【直腸がん:術前治療】「4〜8 週後」vs「1週間以内」−放射線療法(5Gy × 5回)終了後の手術のタイミング−

術前の放射線療法はshort courseを選択しても、放射線療法終了1週間以内に手術しなくても劣らない局所再発までの期間が期待できる。

1998年10月5日から2013年1月31日までの患者登録と長きに渡った試験は、(1)「放射線療法(short course:5Gy ×  5回)終了後1週間以内に手術」、(2)「放射線療法(short course)終了後4〜8週後に手術」、(3)「放射線療法(long course:2Gy ×  25回)終了後4〜8週後に手術」を比較。

試験では、「放射線療法(short course)/非即時手術」を受けた人の局所再発までの期間は19.3ヵ月、「放射線療法(short course)/即時手術」を受けた人の局所再発までの期間は33.4ヵ月、「放射線療法(long course)/非即時手術」を受けた人の局所再発までの期間は33.3ヵ月と、「放射線療法(short course)/非即時手術」の非劣性が示された。

急性の放射線関連毒性は、「放射線療法(short course)/即時手術」を受けた人では1%未満、「放射線療法(short course)/非即時手術」を受けた人では7%、「放射線療法(long course)/非即時手術」を受けた人では5%が経験した。

手術後の合併症は、「放射線療法(short course)/非即時手術」を受けた人の方が、「放射線療法(short course)/即時手術」を受けた人より起こりにくい(41% vs 53%、p<0.001)。

【発表】

2017年2月9日

【試験名】

Stockholm III(Phase 3)〔NCT00904813

【原著】

Lancet Oncol. 2017;Feb 9. [PMID:28190762]

術前放射線療法は、5Gy/回を 5 回施行する「short course」と、1.8~ 2 Gy/回を25~28 回に分けて計 45Gy~ 50.4Gyを5週間かけて照射する「long course」がある。「short course」の術前放射線療法では通常、放射線療法終了から1週間で切除手術が施行されている。「long course」は術前放射線療法終了から手術までの時間は確立されていないが、慣習的に6~8 週間とされてきた。(大矢 雅敏ほか:日本大腸肛門病会誌.2014;67:888-896.