【急性骨髄性白血病:一次治療(OS)】「ベネクレクスタ+ビダーザ」vs「ビダーザ」

VIALE-A(NEJM)                        

強力な化学療法が適応とならない急性骨髄性白血病と診断された人(年齢中央値:76歳)が初めての治療を考える場合、「ビダーザ」治療に「ベネクレクスタ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。

完全寛解率はの割合は「ビダーザ」治療に「ベネクレクスタ」を上乗せすることで17.9%から36.7%に有意に向上した(p<0.001)。

ビダーザベネクレクスタ」治療を受けた99%の人がグレード3以上の有害事象を経験した。「ビダーザ」治療を受けた人では97%であった。「ビダーザベネクレクスタ」治療を受けた5%以上の人が経験したグレード3以上の有害事象は血小板減少症(45%)、好中球減少症(42%)、発熱性好中球減少症(42%)、貧血(26%)、白血球減少症(21%)、下痢(5%)、低カリウム血症(11%)、感染症(64%)、肺炎(20%)であった。

ビダーザ」治療を受けた5%以上の人が経験したグレード3以上の有害事象は血小板減少症(38%)、好中球減少症(28%)、発熱性好中球減少症(19%)、貧血(20%)、白血球減少症(12%)、低カリウム血症(10%)、感染症(51%)、肺炎(25%)であった。

本試験およびVIALE-C試験の結果に基づき、2020年6月29日、「ベネクレクスタ」について、急性骨髄性白血病の適応追加が承認申請された。

【発表】

2020年8月13日

【試験名】

VIALE-A(Phase 3)〔NCT02993523

【原著】

N Engl J Med 2020;383:617-29.  [PubMed: 32786187]

【さらに詳しく】

【他の治療選択肢】

【急性骨髄性白血病:一次治療(OS)】「ベネクレクスタ+ビダーザ」vs「ビダーザ」
VIALE-A(NEJM)                         強力な化学療法が適応とならない急性骨髄性白血病と診断された人(年齢中央値:76歳)が初めての治療を考える場合、「ビダーザ」治療に「ベネクレクスタ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。 完 ...
【FLT3陽性急性骨髄性白血病:一次治療(OS)】「ヴァンフリタ」vs「化学療法」
QuANTUM-First(Lancet)                     FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病と診断された人(年齢中央値:56歳)が初めての治療を考える場合、「シタラビン+ダウノルビシン(またはイダルビシン)」治療に「ヴァンフリタ」の上乗せを選択 ...
【60歳以下 急性骨髄性白血病:一次治療(OS)】「ダウノルビシン(高用量)+シタラビン」vs「ダウノルビシン(標準用量)+シタラビン」
E1900(NEJM)                           60歳以下の人が初めての治療として「ダウノルビシン+シタラビン」治療を考える場合、「ダウノルビシン」の用量を「45mg/㎡」から「90mg/㎡」への増量を選択することで、生存期間の延長が期待できる。増量の ...

【添付文書における表記】

強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者433例(無作為割付例;日本人患者37例を含む)を対象とし、本剤及びアザシチジンの併用療法(V+AZA)をプラセボ及びアザシチジンの併用療法(P+AZA)と比較するランダム化二重盲検第Ⅲ相試験である。第1、2及び3日目にそれぞれ本剤100、200及び400mg又はプラセボを1日1回食後に経口投与した後、本剤400mg又はプラセボを1日1回継続投与した。アザシチジンは28日を1サイクルとし、各サイクルの1~7日目に75mg/m2を1日1回静脈内又は皮下投与した。主要評価項目の1つである全生存期間(OS)において、V+AZA群はP+AZA群に対して統計学的に有意な延長を認めた(データカットオフ日:2020年1月4日)。もう1つの主要評価項目である治験責任医師判定の複合的完全寛解(完全寛解[CR]+血球数回復が不完全な完全寛解[CRi])率において、V+AZA群はP+AZA群に対して統計学的に有意に高値であった(データカットオフ日:2018年10月1日)。

本剤を投与されたV+AZA群283例のうち、241例(85.2%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症101例(35.7%)、血小板減少症96例(33.9%)、発熱性好中球減少症79例(27.9%)等であった(データカットオフ日:2020年1月4日)。