ICARIA-MM(Lancet)
多発性骨髄腫と診断され、2ライン以上の治療歴がある人が次の治療を考える場合、「ポマリスト+デキサメタゾン」治療に抗CD38抗体「サークリサ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。
主な有害事象は、注射部位反応、上気道感染症、下痢。
【発表】
2019年11月14日
【試験名】
ICARIA-MM(Phase 3)〔NCT02990338〕
【試験参加国】
日本、台湾、韓国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ニュージーランド、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、トルコ、英国、米国
【原著】
Lancet. 2019 ;394:2096-2107. [PubMed: 31735560]
【さらに詳しく】
- ポマリドミドにイサツキシマブ追加で再発・難治性多発性骨髄腫の無増悪生存が改善〔海外がん医療情報リファレンス〕
- 多発性骨髄腫にisatuximabとポマリドミド、低用量デキサメタゾンの併用はPFS改善と深い奏効を示す【ASCO2019】〔日経メディカル〕
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【添付文書における表記】
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)307例(日本人患者13例を含む)を対象に、ポマリドミド注2)及びデキサメタゾン注3)の併用療法(Pd療法)とPd療法に本剤注4)を上乗せしたIsaPd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaPd群では11.5ヵ月(95%信頼区間:8.9~13.9)、Pd群では6.5ヵ月(95%信頼区間:4.5~8.3)であり、IsaPd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.44~0.81、p=0.001[層別log-rank検定]、2018年10月11日データカットオフ)。IsaPd群152例中138例(90.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少66例(43.4%)、Infusion reaction 57例(37.5%)、上気道感染30例(19.7%)、肺炎23例(15.1%)、下痢17例(11.2%)、血小板減少17例(11.2%)、発熱性好中球減少16例(10.5%)、気管支炎13例(8.6%)、悪心10例(6.6%)、呼吸困難8例(5.3%)、嘔吐6例(3.9%)、貧血5例(3.3%)等であった。
注1) レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤による治療が無効となった患者(治療中又は投与終了後60日以内に進行した患者、部分奏効以上の効果が認められた場合は治療中止後6ヵ月に進行した患者、許容できない毒性が発現した患者)を選択した。なお、抗CD38モノクローナル抗体に対して難治性の患者は除外した。
注2) ポマリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回4mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬した。
注3) デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回40mg(75歳以上の患者では20mg)を1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。
注4) 本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)静脈内投与した。