメタゾン」治療を選択することで、「ポマリスト+デキサメタゾン ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「エルレフィオ+ダラキューロ」vs「ダラキューロ+ポマリスト+デキサメタゾン」
MagnetisMM-5 多発性骨髄腫と診断され、レブラミド、プロテアソーム阻害薬を含む2ライン以上の治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「エルレフィオ」治療または「エルレフィオ+ダラキューロ」治療を選択することで、 ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「ダラキューロ+テクベイリ」vs「ダラキューロ+ポマリスト+デキサメタゾン」
MajesTEC-3 多発性骨髄腫と診断され、1〜3ラインの治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「ダラキューロ+テクベイリ」治療を選択することで、「ダラキューロ+ポマリスト+デキサメタゾン」治療を選択した場合を上 ...

【多発性骨髄腫: 三次治療(PFS)】「テクベイリ+トアルクエタマブ」vs「エムプリシティ+ポマリスト+デキサメタゾン」
MonumenTAL-6 多発性骨髄腫と診断され、抗CD38抗体およびレブラミドを含む1~4ラインの前治療歴がある人が次の治療を考える場合、「テクベイリ+トアルクエタマブ+デキサメタゾン」治療または「トアルクエタマブ+ポマリスト ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「エルレフィオ」vs「標準治療」
MagnetisMM-32 多発性骨髄腫と診断され、抗CD38抗体およびレブラミドを含む1~4ラインの治療歴がある人が次の治療を考える場合、「エルレフィオ」単剤治療を選択することで、標準治療(「エムプリシティ+ポマリスト+デキサ ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「ABBV-383 」vs「標準治療」
多発性骨髄腫と診断され、プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体を含む2ライン以上の治療歴がある人が次の治療を考える場合、「BCMA/CD3二重特異性抗体ABBV-383」単剤治療を選択することで、標準治療(「エムプリシティ+ポマリスト+デキサメタゾン(EPd)」治療、「 ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「トアルクエタマブ+ダラキューロ+デキサメタゾン」vs「ダラキューロ+ポマリスト+デキサメタゾン」
MonumenTAL-3 多発性骨髄腫と診断され、1ライン以上の治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「ダラキューロ+ポマリスト+デキサメタゾン(DPd)」治療に「トアルクエタマブ」の上乗せを選択する、または「トアルク ...

【多発性骨髄腫:三次治療(PFS)】「テクベイリ」vs「ポマリスト+ベルケイド+デキサメタゾン」
MajesTEC-9 多発性骨髄腫と診断され、1〜3ラインの治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「テクベイリ」治療を選択することで、「ポマリスト+ベルケイド+デキサメタゾン」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期 ...
3.4 四次治療
標準的な治療が困難な場合に、抗BCMA/CD3二重特異性抗体「テクベイリ」単剤治療が承認申請されている。

【明日のレジメン図鑑】テクベイリ(多発性骨髄腫)
「テクベイリ」は、2024年5月22日に「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗BCMA/CD3二重特異性抗体。同年12月27日に承認された。本承認はPhase 1/2試験『MajesTEC-1』などの結果に基づいている。 【承認日】 2024年12月27日 【 ...

【明日のレジメン図鑑】トアルクエタマブ(多発性骨髄腫)
「トアルクエタマブ」は、2024年11月20日に「再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認申請された抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体。本承認はPhase 1/2試験『MonumenTAL-1』、国内Phase1試験『MMY1003』の結果に基づいている。 【承認申請日】 ...